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《3》 朝から騒がしいな、私とこの国。

相変らず、キス魔な国王でスミマセン。

起きたら、やっぱり絢爛豪華な大ホールな寝室でした。


「!!」


しかも、隣に陛下が寝ているし!!

つーか、腕。大きい太い腕だー。…なんて言うと思った!?

ちょっとーーーーーーーーーーー。

両腕のつなぎ目を外そうと思ったら、さらに抱えられるし!!



はーーーーーーーなーーーーしーーーーーーーてーーーーーーーーーーー



「ケイト、もう疲れてはいないか?」


「はい、そうですっ。離してください。

まだ若いから疲れなんてすぐ回復します!だから、離してぇぇー」


「若い…ケイトは今いくつだ?」


「もうすぐ、16になりますー。もぅ、離してよー」


「なるほど、確かに若いな」


「ねぇっ、恋人でもないのにこんなことしないでよ!ねぇ、んむ…」


いわゆる、モーニングキスというやつですか!?

嫌ぁ、なんで朝から濃厚なキスかましてんのよ、変態国王!!

大きな部屋いっぱいにリップ音が鳴り響いてるしっ。

離れて欲しくて身を捩じらせても、大きく重い体はどいてくれない。

パシパシ腕や背中をたたいても、壁を叩くように効果がない。


いやいやいやいや!!


体を何とか動かしてると、

太ももの辺りに熱を持ったナニかが擦れるんですけど?

このままだと、R-18なシーンに突入しそうです。

ねぇ、誰かたすけてぇぇぇ!!


コンコンコン


救世主さまぁぁぁぁぁぁぁ!!っっっって!

誰かがノックしているじゃんか!なんで止めてくれないのって、

いつまで口付けてるのよ!!もーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!




ピシャァァァァァァァァァァァァァァァァン、ドーーーーーーーーン!!!




「っ!!」


「朝から、雷を鳴らすとは元気だなケイト」


「誰のせいだと思っているんですか!?誰か来ましたよ!?」


「あぁ、起こしに来ただけだろ。入れ」


陛下の許可が下りて入ってきたのは、侍女のスイリさん。

朝の準備をして、着替えるため別室へ行くらしい。そらそうだろう。


「俺は、ここで着替えてもらった方が嬉しいが?」


「嫌ですっ。ふん」


場所がわからないので、スイリさんの後へついていくと

ウチの敷地をはるかにしのぐほどの広さのクローゼット!?

というか、彼の他に女性の家族居るの!?

もしかして、妻帯者!?


「こここ…これ…誰のですか?」


「もちろん、すべて巫女様のものでございます。

巫女様がお休みになられてから、大至急整えられたものでございます。

衣装課のものが、巫女様のお好みのデザインを教えていただきたいと

要望が入っております」


い、衣装課!?

衣装だけで部署できてるの?ココ。

というか、部屋一面のドレスに眩暈がしそうです。

貸衣装でもこんなに揃った店ないよ。深夜によく運び込んだな…


何がいいかって、選ぶのに選択肢が多すぎるっ!

何百着どころか何千着はあるだろうって数だよ。

えー、まずは色で決めるとして…初日かー。

緑が好きだからな、ライムグリーンとか。爽やかな朝ですねっ☆

って、朝からディープでハードなのしておいて“爽やか☆”は、ねーわ。


でも、神殿云々がどーの言ってたから、ライトブルーにしようかな。


「あの、ライトブルーのドレスにします」


「畏まりました」


うぉっ、侍女の数が4人に増えてる!

スレンダーな長身侍女さんが取ってくれて、

残りの3人で着付けてもらう。

痛い、コルセット本当に苦し痛い!うぉぉ、ビデオで見たクリノリン。

上から檻のようにガッシャンってはめ込む鳥かご状の骨組み下着。

貴族って苦労していたのネェ。なんて他人事に感想述べてたけど

まさか、私も体験するとは…苦しいわ。


「まぁ、お顔が真っ青だわ、少し緩めてさしあげて」


「はい、巫女様気を確かに!!」


いや、アンタが一番締め上げてたでしょ。

はー、緩めたら気が楽になった。はぁぁ。

そして、着替えが終わると少し化粧を施して朝食へ。


って!なんで陛下と一緒なの!?


テーブルマナーなんて習ってないのに、完璧にマスターしているであろう

陛下と一緒にするなんて。異世界人に対する配慮がないんじゃない!?


「どうした、ケイト。座らないのか?」


「座りますっ。

陛下、言っておきますが私はテーブルマナーを習ったことがありません。

無作法すぎでお見苦しくても苦情は受け付けませんからねっ」


「くっくっくっくっ…わかった」


もー!悔しい。

なんとか失敗しないように、周りの人のサポートも受けて

何とか食べ終わると、食堂に法陣省のロラ長官がやってきた。


「おはようございます、陛下。巫女姫殿下」


「おはよう、早いな。老人の朝は早いとは本当なのだな」


「おはようございます、ロラ長官」


「ほっほっほ。美しい巫女姫殿下にお逢いできるとあっては

寝ているのがもったいなく感じるのでございます。

それと、巫女姫殿下、長官というのはちと恥ずかしいので

どうぞ、ロラとお呼びくださいませ」


「で、では、私も名前で…」


「ゴホッ!」


なんで、陛下がさえぎるんですか!


「ほっほっほ。早くも仲睦まじい所を拝見できました。

巫女姫殿下、陛下はご自分だけが名前でお呼びしたいそうですぞ。

なので、“巫女姫殿下”か“巫女様”どちらか二択しかございませんの」


「では、巫女様で。“殿下”というのは、なんか仰々しくて嫌です」


「そうか、ならば公式の場を除きそのように呼ばせるとしよう」


「ほっほっほ。陛下は、巫女様のことになるとご決断が早いですな」


「ー!」


「ロラ、このまま隠居命令を下してもいいんだぞ」


「ほっほ。失礼いたしました。

巫女様、ご休憩なされたら神殿の方へ参りましょう。

巫女様の一日は、神殿でのお祈りから始まりますのじゃ。

バトゥー神殿の神殿長にも面会していただきます」


「わかりました。あの…この格好でもいいのですか?」


「清楚の中に可愛らしさも出ている。さすが、聖女の巫女様じゃ」


「お、オホメイタダキアリガトウゴザイマス」


「ほっほ」


「俺も一緒に行く」


普段は、月一度のお参りにしか出向かないらしい陛下が

突如行くことになったとかで、部屋の外が急に慌しくなった。


1人が急遽予定変更しただけですごいな、この騒ぎ。

―補足―

月光の巫女は、王族に嫁がない限り王族ではありません。

ですが、月光の巫女不在の時代は王族の女性が代理を務めていました。

巫女の主な仕事は神に対する祈りです。次の話で言いますがそれを代理でしていました。

なので、今でも“巫女姫殿下”という呼び名が残っているんです。


そして、ウザったらしい愛情表現が始まりました(笑)

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