倒れた社長と見放した作者
いつもの様に朝が来て
またいつもの珈琲を飲み干す
今日はちょっとドキドキの一日だ
それでも私は言わなければいけない
「さぁ、仕事の時間だ」
ズキッ
急に頭が割れるように痛い
このままでは・・・秘書に助けを求めようとして、そのまま倒れてしまった
私は「さぁ、仕事の時間だ」これを合図に、いつも行動を開始しているらしい
部下たちも、他の社員もみんなこの言葉の後に動きだす
そんな毎日が今日は少し違った
「さぁ、仕事の時間だ」の後に社長が倒れてしまった
このままでは、私の名前が・・・
「社長気をしっかり!今救急車を呼びますから!」
私は慌てて、緊急に電話をかける
「社長が急に倒れてしまって・・・場所は・・・4丁目のハウスキーパーです。え、えぇ私は秘書です。急いでください」
電話を切って、これはいくら何でもと思ってしまった
これで通じるのか・・・そんなわけないだろう
どれだけ手を抜いて・・・ハッ
「不満などはございません。せめてせめて名前を・・・」
私は悔しくて悔しくて、それでも何をされるかわからないのでこれ以上は・・・
しばらくして、救急隊がやって来て、社長を担架に乗せ「どなたか付き添いを・・・」
今は、名前よりも社長を見放すわけには・・・私は社長に付き添い
総合病院迄やってきた
治療室から社長が出てきた時には、少し顔色が良くなっており、亡くなったわけではないんだなとホッと胸をなでおろした
病室で看護師さんが「旦那様助かってよかったですね!後遺症も心配なさそうですよ」とニコニコ言われると
あれ?私こいつの奥さんなの?
なんか納得できずにいると、先生がやって来て
「御堂さん、良かったですね。後遺症も残る心配もありませんよ。早期発見が良かったのでしょう。奥さんもこの後少し、手続きありますが2・3日様子を見て、多分何もないと思いますが、何もなければそのまま退院していただいて結構ですよ」
「あ、ありがとうございました」
社長の名前って、御堂なの?あぁ、御堂清治って名前らしい、頭に急に閃いた
そうして私は・・・御堂小夜(旧姓:九条)らしい
おい作者!!名前は良い、結婚してるのもあきらめよう、ただ私だってもっとこう、甘い恋愛体験とかやってみたいだろう!!
次回、押しかけ女房の事情
え?私、押しかけなの・・・