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終末世界に革命を!  作者: 紙音
第二章
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第一話

「はい、これで完治ですね。もう貧血などの症状もおさまったでしょう」


「っしゃーーー!これでやっと自由に動けるし、病人食ともおさらばだ!」


「ちょっと!まだ病み上がりなんですから、激しい運動や刺激物は控えてくださいよ!」


「はいはい、わかったわかった」


「全く・・・」


 シルヴァとの戦いから二週間ほど、ようやくあのピンク頭から撃たれた腹部の傷が完治した。本来なら身体強化による防御も含めて一週間ほどで治る傷だったのだが、撃たれた弾がAIGIS特性の治癒阻害弾だったらしく、シルヴァの能力による治療でも時間がかかってしまったようだ。


「ったく、陰湿な連中だよな。わざわざそんな弾丸使うなんて、どんだけ俺のこと殺したかったんだよ」


「あ、あはは、私に気づかれずにデバイスの警報を外したという情報がありましたから。相当警戒されていたようですね」


「ま、その努力もシルヴァを俺に取られたことによって無に帰したと。ざまあねえな、はっはっは」


「もう、そういう言い方はよく無いですよ!まぁ、AIGISの方もやりすぎだとは私も思いますけど・・・」


「にしても、まさか治癒までできるなんてな、前も言ったが飛んだチート能力だな」


「確かに、治癒能力は珍しいですからね」


 あの後、治療を受けている際に聞いたがシルヴァの能力は《調律》、物質やエネルギーのエレメント構成に干渉するとういう力らしい。だから人間の体の最適化や治療をしたりすることができるということだ。恐ろしいのはその逆も可能というところで、身体や感覚のバランスを崩したり、物質を崩壊させたりすることもできるという。俺が平衡感覚を崩されたのはそっちの使い方だったというわけだ。


「じゃ、そのおかげで治療も完了したし、そろそろ行動開始と行くか」


「そうですね。少し不安もありますが、ここにとどまるほうが危険ですしね」


「あぁ、少なくともさっさと東ヨーロッパ地区の方に抜けたいところだな。あそこも規制が緩いわけではないけど、ここよりマシだろ」


「西ヨーロッパはただでさえ、規制が厳しいのにさらに私たちは完全にロックオンされてますからね・・・」


 そう、オルディネは5つの地区に分かれており、西ヨーロッパ、東ヨーロッパ、北アジア、南アジア、最後に海を挟んで北アメリカ地区が存在する。そしてその中でも俺たちが今滞在している西ヨーロッパ地区は一際規制が厳しく、AIGISなどの治安維持機関の戦力も充実している。で、そんな状況下で特権階級のデバイス盗難やAIGISの特務官を引き抜いてしまった俺は超級の指名手配犯になってしまっている超危険状態というわけだ。


「というわけで完治もしたことだし俺は外に出て情報を取ってくる!じゃ留守番頼んだぜ!」


「あ、はい留守番・・・。って!外に出る!?この状況でですか!?」


「ん、ああ。だって情報ないと外に出るの危ないだろ?」


「あの、今からその危ないっていったことやろうとしてるのわかってますか?」


「まぁまぁ、注意して行くから大丈夫だって」


「あぁ、もうわかりましたよ!情報が必要なのも事実ですから!でもせめて見た目は変えていってください、私の能力で変更しますから!!」


「おお、サンキュー。じゃあ金髪で頼むわ、黒だと目立つし」


「あの、遊びに行くんじゃないんですからね?本当にわかってます?」


 呆れた目でこちらをみてくるシルヴァに目と髪の色を変えてもらった俺は久しぶりの外出に心を踊らせながら、文字通り遊びに行くつもりで出かけるのだった。


ーーーー


「さてまずはどこに向かうかな〜」


 できるだけ慎重に暫定アジトを出た俺は、まず最初にどこに向かうかを考えていた。うーん、シルヴァには情報を収集してくるといったものの特に当てがあるわけでもないしなぁ。となると、とりあえずはあそこに向かうのがいいか。


