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プロローグ 『スタートラインはもう過ぎた』
────ヒュー、ヒュー、ヒュー、ヒュー
浅い呼吸の音が狭い路地に響いてさらに不安を煽る。
手には真っ赤な血がベッタリ付いている。
────《スキルを獲得しました》────
《スキル【霧隠れ】を獲得しました》
《スキル【暗殺者の心得1】を獲得しました》
《スキル【普通の料理人】を獲得しました》
《スキル【家事の心得1】を獲得しました》
「霧隠れを使用!!」
震えた小さな声がうるさく感じるほどに不安が体を支配している。
辺りを霧が包み込み、霧は一瞬にして狭い路地を満たして公道にまで溢れ出ている。
何人かの人が中を覗きに行ったが、路地には死体だけが残り、男の姿はない
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服で手を隠したまま男は若干小走りになりながら歩き続ける
「──んだ…」
「殺したんだ…」
人を殺す。神に唾を吐き捨てるような行為をした時、
人はどのような表情になるだろうか…
一般的にどうなのかは存じ上げないが、
少なくとも彼は、
”ハヅカ・レイ”は、
──────笑っていた




