13/18
ライン
少女は恋人へのメッセージに迷っていた。
五分ほど前に年上の彼氏から連絡が来たが、返事を考えあぐねている。
彼のことは愛している。デートの誘いも素直に嬉しい。
だが、その日は友人と遊ぶ予定を入れていた。
小さなころからの付き合いのある女友達である。
彼に言えばわかってくれるだろうか?
二つの連絡網を交互に指差し歌を口ずさみ始めた。
「ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な・て・ん・の…」
やがて片方の糸電話に発声した。
Twitterにて補足と解説しています。
平光翠
@hiramitu_midori