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せぶん

ヴィオ目線で進むって言ってたけどなしです!すみません


“つー”のヘレナのセリフ削りました。

__________________________


「ヴィオ!気をつけて行ってくるんだぞ。

イオ!絶対ヴィオを危険な目に合わすなよ。いいな。ヴィオの安全を何よりも優先しろ。」


「はい。陛下。必ず。」


「父様、それ何回目ですか。」


今日の朝おはようの挨拶から朝食を終える時までずっと魔王___ルシファー___はヴィオレットの身を案じていた。


「僕はお前を目に入れても笑っていられるくらい、お前が大事なんだ。だからどうか無茶だけはしないでくれ。

いくら僕が魔王だなんだと恐れられていたとしても、お前の危機に必ず飛んでいけるわけではないのだ。」


「はい、父様。肝に銘じます!」


ヴィオレットはワクワクしていた。


ルシファーとの話で、ヴィオレットはこの春から人間の王都セントラルエンプに友好条約の印として共同で建てられた魔法学園『アイギス』に通うことになったからだ。


「父様、では行ってまいりますね!」


「ああ、気をつけていってらっしゃい。」


「「いってらっしゃいませ」」


ルシファーはヴィオレットの額にキスをして、ヴィオレットとイオを見送った。


「本当に良かったのですか。」


「僕は、ヴィオレットには人として生きてほしい。

僕では教えることのできないことを、あの学園では教えてくれるはずだ。」


「そうですね。」


「ヴァンも陛下も心配のしすぎですよぉ。

心配しなくてもヴィオレット様は最高に可愛くって最高に強いですよ。ね!」


ヘレナがルシファーにウィンクを飛ばすと

ヴィオレットの乗った馬車に背を向けて城の中に入っていく。


「そうだな。」


それに倣うように、ルシファーとヴァンは執務室へ向かった。


_____________




「いいですか、ヴィオレット様。


何より最初が肝心です。


魔族の姫ともあろうお方が、舐められてはいけません。最初の挨拶で牽制し、名を名乗るのですよ。」



「わかったよ。イオ。まずは挨拶、その次に自己紹介だね!まかせてて、ボク得意!」


「はい!」



馬車の中でイオはヴィオレットに“鬼族の”挨拶を教えていた。






「さぁ、つきました。ヴィオレット様。お手を。」





まず周りはざわついた。魔王印の馬車があることに。


その次に出てきた女性に皆目を奪われた。


190近い身長に美人で胸がでかい。


見とれないわけがなかった。


そしてその女性にエスコートされて出てきたのはこの学園の制服に身を包んだ見た目6歳くらいの少女だった。



人族の多いこの地では、何もかもが異質だった。



その2人組は校門をくぐり立ち止まった。


「ヴィオレット様。今です。」


イオの合図にヴィオレットは頷くと


大きく胸いっぱいに息を吸った。




「頼もう!!!!!ボクの名前はヴィオレット!!!

魔王、ルシファーの愛娘!天下一のかわいさと強さを兼ね備えたボクに挑もうという奴はいないか!


今なら片手で引き受けよう!」



威圧と共に大声で放った声は、学園の隅々まで届き

皆足を止め、中には腰が抜けた者もいた。



「あれ、なんか反応がよろしくないけど…イオ?」


ヴィオレットは不安になってイオを見上げた。


「腑抜けばかりということです。さ、まいりましょう。ヴィオレット様。」


イオは周りを見渡し拍子抜けだと言ったふうに息を吐くと、ヴィオレットを促した。


「そう?ならいいか。」


教室に向かおうと思った矢先、数名の教師と思しき人物が駆けてきた。


「ヴィオレット様!お出迎えもせずに申し訳ございません!恐れながら申し上げます。ここは魔法学園。魔法を学ぶところでございます。ヴィオレット様と同じ時期に入学してくる子供たちはまだ魔法に耐性が限りなく低いです。どうか、どうか先ほどの威圧は出さぬようよろしくお願いします。」


「おはようございます!先生!わかった!ごめんね朝から走らせて!」


ヴィオレットはニコッと挨拶をしたあと申し訳なさそうに謝った。


進言した教師___ヴィオレットの担任だそうだ___と軽く世間話を始めたヴィオレット。




「…ふん、忌み子が偉そうに。」



ヴィオレットと他の教師が仲良く話に花を咲かせているとヴィオレットを蔑む声が聞こえてきた。



それを皮切りに周りでヒソヒソと囁く声が聞こえる。




魔王の娘だって?


でも人間だって噂じゃない


じゃあ忌み子?やだ。穢らわしい。


魔王の娘ってことは隣にいる女って魔族?


怖い、殺されちゃうわ。




ヴィオレットはそれらが聞こえてはいたが、無視をした。


そしてイオが飛び出す寸前に引き留めた。


「ヴィオレット様っ。」


怒りに震えた声をイオはあげる。


「ボクは大丈夫だよ。わかってた。

今武力に出ると痛い目を見るのはボク達だ。

ありがとう。怒ってくれて。」



「…そうですね。頭に血が昇ってたようです。」


イオはすまし顔を取り付けヴィオレットの横に静かに佇んだ。


___ヴィオレット様のことを悪くいう奴の顔は覚えておこう。



そう心に留めながら。


「お出迎えできなかった代わりと言ってはなんですが、教室まで案内いたします。」


担任の先生__ハルファ先生__がにこやかにヴィオレットを連れて教室へ向かった。







ヴィオレットのワクワク魔法学園の青春(?)は今始まる。

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