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魔女と私

私たちは道を歩いているとたくさんの、それこそ認識しきれないほど多くの人や事柄と出会っている。


近所のお兄さんや小学生、見知らぬカップルやくわえタバコのおじさん。

犬にリードを引かれ転びそうになっているおばさんにそれを助けようとするお姉さん。


さまざまな人。


私はいつも何気なくその風景を眺めては人知れず笑いをこぼして楽しんでいた。


そして、ある日私はいつもと変わらない風景の中で真っ白な魔女に出会う。



その女性は白かった。

薄手の簡素なワンピースからキメ細かく艶やかな肌までが真っ白で髪は練乳のような少し黄色が入った乳白色。

その女性の白さゆえにそれ以外のモノは全て黒一色変えられた。


魔女は呟いた。


「すみません」


と。

私は我に返る。


「あ、いえ私が前をよくみてなかったので……」


ぶつかっていた。

彼女に見とれるあまり近づいていることにも気づかず正面からぶつかっていた。

前を見ていなかったはずはない。

だってその女性は前からやってきて前記のとおり私はそれに見とれていたのだから。


魔女は微笑んだ。


「あなた、素晴らしい色が見えているのね」


と。

瞬間、彼女を取り巻く全ての色が役割を取り戻した。

いつもの風景。

いつもの色。


ただひとついつもと違うのはそこに真っ白な魔女が写っている事だ。


去り際に魔女は囁いた。


「また会いましょう?」






彼女は漆黒の魔女。

自分以外を黒く染め上げる魔性の女。

私はその色にいつしか心を奪われていた。





なんかそれっぽい話。



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