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ないん

「皆さん。おはようございます!


皆さんの担任のハルファです。」


ハルファがにこやかに挨拶をすると、各々挨拶を返した。


「今日は学校初日ですが、さっそく


実技試験を行います。


入学前に行なった筆記試験では

あなた達はこの学園のトップ20名なので、自信を持ってくださいね。」


それを聞いたヴィオレットは帰ったら父様も褒めてもらおうと思っていた。


「実技試験の内容ですが、

体力測定と、干渉値を調べます。


体操服に着替えてグラウンドまで出てください。」


そう言われた生徒達は友達と固まって、教室を出て行った。


ヴィオレットと先ほどつっかかってきた男以外。


「隣だったね。ラウルくん。」


「うるせえちび。」


「ボクの名前はヴィオレットだよ!

ヴィオって呼んでいいよ」


「誰が呼ぶか。」


「釣れないなぁ。」



ぶーぶーとヴィオレットは文句を垂れながらラウルの後ろに続いた。



_____________




「皆さん揃いましたね。

では、2人1組になってください。」


ヴィオレットは周りを見渡すが誰も話をかけてこない。だからヴィオレットはラウルの元へ向かった。


「なんだよちび。」


「ねーえ、ラウルもペアいないよね?

一緒になろ!」


「はぁ?だれが忌み子なんかと!」


「周りを見てみなよ〜。誰も話しかけてこないよ!」


「チッ。なんでお前は俺に構うんだ。」


「え?だって強そうだから!」


「はぁ?」


「ラウル、このクラスじゃボクの次に強いよ!すごいねぇ。」


ヴィオレットは目をキラキラさせてラウルを見つめる。


ラウルはバッと顔を背け悪態をつく。


「意味わかんねぇし、俺よりお前の方が強い?ふざけんじゃねえ!」


ラウルはヴィオレットの胸ぐらを掴み持ち上げた。


「わはは!浮いた浮いた!」


「チッ。調子のんじゃねえ。」


ヴィオレットの魔力の流れを感じたラウルは

すぐさま手を離した。


「今の気づいた?すごいすごい!」


ニコニコと嬉しそうなヴィオレットにラウルは鬱陶しそうに手を振った。


「もういい。今日だけだからな。勘違いすんな。」


「えー!そんなぁ。」



「皆さん決まりましたね!それではこちらの記入用紙を取りに来て互いの記録を記録してください。

本気を出して、他のクラスに負けないように頑張ってくださいね!」


「え?!先生!本気出していいんですか?!」


ヴィオレットは先生の言葉に驚きの声をあげた。


「ヴィオレットさん。出してください!他クラスに負けないためにも!」


ハルファは競争心の高い教師だった。


また好奇心も強い教師だった。


忌み子は長くは生きれないというのに、15になるまで生きている彼女の力を見てみたかった。


この時の判断を後悔するのは、全てが終わった後である。



まず、ラウルとヴィオレットが向かったのはハンドボール投げだった。


空いていたからだ。


「ふっふーん!ラウルくん、ボクの真の姿を見たからって惚れちゃダメだよ。」


「何バカなこと言ってんだよ。さっさとやれよ。」


「待って待って!準備運動怠っちゃだめだよ!」


「それもそうか。」


素直なラウルに周りの皆は実は仲がいいのでは?と思い始めていた。




「さ、準備運動も済んだし、本気出すよ!」


ヴィオレットは目を閉じて深呼吸をした。


「真名______解放!」


光がヴィオレットを包み周りは騒然とした。


「お前!何してんだ!!!」


ラウルの叫びはヴィオレットには届かず、光が消えたのは数十秒後だった。


「ふっふっふ。どう?見直した??」


ヴィオレットはラウルを振り返ると顔をトマトにしたラウルがいた。


「ばっ!か!!!てめえ!!!それでも年頃の女なんだろう?!」


ラウルは急いで上のジャージを脱いでヴィオレットの頭から被せた。



「ふご、ふがが!!!何するんだ!」


「それはこっちのセリフだバカ!」


「なんでそんな怒るんだ!

ボクの美貌に惚れてコロっと行っちゃうかと思ったのに。」


「んなわけあるか!大体!お前着てる服を考えろ!ばか!」


「あー、興奮しちゃったな??」


「っちげぇ!!」


「わははは!よいよい!年頃の男の子だもんなぁ」


ニヤニヤとヴィオレットはラウルを見た。


「うぜぇ!!さっさとやるぞ。」


「はーい!」




そうして2人はあーだこーだ言い合いながら順調にみんなの顎が外れるくらい…もしくは目玉が飛び出るくらいの数値を出していった。




「ラウル!なかなかやるね!ボクにこんなについてこれるだなんて!やっぱりボクの目は間違ってなかった!」


「当たり前だ。

お前こそちびだけどなかなかやるな。」


「今はちびじゃないんだけど!」


「ふん。」



最終種目として世界干渉。もしくは魔力を使って数メートル先の的に当てるという種目だった。


なんでもできる人の方が少ないからおまけみたいな種目らしい。



「わーーー!すごいすごい!楽しそう!


ボクからやっていい?!」


「好きにしろ。」




「いっくよー!えい!!!」



ドッッッッッッッガアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!!!!


「は?」


「あらら、やりすぎた?絞ったのになぁやっぱりこの体は慣れないなぁははは。」


冷や汗を垂らすヴィオレットの目の前は的どころか後ろの壁まで粉々になり、地面には大きなクレーターができていた。



「てへ!」



「てへ!じゃねーーーーよ!ばか!!!!」


「何事ですか?!」


ハルファ先生が飛び込んできたと同時に膨大な魔力反応が出現した。




「何事だ!!!」




「え、父様?」


「?!ま、魔王?!」





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