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《7》 私のケンカ

言い争いは、これが限界のようでした(ガクッ)

それから、2ヶ月。



無事、大事にはならなかった。

紛争は起こったけど、今収束に向かっている。

最初の発端は、よくある権力者と非力な庶民との小競り合い。

それが、他国の外交官みたいな人だったので本国に逃げて

本国も庇うので、なにやらおかしい空気になってきた。

なんか、由緒ある家柄のお坊ちゃまだったみたい。


家柄は最高だけど、性格が最低。


どんだけ敵役テッパンなお方。

まぁ、そこで彼を問題起こした国に移送して

そこで裁判起こすことになって終結らしい。紛争というより暴動だったみたいね。

ただ、そのデモに同調した各国の人間が思いのほか多かった上に

問題起こした国が頑なに、護る上に「やられたやつにも問題ある」とか

外道のきわみを要人がポロリしちゃったので、デモ激化みたいな。

おまけにその国を普段から快く思ってなかった他国が、

紛争鎮圧という名の横槍を入れようとして、事態悪化が懸念されての

この国の王城の緊張感だったらしい。

誰だよ某国みたいなでしゃばりしやがるの!


まったく、どこの金持ちも困った阿呆が居るものね。


陛下は、その“由緒ある家柄の青年”を相手国に引き渡して、

周辺諸国に事態の早期収束を呼びかける行動を起こしたみたい。

王様なので、あくせく動くことはなかったけど上だけの会合で

なにやら話をまとめたらしい。巫女って政治には関わらないから

思ったより情報なくて“見ていろ”言われても見る要素が少なすぎた。


そんな、平穏が戻ってきた晴れた日。

私は、朝のお勤めが終わって庭でスイリに歴史などを教えてもらった。

神話などは、神官とかに教えてもらうけど歴史書などは読むだけなので

スイリに読んでもらう。この後文字の勉強も待っている。はぅ。


「というわけで、この国が作られ450年他国に侵略されることなく

インシュード騎士団の強固な守りがこの国を護り続けているのであります」


「私が、ここに来た時に陛下の後ろにいたのがインシュード騎士団なのね」


「エルタージャ紛争ですので、そうですね。インシュード騎士団ですわ。

騎馬隊と強襲部隊があるのですが今回は騎馬隊が活躍されたとか」


「そっか。いつか、ああいう人たちにも会えるかな」


「ふふ、陛下のご視察の時にご同行できるのではありませんか?」


「ナゼ、陛下ガ…」


そうなぜか、人と会うとき知らない所へ行く時はどこで情報得てくるのか

陛下が必ずちょっかいかけてくる。陛下と一緒じゃないとダメ。みたいな。

国王陛下としては、とても有能でカリスマあると人だとは思うけど

男としてなら、ちょっと難しい…っていうか不敬に当るけど、しつこい!

巫女なので何かしら、陛下の許可が必要なのはわかるけど、

使用人介してでいいだろうに、何故直接来るし。


「ふふふ。巫女様も陛下が来られるのを

楽しみにしていらっしゃるんじゃないですか?」


「hahaha!スイリ、冗談が好きね。haha…」



「まぁ…その話、私もお聞きしたいですわ」



「……ヴィアレッタさん」


今日も、背中に豪華なバラ背負ってそうな眩いオーラをまとって参上。

今日も。とはいっても、私も忙しかったので初対面以来なんだけど。

そして、取り巻きが前回より多いです。広大な庭が一ッッ気に狭くなった。


「お話に混ざらせていただいても?」


「そんなに面白い話ではありませんわ」


小心者で、この場から逃げ出したいけど取り巻きで退路を立たれているし

圧迫という名の、抑圧で私に対する脅しが前回の比じゃなかった。

臆病者を脅して追い詰めると、恐怖でとんでもない攻勢に出るんですよ!


「そんなことは、ございませんわ。

前回お伺いした時の、陛下の行動には驚かされましたもの。

楽しそうに追いかけっこなさっていたではありませんの」


あれが?あれで私は結構必死だったのよ。コイツの目は節穴か?


「巫女姫様は、陛下のことを正直快く思ってらっしゃらないと

仰っておられましたが、それなのに、陛下のお心を強く掴まれていますわ。

本当は、秘かに陛下に思いを寄せていらっしゃってそのお気持ちが

陛下を強く引き寄せていらっしゃるのでは?

それとも、それも巫女姫様のお力なのですか?」


何言ってるんだ、コイツ。


「言っている意味がわかりませんわ。

私の思っていることは、前回お話したとおりです。変更はありません。

それから、巫女の力は天候を操るもので、人の気持ちを変えることは出来ません。

何を根拠に、そのようなことを仰っているか判りかねますが

これ以上、陳腐な推測(いいがかり)で私を侮辱しに来られるようなら、

しかるべきところに訴えますよ!」


「でも、陛下には、精一杯ご奉仕しているのにお泊りになることなく

巫女様の元へ戻られますわ。家柄も、美貌も、教養も誰にも劣らないと

自信がありますのに、全体的に庶民的な巫女様のもとへ行かれるなんて

何か秘策がありますの?その方法があるなら、ぜひ教えてください!!

