第2話 春姫・個別イベント
本日2話目
予約投稿というのを使ってみました
個別イベントは
夏→春春→秋秋→冬冬→夏 の予定
【春香と空手道場に】
【秋穗の家でバイト】
【冬凛を誘って麻雀】
う~ん、なんて恋愛ゲームっぽい選択肢。
これを選べば、ヒロイン(勝手にヒロインと据えている)との個別イベントが開始されるのだろう。
そして、選ばれなかったイベントはプレイヤーには語られない。でもさ、同じ日に約束しちゃったのなら兎も角、別に一つだけを選ぶ必要なくない?
プレイヤーなら誰か一人のヒロインに狙いを付けて、選択肢でストーキングするのかもしれないけど、現実の主人公はそんな事はしないと思うのよ。
ゲームの主人公はスケジュール管理が苦手な所があるよね。公太なら恐らく、後日改めるという選択をするはず。
俺もそれに倣って、選択肢として表示されたけど全選択だ! そもそも約束してんだもん。
――――
――
―
「――――ごめん! お待たせ、九郎くん!」
「よぉ蓮海! 全然待ってないから大丈夫だよ」
ふふ、スマートに言えただろう。聞こえてないっぽいけど。
「ごめんね……電車一本……乗り遅れちゃって」
「落ち着けって、大丈夫だから」
息を若干切らしながら姿を見せたのは、ラフな格好をした蓮海春香。駅の改札から走って近づいて来る際、綺麗な黒髪が風に靡く様子に目を奪われた。
あれから蓮海とメッセージのやり取りをし、空手道場に見学しに行く日程を調整していた。
アキのバイトとトーリの麻雀の予定は後日となり、今日は蓮海と予定が合ったため誘ったと言う訳だ。
「本当に何も持ってこなかったけど、大丈夫なのかな?」
「ん~大丈夫だと思うよ? 一応、貸出用の空手着は道場にあるし……そもそも今日は見学なんだろ?」
「そうだね、今日はそのつもりかな」
「今日は……か。本当にやるのか?」
「うん! 楽しそうだし……それに最近、ちょっとお肉がね……」
「はははっ」
「あ~! 笑うなんて酷いっ!」
可愛らしく自分の腹を摘まむ蓮海を見て、思わず噴き出してしまった。ぷっくりと頬を膨らませる蓮海が可愛い。
実はメッセージのやり取りの際、女性向けの空手講座の話をしたのだ。主にダイエット目的や、シェイプアップ目的の女性向けらしいが……――――
【ダイエット?】
【シェイプアップ?】
【エクササイズ?】
――――これ、全部同じ意味じゃなかったっけ? 正確には違うのだろうけど、似たような意味だった気はするな。
「蓮海ってスタイルいいじゃん? 本当に必要なの?」
「……どこ見てるのかな? えっち……」
「え!? なんで!? いや確かに、少しだけ目に入ったけども!」
ちょっとだけ、お尻に目が行きました。だってシェイプアップって、そういうイメージなんだもん。
「……お尻が好きなんだ? うわ~」
「ち、違う! そういう目で見てはいないって!」
いけない! 蓮海のジト目が怖い! 前科があるからな、また変質者なんて思われたら今度こそ訴えられる!
「みんなに九郎くんはお尻フェチだって教えないと……あぁ、足フェチだったかな?」
「グッ……勘弁してください……」
「あはは、冗談だよ。でも、あたしだけにしておいた方がいいと思うな? あ……」
自分で言ったくせに、恥ずかしくなったのか蓮海は目を逸らした。
あたしだけにしとけって、逆を言えば蓮海のは見てもいいと言う風に聞こえるが。
見ていいなら……見ますけど。チラっチラっ。
「…………? ちょっ!? 見ていいとは言ってないよ!? 他の子は嫌がるって言っただけ!」
バレた!? チラ見なら大丈夫かと思ったが、存外俺の視線はねちっこかったようだ。
「み、見てないし! なにいってるかな!?」
「嘘はだめだよ? 凄く視線を感じたもん! えっち! 訴えます!」
まずい、蓮海の目が笑ってない!? 手で胸元を隠す仕草が凄くエロ……いかん、これ以上みたら本気でダメかも。
「やめてっ! 冤罪だから! 見ていいって蓮海が言うから!」
「だから言ってないよ!? ていうか認めた! 冤罪じゃないよね!? 有罪だよ有罪!」
「誘導尋問だーー!! 無罪を主張する!」
チラ見しただけで訴えられるなら、この世は性犯罪者だらけだろうに。
なんて、冗談だと分かり切った掛け合いをする二人は、笑い合いながら道場までの道のりを歩いて行く。
「それでね? 今度、冬凛さんの家で女子会する事になって――――」
「あはは。ダメに決まってるよ、女子会なんだから――――」
「そういえば、麻雀やろうとか言われてるんだけど、どう思う?――――」
「なぜか秋穂さんは乗り気だったんだけど、夏菜さんはびみょ~って言ってた――――」
「それは見てみたいかも! 拗ねるんだ? あの冬凛さんが――――」
「あははっ! それは九郎くんが悪かったんじゃないかな~――――」
可愛い……改めて思うけど、蓮海やばカワ。
なんだこの柔らかい声は、聴いているとボーっとしてくる。冗談だろうが受け止めてくれて、目を見てしっかりと言葉を返してくれる。
道場が楽しみだと微笑む蓮海の横顔をチラ見して、バレてまた微笑まれる。
この時間がずっと続けばいいのにと思うほど、魅力的な彼女であった。
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次回
→【マネージャーになりたい春姫】