ーーーー


「というわけできました!久しぶり」


「久しぶりじゃないよ、この大犯罪者が!」


俺が最初に向かったのは、シオンの営む情報屋。まぁ情報と言ったらここだよな。そんなシオンは金髪を振り乱して怒っており、非常に面白い。


「おいおい、その言い草はないだろ。俺のどこが犯罪者だっていうんだ?」


「どこをどうみても犯罪者だろうが!政府は隠してるけど僕のところにはとっくに君が最高戦力《白銀》を引き抜いたって話が届いてるんだよ!」


「おー、さすがは情報屋。政府からしたら極秘の事実だろうに、もう掴んでるのか」


「その反応ってことは事実なのか・・・、嘘だという一縷の可能性に賭けてたのに!」


「ははは、残念ながら事実だな。《白銀》の能力情報でも売るか?」


「いらないよそんな火薬みたいな情報!あぁ、もう、だからあの時君に情報は売りたくなかったんだ!」


「まぁまぁ、その分報酬ははずんだだろ?」


「多すぎなんだよ!こんなに持ってたら不審がられるだろ、表向きはただの酒屋なんだから!」


「あー、悪い悪い。それで今日の要件なんだけど」


「お前微塵も反省してないな!!あぁ、もういいや今更どうしようもないし・・・、なんなの要件って」


「とりあえず政府の動向だな。どれぐらいの範囲でどんな感じの操作が行われてるか聞いておきたい」


「そりゃもうてんやわんやだよ。検問も徹底的に行われてるし、街中を一級捜査官が何人もうろついてる。おかげで今月は犯罪者の検挙数が普段の三倍らしいよ」


「おー、そりゃ御愁傷様だな。にしても一級って言うとあのピンク頭クラスが複数か。いけないこともないけど、厳しいな」


「御愁傷様って、僕も規制が厳しくなって苦労してるんだけどね。それに一級をなんとかなるって・・・、まぁ《白銀》様もいるわけだしそれもそうか」


「ま、そうだな。あいつめちゃくちゃ強いし。それよりなんか他に面白い情報あるか?」


いまだに規制が緩んでいないと言う情報は手に入ったし、あとは何か面白い情報が欲しい、このあと遊ぶためにも。


「面白い情報?こんなご時世でそうそうないよそんなもの、むしろ君の行動が一番面白いんじゃない?君の影響で規制が厳しくなって犯罪も減ったしね、君みたいな変人なかなか・・・」


「ま、そうだよな。残念だけど今回は——」


「いや、そういえば一つあった」


「お?」


「最近、公園とか広場で人がたくさん集まってるらしんだよね。そんなことしたらすぐAIGISに捕まるはずなんだけど、ここ一週間で五回以上同じようなことが起きてる」


「人がたくさん・・・か。なるほどそれは面白そうだな。この規制が厳しい今になってそんなことが起きてるってのが最高にそそられる」


「面倒ごとの匂いがぷんぷんするけどね・・・。ま、勝手に楽しんできなよ」


「おう、サンキュー。じゃ今回の報酬は・・・」


「いらないよ、これ以上もらっても怪しまれるだけだ。むしろ迷惑」


「そうか、じゃ、また何かあったら頼むぜ」


「はいはい、面倒ごとにだけは巻き込まないでくれよ」


 半ば諦めた表情のシオンに手を振りながら俺は情報屋を後にしたのだった。


ーーーー


「よし、面白うそうな情報も聞けたことだし。早速広場に向かってみるか」


 それにしてもシオンはお人好しだな。俺に関わっても面倒ごとに巻き込まれる可能性が高まる一方なのに、また情報を提供してくれるとはありがたい限りだ。


「ん?」


 そんなことを考えながら広場に向かっていると、なにやら広場の方向から音楽と歓声が聞こえてくる。ライブや集会は禁止されてるはずだが・・・、まさかこれがさっきシオンが言っていた騒ぎか?全く、今日はついてるな。これは楽しいことになりそうだ。


 そうと決まれば、AIGISが止めに入る前にさっさと向かわなきゃな。俺は駆け足で広場に向かって行くのだった。




お読みいただきありがとうございます!

評価、可能、ブックマークよろしくお願いします!!


後、申し訳ないのですが二章のプロットがまだ定まり切ってないのでしばらくは隔日更新が多くなるかもしれません。

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