私には、美貌と家柄と教養…あと、何が足りませんの!?

物珍しい顔?髪の色?粗雑な物言い?

どの部分が陛下のお心をひきつけるのか教えていただけませんこと!?」


「………傲慢女が」


「は?」


「初ッ対面の人間に対して、よくもまぁ不躾な言葉がポンポン出てきますね。

自分より下の出身と見るや、ゴミを見るような言動。

作り話であるような、傲慢、不遜、高飛車、自己中心的で笑えてきますわ。

そんな性格じゃ、国王を陰から支える王妃の役目が務まるとは思えませんね。

だって、もしかしたら他国の外交官にも

そんな不遜な態度とって外交問題になるかもしれないもん」


「しませんわ!」


「そんな保障何処にあるの?

私は、月光の巫女。陛下と宰相の間の身分にあるのはご存知よね。

出自はともかく、今の身分は貴女より上。

なのに、激昂した貴女はそれを忘れて私を罵倒した。

それを、他国の一目でそれとわからない身分の人に不遜な態度取らないと言えて?

貴女の一言が、先日のあの暴動のようになったら貴女はどう責任取るの?

貴女一人でなく家全員の命がかかるかもしれないのよ?

スキルはそれは、私には到底追いつかないほどすばらしいわ。

でも、貴女の人間性はとても褒めたものじゃないわ。

どうしたらいいか聞く前に、自分を見つめなおしなさいよ」



「下賎な女が…偉そうに……」



ブチッ☆



小心者の私の中で何かが切れる音がした。遠くで雷鳴がとどろいてる。


「そうやって、何もかも見下して楽しいかよ。この欲望の雌妖怪が!

下賎な女、そうね!私は、普通のサラリーマンと普通の専業主婦の間に生まれた

普通の一庶民。一高校生。アンタから見れはそう見えるかもね!

だけどね、アンタみたいな女に蔑まれるほど

世間に顔向けできない生き方はしていない!むしろ誇りに思っている!

それを何?ただ、高貴な家に生まれただけのことで神様にでもなったつもり!?

あの家に生まれた、それだけがそんなに偉い事なの!?バッカじゃないの!!?

家柄、美貌、教養の他だったらアンタの人間性しかないじゃない!?

性格含めた?その性格がいいと本気で思った?

イエスマンしかいない周りで本当に苦言を呈してくれる人がいなくて同情するけど、

その性格で、本気で王妃になれると思ったらこの世界ももう終わりだわ!!」



ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォン!!



ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ…




「巫女様!今の言葉、私に対する侮辱と受け止めましてよ!?」


「そっくりそのままあなたに返すわよ。

初対面で目上の身分の女に対して罵倒する女に言われたくないわよ!!


いい。1回きりしか言わないわ。


私は、陛下と仲良くなる気も無ければそんな関係でもない!

アンタが思うとおり物珍しい存在に、夢中になってるだけよ。

陛下と仲良くしたければ、気持ち悪いストーカーよろしく付きまとってなさいよ!

それに、私を巻き込まないで!迷惑、目障り、不愉快よ!

二度と私の前に現れないで!!」


「!?あ、貴女よくそんな無礼な口を私に…」


「私は巫女。貴女より地位はずっと上のはずですが?無礼は貴女の方よ。

まったく、上下関係もわからない女王様気取りのお嬢様はこれだからダメよね。

この前国際問題になったのに、そういう性格が世界を滅ぼすって

気付かない所が残念というか哀れだわ。哀れな脳を持ってご愁傷様。

最後に言うけど、陛下は夜は私のところに来ていないわ。ねぇ、スイリ。」


「はい。陛下は、いつも自室でお休みのようです。

巫女様は、初日以外はお一人でお休みでございます」


「実際、男でも連れ込んでるんじゃないの?

私がこの城に連れてこられたのも、男だと思って連れてきたくらいだし。

恋敵が、女性だけでなくて大変ね?ふふふ。

チェランド、ヴィアレッタさんをお連れして」


「は。」


「ちょっと!私はまだ話が終わってませんわ!お離しなさい!!」


「貴女と陛下の問題に私はいないわ。さようなら、残念なお嬢さん。」




ギャンギャン言うお嬢様が消えて、一気に疲れが出た。


多分私が起こしたのだろう、雷雨のせいで勉強会は中止。慌てて部屋に戻された。

筆頭正妃候補令嬢と月光の巫女との対決でした。


言い争いが苦手でこういうの言われても流してきたので

覚えてなく、こんな不完全な結果になってしまった。

もうちょっと、長引かせたかったなぁ。


そして、ぶちキレたので当然のごとく雷と心も荒れていたので豪雨も追加されました。

ピッカピカの快晴続きになる日はいつなんだか。

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