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成長チートの村人さん  作者: 白神 幽
転生者チェルトの無双準備
3/3

帰省した叔母さんは○○の魔法使い。

「〈ファイア〉!!」


ボォォオ!!


「よし!また威力が上がった!!」


僕が魔法が使えるようになってから1週間経った。

ここは村のはずれ。ここは人通りが少なく修行にもってこいだったので修行場にしている。

今放った魔法は初級の魔法の一つ、〈ファイア〉。多くのゲームで魔法といえばこの系統、おなじみ炎の玉を放つ魔法。最初は野球ボールより少し小さいぐらいの大きさだったが、今はサッカーボールくらいの大きさくらいになって威力も上がってきた。やっぱり、使えば使うほど威力が上がっていってる気がする。これ、もしかしなくても神様にお願いした成長チートの恩恵だよね…。


「この調子で行けば、将来冒険者やってやっていけそう。」


冒険者がどれくらいの強さかは分からないけど、少なからずいまから鍛えたら弱いってことはないと思うし、こういう序盤のレベリングは後半に響くんだよねぇ…。この世界にも経験値稼ぎのモンスターいるか分からないし。よくやってたやつは序盤中盤には経験値たくさん落とすモンスターいたけど、終盤は稼ぎの良いモンスターいなかったなぁ…。別のゲームは序盤の最後辺りに出てきたけど、中盤入ってすぐに上位種出てきて、そっち狩る方が楽って言われてるのもあったなぁー。この世界では魔物倒したり、戦闘訓練したりでレベル上がるらしいから、どこかで戦闘訓練もしたいけど、早く狩りに行けるようになりたいなぁ…。

ここで突然だがこの世界の食事事情、特に肉や魚について話そうと思う。

この世界の肉や魚に当たる動物性タンパク質だが、全て魔物の肉となっている。普通の動物生きずらいから仕方ないね。

魔物にも大人しい魔物もいて、その魔物は家畜して育てられている。村では育ててないけど別の村は酪農で生計立ててるところがあるらしい。牛型の魔物からは乳が取れるし、鳥型の魔物からは卵が取れるんだ。

魔物の肉は美味しいのでものによっては高額で取引されている。冒険者は大蛇やオーク等の危険性の高いモンスターを村人達は大人しめのの兎系や鹿系の倒しやすいモンスターを狩り、生計を立たてる人もいる。村だと近所のおじさん達がそれにあたる。魔物の肉の値段は危険性の高さや珍しさで変わっていって村人でも狩れるモンスターはそこそこで庶民も手に入れやすいのでこの世界では一般的に肉が食べられている。ただ、生肉は保存が効かないので、一般の家では干し肉にして長期保存出来るものが食べられている。もちろん、魔物を倒しているので経験値が入る。村人でもレベルが普通の村人や街で暮らしてる人より高い人がちらほらいるのがこの世界の田舎なのだ。

とまぁ、レベル上げという観点からでも早めに狩りをしたいわけである。しかし、村で狩りをするにもまずは5歳に加護を受けて更には子供が狩りをするには村の大人達の許可と同伴が必要となかなかにめんどくさいのである。


「父さん、案外親バカだから厳しいよなぁ…」


記憶を取り戻すときに頭ぶつけた際はめちゃくちゃあたふたしてたっけ…あまりにもうるさ過ぎていつも優しい母さんが父さんに見事なドラゴンスクリューかけたのは凄かった。


「いや、今思ったけど何故にドラゴンスクリュー?この世界プロレスとかあるん?」


そんなことを思いながら僕は修行場を後にした。





◆◇◆◇




修行場から村の市場に来たらやたらと人が多かった。その理由に僕はすぐに気がつく。


「そういや今日はキャラバンが来る日だった!」


【キャラバン】。隊商とも呼ばれる商人が護衛をつけて村や街に商品を輸送する一団のこと。主に隊を指揮する隊長の商人の指示に従い世界各地に飛び回っている。護衛には専属の護衛もいれば、冒険者ギルドに依頼として頼んだり、別の街に行こうとする武芸者が護衛したりしている。専属の護衛は冒険者がなることも多く、安定した収入が得られる。その代わり、盗賊や魔物と戦い命を失う事も多い。強い人で安定した収入を欲しいのなら大きなキャラバン隊の護衛か国の騎士団や王宮のお抱え魔法使いになるのが良いと言われている。このキャラバンは月に2、3回、街と村を繋ぐ定期便みたいなキャラバンで村の麦や野菜を買い取り街からは他の村の特産品や村には無い物(例えば魔法書だったり、工芸品だったり)を持ってきて売ってくれる。村では酪農をしてないのでここに来る前による別の村の酪農品や魚の燻製などもこのキャラバンが来た時に多くの村人が買い込む。さすがにミルクとかは腐るので隣の酪農村に買いに行った方が早いし新鮮である。今更ながらこの村、広いんだから酪農すれば良いと思うのは僕だけだろうか...。知識ないから分かんないけど、新鮮なミルクとか毎日飲みたいよ、僕は。ちなみにキャラバンが取引するのは村の雑貨屋や市場で店を構える人達。ここで仕入れた物を僕たちが買うという仕組みだ。村からは農作物や燻製肉を取引している。この時の売上が後々農民に配ってそれが農民の給料になるのだ。みんなで耕してみんなで育ててみんなに給料が渡される…普通に会社と同じ仕組みだ。ほぼ休み無しだが早朝から昼まで………前世の僕の働いてた会社よりかはキツくないな!!あれ、なんか目から汗が…。


