5丁目の佐藤さん家の怪(後編)
山田さんの家を後にして電車を乗り継ぎ
5丁目の駅で降りた所だ
改札を潜り、駅前のバス停でバスを待つ間に
途中で買った缶珈琲を飲み干す
「さぁ、仕事の時間だ」
バス停で待つ主婦たちが「え?今からなのこの人?」なんて見ているが
そんな目には挫けない
向かうは5丁目の佐藤さん家だ
仕事を終わらして、ちょうどお昼位だな・・・なんて思っていたのだが
「あの人今から仕事だ!なんて言ってたけど、きっと無職よ無職」
「かわいそうに、わざわざ聞こえるように言わなくても黙ってれば分からないのに」
「いい歳にみえるし、プライド?ってやつなんじゃない?」
「うちの旦那にはあぁはなって欲しくないわね」
「ほんとねー」
なんて主婦どもが!!!!本当に今から仕事なんだ!!
気合を入れるつもりが、なんか外された気分だ
よしタクシーで行こう!
ちょっと、殺意を込めて主婦どもを一睨みしてからタクシー乗り場に移動する
ようやく辿り着いた佐藤さん家
外から見れば、家全体が・・・私には何も見えなかった
取り合えず留守番の山田さんに会ってみるか
ピンポーン
「えーと、ハウスキーパーの御堂ですが、佐藤さん家にいる山田さん居ますかー」
なんか変な掛け声だと思いつつ、声をかけてみると
「待ってましたよー、この家なんか変なんですよー」「ぎぃぁぁぁあっぁ」
山田さんが出てくると同時に、声が聞こえた。
これは多分山田さんの分だと思うので、山田さんに請求書を渡し
「ちょっと、中に入ってみますね」と、佐藤さんの家に入っていく
特に変わったことは無いと思うのだけど・・・家の中をグルグルっと歩いていると
「ぐぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁあっぁぁぁぁぁ・・・・・」
と、声が聞こえてきたが、消えたっぽいのでもう大丈夫だろう
外に出て、お金を用意していた山田さんからお金を受け取り
佐藤さんの分は、郵便受けにでも入れておくかと思った時に佐藤さんが帰ってきた
「あら、もう済んだのね。スッキリ見えるわー」
なんて少し多めにお金を貰ったので、ニッコリ笑顔で
「また、なんかあったらお願いしますー」と佐藤さん家を後にした
今日は2件分+αで・・・ふふふ
今日は外食でもするかな、なんて思いながら会社に帰る
それとも今度の休みに娘も連れて、ディ〇〇ーランドでもいくかな・・・なんて
次回、部下の事情
部下は部下のままでも・・・