表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/21

第二話 手紙

「おじゃま〜!」


大きな音と共に扉が開く。

まだ開店してないはずなんだけどな。


「お客様、まだ開店前ですよ。」

「別にいいじゃん。ルディアのケチ。」

「ミア、そもそも君仕事は?」

「えへ⭐︎」


えへ、では済まされない気がする。

文官辞めた方がいいんじゃないかな。

こっちは色々と忙しいというのに。


「おやおや、それはなんだいルディアくん。私に見せたまえ!」

「ただの手紙だよ。家族から送られてきたんだ。」

「なおさら見せたまえ!読みたい読みたい読みたい!」


まるで子供だな。

まあこれぐらい読ませても問題ないだろう。


「はい。別に面白くもないよ。」

「やったぁ!えっと、なになに…」


満面の笑みを浮かべながら、ミアは手紙に目を通す。

が、どんどん表情が抜けていった。

やっぱり見せない方が良かったかもしれない。


「…なにこれ。」

「別にどうもこうもない。書かれている通りの意味だよ。」

「死ぬならせめて妹たちにある程度お金を残せって…それしか書いてないじゃん!」


ミアが怒りを込めた声で叫ぶ。

まあ気持ちは分かる。

母親から死ぬ前に金をよこせという手紙が来たら、普通は激怒するものだろう。

でも母は僕を毛嫌いしているし、僕もそれに慣れている。

そもそも僕から余命のことを報告した時点で、こうなることは想定していた。

母はそういう人間だ。


「こんなのおかしいでしょ!私殴って…」

「ミア、その必要はないよ。元々お金は妹たちに渡すつもりだったんだ。」

「そういう問題じゃない!」


困った。

ミアがここまで怒り浸透なのは見たことがない。

どうすればいいのだろう。


「家族なら普通心配するのが先でしょ!」

「…母にそんなものを求めてないよ。」

「ふん!ルディアの分からず屋!」


そっぽを向いてしまった…。

どうしてここまで怒るのか全くわからない。


「ま、まあ僕の家族のことは気にしないでいい。そんなことよりも今日の支度だ。」

「はぁ…ほんとルディアって馬鹿だよねぇ…」

「馬鹿で結構だよ。ところでミア、こんなにも早い時間に押しかけてきたんだから、わかってるよね?」

「え、なになに?」


とりあえず箒を差し出す。

するとあからさまに、ミアの顔が曇った。


「手伝ってもらおうか。まずは掃除から。」

「わ、私お仕事が…」

「何か言ったかい?」

「なんでもないですよぉ…!やりますやりますぅ!」


僕に向かってべーっと舌を突き出してから箒をぶん取り、ミアは掃除を始める。

小さな道具屋で文官が掃き掃除…なかなか傑作だ。

まあ本当はそんなことよりも仕事に行くべきだろうけど。


「掃除しなくたって綺麗じゃん!なんでわざわざ…」

「お客様が来るから、常に最高の状態にしないとね。それが僕のモットー。」

「ねぇ、私もお客様なんだけど。」

「今は開店前だから、ミアはただの侵入者だよ。」

「はぁ〜?一番の顧客に向かってそんなこといいますぅ〜?」


ぶつぶつと文句を言ってはいるものの、しっかり掃除している。

流石は文官様だ。

さて、僕もそもそも開店の支度をしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