第14話
「みんなを…救けたい」
「わたしの想い」
「鷹刀おじさんに…繋げて」
指輪が光った。
次の瞬間、鷹刀の身体が淡い金色に包まれる。
光が流れる。
アンジーの指輪へと吸い込まれていく。
すべてが吸い込まれた時、鷹刀の膝が崩れた。
「アンジー!その力はどんな力だ!?」
城太郎が倒れた鷹刀を抱え起こすと傍らの部下の女性に預ける。
「鷹刀おじさんの力は強化のようです」
「強化…なるほど」
城太郎が低く呟く。
「魂の本質が、そのまま魔法になるというわけか」
「どういうことですか」
「鷹刀は…守る男じゃ」
「だが、それは自分ではなく“他人を強くする”」
「その性根が、力になったのだろう」
「わたし…鷹刀おじさんにいっぱい助けてもらってる!」
「それは…誰でも強くできるのか」
城太郎が一度、アンジーを見る。
「短い間だけど…」
「なら…なんとかなるやもしれん」
「ポインシャの子供たちが動き始めました!」
声が聞こえてくる。
アンジーが心配そうに城太郎を見る。
「大丈夫じゃ。もう使わせん」
「アンジー…自分の力を信じよ」
「俺を風で子供たちの方へ吹き飛ばしてくれ」
魔法師たちが頷く。
「オン・マリシエイ・ソワカ」
城太郎が港の方を向き、印を結ぶ。
「…風を」
魔法師達から緑の光が城太郎を包む。
「アンジー!俺に力を」
「え!?」
「急げ」
アンジーが手を城太郎に向ける。
心に浮かんだ言葉を唱えた。
「ダンシング・イン・ザ・ムーンライト!」
今にも押し出されそうな城太郎を黄金の光が包む。
それはまるで月の光に照らされたようにも見える。
黄金の光が弾けた。
次の瞬間、城太郎の姿は消えていた。
城太郎は風に押し出され、一直線に向かっている。
アンジーの力で強化された目にポインシャの子供たちの姿が映る。
ゆっくりと手を掲げようとしている。
「もう苦しむことはない」
城太郎の手が振られる。
光が走った。
子供たちの身体が、ふっと崩れる。
子供たちが、糸が切れたように崩れた。
「次は戦のない世界で会おうぞ」
城太郎は振り返らない。
そのまま子供たちを通り過ぎる。
後ろ手で刀を抜き、払う。
一人が倒れる。
間を置かず、もう一人。
気付いた時には、残る二人も崩れていた。




