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ローゼンカヴァリエの見えない傷と結晶  作者: 木村 巴


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エピローグ






 春の暖かな陽射しが、木漏れ日から私達に降り注ぐなか、芝生の上を子供達がはしゃぎまわる。

 なんて温かい光景なんだろう。

 なんてしあわせな時間なんだろう。



「おかぁさまぁ〜」

 遠くからルーシーが手を振る。それに手を振り返して目を細めた。




「パッパ、パッパ、パパパパ〜まん、まん、まんまん」

「ミシェル〜! 大変だ! ルミエが俺の事をパパって言える様になった〜!!」



 一歳になった長男のルミエは最近は喃語だけでなく、意味のある言葉をたくさん発する様になってきた。

 可愛いさかりで、今は大好きなパパの後をよちよち歩いたり、高速ハイハイをして追いかけている。


 アベルは嬉しくてたまらないと言う顔で、ルミエを芝生から抱き上げこちらに走ってくる。

 子供達よりも、アベルの方がはしゃいでいるかもしれない。彼はこうした家族時間をとても、とても大切にしてくれている。



「おとうさま! 走ったらあぶないのよ!」


 三歳になる長女のルーシーに怒られて、さらにデロデロに嬉しそうな顔になる。


「ルーシーはお利口さんだね。お父様は鍛えているからね! 大丈夫なんだ! ほら!」


 と、腰に手を当てお姉さんぶりながら怒るルーシーも抱き上げ、二人を抱えてこちらに走ってくる。


 子供達の嬉しそうな「きゃ〜」という声を聞いていると、しあわせ過ぎて堪らなくなってしまう。



 三年前のあの時──アベルが諦めないでくれたから、今がある。






 アベルが迎えに来てくれて、話合ったあの時は──私の魔力を感知して勝手にあの家に上がり込み、話合い中は結界まで用いていたらしい。


 誰もあの部屋に入れないし、出られない様にしていたみたいで、後で心配した旦那様とメアリーにアベルは怒られていた。


 けれど、娘のルーシーと面会して涙を流して喜ぶ姿に、アベルと旦那様は意気投合し二人は今でも連絡を取りあう仲だ。



 結果、私とアベルはきちんと話合うことが出来て、床上げの一ヶ月を目処に帰国する事になった。

 娘を出産して半月は経っていたけれど、残りの半月だけでも「もう離れて暮らすのは嫌だ」と言うアベル。そのお休み調整は多少難航した。

 それはそうだ。次期騎士団団長候補とまでいわれ、家柄も人柄も顔も、とても良いんだもの。

 だがそれも御前試合で優勝した、その時の褒章を使ってまで休みをもぎ取っていた。

 本来この褒章はもっといいものだったり、休みも本来ならもっと貰えたりする程の褒章のはずだ。だから、もったいないと思ったが、アベルは今使わないでいつ使うんだ! と喜んで差し出していた。


 こうして残りの半月、メアリーの家で家族全員でお世話になってから帰国した。


 アベルとはたくさん話した。

 まずは子供の名前。勝手に決めてしまったことを謝った。

「いい名前だと思う。僕達の希望の(ルーシー)だ」と笑顔で受け入れてくれる。

 これからは家族でしあわせになろう。

 たくさん話し合おう。

 いままでの事だけではなく、これからの事もたくさん話した。



 王都に戻るとアベルの家に子供の部屋や乳母なども手配されていて、こちらでもゆっくりさせて貰いながらなんとか暮らしてきた。



 私は色んな人に、心配と迷惑をかけた事を謝った。


 あの日の彼女は──私が勘違いをしたあの女性は──アベルのお母様だった。


 アベルが公開プロポーズをしたと聞きつけ、私に会いたいと王都に来ていたんだそうだ。……本当に自分の勘違いで申し訳がなさすぎる。


 実家の両親も子供達に会いにきてくれた。

 心配をかけた王妃様達や騎士団の皆にもお手紙を書いた。




 そして、アベルが実家から余った爵位を受けたので、今は伯爵夫人として子供と家で生活している。


 アベルは私と娘を、こんなに甘やかせるのかと思う程に……いいえ、私が想像出来ない程に甘やかしてくれた。



 帰国してから、アベルと子供達からの愛に包まれて、毎日過ごしている。


 仕事に戻って来ないかと誘って頂く事も、いまだにあるけれど……私は今のこの生活を手放せないと思う。


 アベルが私を包み込むように愛してくれて、その瞳が私を愛していると語っている。



 私も、同じ様に彼を愛している。



 そして私達二人で、子供達という私達の愛の結晶を守って生きていきたい。

 ううん。逆に子供達から、たくさんの愛を貰っている気がする……だって、子供はただいてくれるだけで、嬉しいし可愛い。怒る事もあるけれど、本当に天使だ。



 あの夜に実を結んだ私達の結晶が、今や二つとなり……


 これからも私は……アベルと子供がいてくれるだけで、色々な形で色々な結晶を生みだしていく事だろう。








 風が、嬉しそうな声を運んでくる。


 私が振り向くよりも先に、私の愛する旦那様と子供達が──私に向って飛び込んで来た。













これにていったん完結です。

数日間お付き合いくださりありがとうございました(*´ω`*)大感謝です!


今回は、いつも書かないジャンルに挑戦出来て嬉しかったです。

企画モノだったので、プロット立てて→そのまま毎日書く→アップ→書く→アップすると完結まで走りきりました!


まぁ、結局私がシークレットベビー物を紡ぐとこんな感じの溺愛に出来上がります(*´ω`*)好きです。無駄に韻を踏んでみました。


まだムーンの連載が終わらないので、これからムーンさんの連載を一つ終わらせてから、なろうの連載途中のものを続きを書きあげる予定です!


隙間で、アベルが騎士団に戻ってきた時の番外編なども書きたいと思います。

★アベル、騎士団で大暴れ

★アベル、飲み会で大泣き

★アベル、息子が生まれて大はしゃぎ の3本です。

(★は冗談です。番外編は書きます)


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― 新着の感想 ―
うーんなんというか企画用に書かれたからか余りに設定が杜撰かなぁ、と ミシェルのやらかしが酷すぎる ・盛大に酔ってて公開プロポーズもその後のアレも一切記憶にない(これはまだ擁護できる範囲ではある ・ア…
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