第12話
宮殿前には白い外套姿の少女たちが倒れている。
皆息も絶え絶えとなっている。
宮殿の入口に立つジョルジーヌの表情は暗澹としている。
城太郎は周りの部下の女性たちに何事か話している。
鷹刀はその光景を見て、支えていたアンジーに聞いた。
「大丈夫か」
アンジーがコクリと頷く。
「でも彼女たちを…守れなかった…」
「まだ終わっていない。まだ守れる」
アンジーが後ろに立つ鷹刀を見る。
「そこにいる限りまだ守れる」
アンジーが自分に言い聞かせるように呟く。
「まだ生きてるよね」
鷹刀が頷き、アンジーの頭に手を置いた。
「よし行くぞ!」
「宮殿を制圧し、敵の君主を倒せば終わる」
「倒れてるウサギは放っておけ」
「何人か残って、このウサギを見ておけ」
指揮官の合図で銃や迫撃砲を持った男たちが前進し始める。
無数の銃弾が走る。
砲弾が宮殿の白い壁を穿っていく。
先ほどのポインシャ村の子供たちの魔法攻撃を防いだ代償で魔法師たちは動けずにいた。
城太郎が天を見上げた。
「来たか」
鈍色の雲を突き破って白く輝く船首が現れる。
凄まじい速度で落ちていく。
「イミル滞在限界まで3分!」
マリーがモニターの数値を見て、ニールに伝える。
「我々には全てを救うことは出来ん」
「ただエゴだが子供たちは助けたい。彼らは未だイミルに産まれたばかりだ」
マリーが頷く。
「敵部隊直上からピンポイントの一斉砲撃。その後イミルから急速離脱する」
「了解…ルーン急速充填開始」
「1番から3番まで30%の出力で砲撃用意」
「了解…1番から3番までのルネリウムハンマー準備」
スキーズブラズニルの前方3つの砲塔に青白い光が集まってくる。
収束した光が消えた。
次の瞬間、真下へ走った。
光が落ちた。
音は後から来た。
スキーズブラズニルのブリッジのスクリーンには地表が映し出されている。
敵部隊のいた場所は抉れていた。
何も残っていない。
城太郎とアンジー、鷹刀姿が見える。
「敵部隊の消滅を確認…」
マリーが言い終わる前にコウキ叫んだ。
「父さんだ!」
「鷹刀殿か!?」
半蔵がスクリーンを見渡す。
「僕にはわかる!あれは父さんだ!」
「城太郎のそばにいるのが鷹刀殿か!?」
コウキが頷く。
「スキーズブラズニル急速離脱!」
ニールが目を瞑る。
スキーズブラズニルが落下中に消える。
スキーズブラズニルが消えた空を、鷹刀は見上げていた。




