第4話 幸せな悩み
思い出したので本日2話目
春< それにしても九郎くん、ぜんぜん勉強捗ってなかったよね。
冬< このままでは赤点確実よ。どうするつもりかしら?
九< どうするって、勉強するしかないだろ。
あの勉強会の時、蓮海とトーリも互いに番号を交換したようで、グループでのメッセージを交わすようになっていた。
まさか男1女2の部屋が作れる日が来るとは、夢にも思わなかった。そもそも俺が二人の番号を知れた事すら夢のようである。
学年でも人気の二人である、蓮海とトーリの番号を知っているという噂は広がり、教えてくれと頼んでくる男子生徒が後を絶たない。
最初、何気なしに二人に教えていいかと聞いてみたのだが、まぁ当たり前だが凄く怒られた。
『――――なぁ。二人の番号知りたいって奴がいるんだけど……』
『えっ? 教えたりしないよね?』
『勝手に教えたりしたら許さないわよ?』
『そ、そうだよな。なんかごめん』
『というか……ふ~ん、いいんだ? あたしが他の男の子と電話したりしても』
『クローがそういうなら交換しようかしら? クローとやり取りする時間は減るけど』
『いや、それは……』
『『いいんだ?』』
『嫌……です』
『『よろしい』』
あの時の二人の顔、マジで怖かった。
春< どうしよう冬凛さん、九郎くんに集中させる良い方法あるかな?
冬< 餌で釣るのはどうかしら? 赤点回避できたら……褒美をあげるとか。
春< あぁそれいいかも。ご褒美、何がいいかなぁ~。
冬< まったく、世話が焼けるわねクローは。
俺の事を馬扱いする二人。別に集中できなかったのは勉強が嫌いという訳ではなく……いや嫌いではあるが、二人の貞操観念が原因なのだが。
その後も二人は、どうしたら俺がやる気を出すかとの議論を始めたため、そっとスマホを閉じて勉強を再開し――――ようとした時だった。
もう一つのグループ部屋に、メッセージが届いているのに気がついた。
秋< クーちゃん。今度三人で勉強しませんか?
夏< おお! いいね! 昨日は蓮海さん達とだったんだし、今度はウチらの番でしょ!
アキと愛川、そして俺の三人で作った部屋だ。
ちなみに酒神後輩の猛プッシュがあり、公太を含めた四人の部屋もあるのだが、その後なぜかアキが三人だけの部屋を新設していた。
『――――あれ、アキ? なんでワザワザ三人?』
『夏菜ちゃんがどうしてもって言うので』
『ちょっと秋穂!? 乗り気だったくせにっ!』
『酒神を省くのは……可愛そうじゃないか?』
『だ、だって公くんに聞かれたら恥ずかしいじゃん』
『恥ずかしい? どんな会話するつもりなんだ?』
『う、うるさいにぁあ……』
『夏菜ちゃんと私と、公太君の部屋もありますよ』
『ああ、そうなんだ。なら……いいか』
『あれ? クーちゃん、嫉妬してますか?』
『へ? 嫉妬? なんで?』
『うふふ。別にぃ~です』
最後まで新設した意味が、よく分からなかった。
九< 酒神はいいのか? 俺は蓮海とトーリに教えてもらっているから大丈夫だぞ?
秋< ……クーちゃんは、私と勉強したくないのですか?
九< いやいや! そんな事は言ってないよ!? アキ達に悪いかと思って!
夏< ウチたちは大丈夫だよ? ウチも秋穂も学年10位以内だから!
九< ……マジで? アキは分かるけど、愛川は意外……。
夏< どういう意味だこらぁぁ(●`з´)
マジかよ。アキと愛川も10位以内。蓮海もトーリも……完璧すぎないか四季姫。いや、だからこそ呼ばれるのか。
そんな優秀な人達に勉強を教えてもらえれば、俺も10位以内になれるんじゃないか? 無理だな。
秋< 公太君は学年1位ですからね。私達が教える事なんて何もないですし。
九< が、学年1位!? 学年1位なんて存在すんの!?
夏< そりゃいるでしょー! だからウチ達も公くんも勉強しなくても余裕(๑ゝω╹๑)
なんてこった、流石は主人公。酒神は完璧タイプの主人公だと思ってはいたが、まさか学年1位の頭脳を持っていたとは。
だからアキは誘ってくれたのか。自分達も優秀、酒神後輩の推しである公太は学年1位の秀才。勉強会をするほどでもないと。
それに比べて、俺は凡人どころか劣等生だから伸びるしかない。教える側としては順位がポンポン上がっていく方が面白いのだろう。
秋< それで、どうですか? クーちゃん。
夏< 一緒に勉強しよっ! 目指せ学年1位!
1位は不可能だ。仮の仮に俺の成績が急上昇したとしても、主人公には勝てない。それが脇役というものよ。
春< 九郎くん? いないのかな? お~い。
冬< まさか、ゲームして遊んでいるんじゃないでしょうね?
春< ゲーム!? やっぱり九郎くんはあたしが見ていないとダメみたいだね。
冬< 私も見ててあげるわ。クロー、明日も勉強会よ。
こっちの春冬グループも議論を終えた様子。四人の美少女とメッセージを交わして、尚且つ俺の夏休みの心配までしてくれるとか、幸せ過ぎる。
さて、どちらを選ぶべきか。なんかほんと、上から目線ですんません……選ばせてもらいます!!
【春冬チーム】
【夏秋チーム】
【春夏秋冬で】
図ったように選択肢の登場。なんだよこの、どれを選んでも幸せな選択肢は。
さてさて、どの季節を選ぼうか……なんて、こんな事を声に出したらマジで処されるかもしれん。
う~む、迷う。うへへ……なんて幸せな悩みなんだ。
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次回
→【秋夏のservice spirit】




