1話 都市イニチュームを目指して
1話、始まりの街へ向かう、今日の『メモ』の1日目が始まります。
量が少ないの何とかしたい……。次からはしっかり満足できるくらいの量にはなりますので……。
「ふあぁ~」
太陽が昇り、眩しさで私は目を覚ました。
寝袋を抜け出し、テントの外に出る。テントの外はどうやら湖畔のようで、対岸が見えないほど大きな湖が広がっていた。
「んぅ~」
空気が気持ちよく、私は伸びをした。こういうところはすがすがしくてなんでも忘れられる。
忘れる?
ふと、思い出す。
「私は、誰だっけ……?てか、ここ……どこ?」
確認するために、一度テントに戻ると、寝袋の傍には魔導書が一冊、ペンとともに置かれていた。
起きて数時間。
私は、荷物をまとめ、魔導書を広げる。
この魔導書、便利なもので、今までの記録の中で知りたいことを調べることができたみたいだ。
「えっとー……物体と魔導書を密着させて頭の中で想像する……」
頭の中で魔導書を展開し、密着させている屋外泊用の物を魔導書に取り込む様子を想像する。
すると、身体の中に何か熱いものが流れ、魔導書に密着させていたテント一式は光って消えた。
「取りだしたいときはこれと逆のことをすればいい……なるほど」
確認して分かったことだけど、魔導書の後ろのページには、所持してるアイテムが全部表示されていたので、何があるのか確認できるらしい。
納得しつつ、私はテントをしまう動作の逆のことをし、一本の箒を取りだす。
大きな箒の上には、背もたれがついていて、なかなか移動しやすそうだ。
「んしょ、っと」
箒にまたがり、目を閉じる。
「魔力を感じて箒に移す……。魔力を感じで箒に移す……」
数秒して、ふわりと体が浮き上がる感触。
目を開けるとそこは空中だった。
「うわあ……」
驚きの声が思わず漏れてしまう。
前を向くと、大自然が視界に入ってくる。どこまでも続くこの景色を眺めていたい気持ちを抑え、箒を発進させる。
「えっと……『明日の私へ。今あなたはある都市に向けて旅をしています。都市の名前はイニチューム。箒を使って、山の見える方へと向かってください』か……」
私は速度を上げて箒を進ませた。
この先にある都市に向けて、希望を膨らませながら。
ありがとうございました!!
次の2話から都市イニチュームでのメモの活動が話されます。お楽しみに!!!
ブックマークや感想待ってます!!新米小説家なので、今後のためにもぜひお願いしたいです。
それでは、また!!!