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第5話
「ついてこい」
十兵衛は立ち上がると、塔の方へ向かう。
鷹刀が後をついて行く。
塔全体には薄緑色で模様が描かれており、時折光っている。
塔の入口では、少女が倒れている男に手をかざしていた。
男は入口の壁にもたれかかり、時折苦しそうな表情を浮かべている。
「アンジー」
十兵衛が少女を呼ぶ。
少女が立ち上がり、十兵衛に駆け寄る。
「十兵衛さま」
十兵衛の前に来ると可愛らしく頭を下げ、鷹刀の方を見る。
銀色の髪を結った少女だ。
深藍の瞳が鷹刀を覗き込んでいる
「アンジー、お主、この男が見えるのか」
十兵衛がはじめて驚く。
「もちろん見えてますが」
アンジーと呼ばれた少女が不思議そうに首を傾げる。
「そうか。鷹刀、お主、ブレスドか」
十兵衛が何度も頷く。
鷹刀も頷く。
アンジーと呼ばれた少女が驚いて、鷹刀に迫る。
「……鷹刀おじさん?」
少女は嬉しそうに身を乗り出す。
「わたし、わたし!覚えてますか?」
「良子です!凛堂涼麻の娘です!」
「……え!?」
鷹刀が目を見開く。
そこにいる少女は、
鷹刀の知る親友の娘の姿では無かった。
「アンジー、鷹刀のことを知っておるのか?」
「お父さんの昔からの友達です。」
「とは言っても向こうのお父さんでしたが。」
アンジーが寂しそうに言う。
鷹刀の胸の奥が、わずかに痛んだ。