「と、そうなると、必然的に〜っと、やっぱり!」


村の酒場兼宿屋付近には普段村に在留している冒険者とは違った冒険者の人達がたむろっていた。先程の説明で出てきた護衛の冒険者達だ。この冒険者は街と村の往復を護衛する人もいれば別の拠点に移動するためにたまたま護衛した人なんかもいる。冒険者はその名の通り冒険を生業にする人たち。未開の地に行き、その生態系を調査する人もいれば、ダンジョンに挑み、宝を手にして一攫千金をする人、巨大な魔物を狩って、その素材と肉で人々を活気づける人、国や貴族に雇われ、戦いに明け暮れる人、様々いる。多くの人が仕事と浪漫を求め活動拠点を変えるためにこう言ったキャラバンや行商人の護衛がてら移動するのはよくある話だ。僕の将来はそういった冒険者になりたいなぁ…。


「ん?そういえば叔母さんって冒険者なんだよな…もしかしてこのキャラバンで帰ってきたんじゃ…?」


…………今、僕は冷や汗をかいている。その理由は家を出る際母さんにみんなで迎えるから早く帰ってくるように言われていたのだ…。このキャラバンできてる可能性がある以上既に叔母さんが家に来ている可能性がある。そうなった場合…母さんに怒られる…!!


「急がない、と…?」


「さて、どうしましょうか…」


そう思って走り出そうとすると…大きな杖を持った少女が何やら困っていた。その少女は見た目13歳くらいのやや身長が小さい人で見た目発育途中の中学生みたいな人だった。髪は青紫色の非常にボリューミーなくせっ毛ロング、顔は整っていて身体は細く、魔女っ子のような帽子と服、そして何より特徴的なのは………


「もしかして…片腕がない…?」


その人は左腕がなかった。僕は自然とその人に近づいた


「はぁ…なぜこんなに荷物が多くなってしまったのか…キャラバンに乗る前は少しだったのに…」


「あの…」


「ん?」


僕は恐れ恐れ話しかける。


「この荷物僕が持ちますよ?」



◆◇◆◇◆◇


「いやぁ、助かりました。あなたは小さいのに力があるんですね」


「父の手伝いで畑仕事なんかを手伝っていますので!」


「礼儀も正しくていい子ですねぇ。」


「いえ、そんな。困ってる人を助けるのは当たり前なので!」


「いや、ほんとにいい子ですね君は」


僕は村の人から荷車を借りてお姉さんの荷物をお姉さんの新しい家に運んでいた。お姉さんの名前は<サチュリー>と言うらしく、古の言葉で真実の精霊というのが由来の名前らしい。お姉さんは礼儀正しい言葉使いで冒険者、だったらしい。なんでも依頼中に左腕を魔物の炎に焼かれ壊死したらしく、仲間の冒険者に切り落としてもらい、隻腕になり同時にこの村の家に引っ越すらしい。ちなみに年齢は13歳だそうでまだ成人の儀を行っては居ない。この世界の成人って15歳でお酒は13歳から飲めるらしいからサチュリーさんもお酒飲めるらしい…まじかよ


「………冒険者ってやっぱり命懸けなんですね。」


「おや?チェルト君は冒険者になりたいんですか?」


「はい。そのために今は魔法の特訓してます。」


「………3歳って言ってませんでしたっけ?」


「はい、3歳です」


「………まだ加護の儀式してませんよね?なんで使えるんですか?!」


「いやぁ、なんか使えて…」


「天才ですか?!?!」


やめてよ、つい最近みんなにちやほやされてまだなれてないんだから。と、照れながら歩いていると少々違和感に気付く。


「あれ?そういやこの道…僕の家の方だな…」


「おや、そうなんですか?では家が近所なのかもしれませんね。」


「………。」


いや、まさかね。この人、全然若いしね、何よりね、離れているんですよ、歳が。あの人とこの人は歳が。


「あ、確かあそこの家です。私の『兄夫婦』の家があそこでそこに居候の形で住むんですよ」


「………ちなみにその兄の名前って…」


「え?<ロアルド>ですが…」


「………父さんの名前と一緒…ってことは…僕の………叔母さん?」


「………え?」


僕たちは僕の家の前でお互いを見つめていた…

そしてこれが今後僕の師匠にして僕と共に生きていく大切な家族になる可愛らしく真面目な少女との出会いでもあった。



ちなみに僕の父さんって実は30代後半なんですよ…。年の差えぐいなぁ…

遅くなって申し訳ありません


前回の執筆から母が転んだ際に脊髄損傷による左半身麻痺となりそのリハビリやリアルでの仕事がかなり忙しくなり執筆できてませんでした。なんなら前回までの話の内容を若干忘れている…作者なのに…作者なのに!

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