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追放勇者の冒険譚  作者: エリシュデータ
追放と冒険者
3/3

加護

………というわけで異世界きてわずか30分でもう詰みそうです 


いやほんとあのステータスの何が悪いの!?

もうすでにみんな俺TUEEEEで俺だけ戦闘力5のゴミでしたみたいな?もう無理ゲーじゃん


……もうやだ帰りたい


どこぞの野菜人みたいに怒りでスーパーな感じににならせてください


そんな現実逃避していると、また地面に魔法陣が現れる


「ちょっ、またそれかよ」

それに気づき逃げようとするも体が動かない

再び隼人は消えてしまった


――――――――――――――――――――――


「……う…う……こ、ここは…」


―――そこはあたり一面が灰色だった

終わりなく続くその景色の中、目の前に1人の少年が立っていた


「やあ、僕は破壊神さ」

は?こいつ何言ってんの……あ、いや異世界なら破壊神も珍しくはない……のか?


「いやぁ、さすがにそっちの世界でも神様は滅多に見れないよ」

うおっ、心の声も聞けんのかびっくりした

それにどうやら異世界でも神様は見れないらしい

てか神様っていたんだな

………そりゃそうだよな、神様だしな


「で?その破壊神様がなんのようだ……ですか?」

神様ってことは敬語じゃないとバチ当たるのか?


「ああ敬語は無しでいいよ」

まぁ神様っぽくはないしな……半袖短パンの子供だし


「はは、これでも僕結構偉い神様なんだけどね」

結構ってどれぐらいだ?


「大体5000柱ぐらいいるんだけど、その中で3番目ぐらいだ」

は?めちゃくちゃ偉いじゃないか……子供なのに

まあ、神様なんてみんな雲の上の存在だろうし、なんでも良いか

てか神様多いな


「8000個ぐらいの世界を管理しないといけないからね、どうしても人手が足りないんだ」

………………スケールがデカすぎる



「それで本題だけど、君が追い出されたの、実は僕のせいなんだ」

え……


「いやぁ、実は君に加護あげようとしたら創造神のと相殺しちゃってねぇ。加護っていうのは一人一つだけっていうルールで、勇者全員が持ってるはずの創造神加護消しちゃったせいで君が無能だと思われちゃったんだよ、アッハッハ」

「いやお前のせいだったのかよ!」

どうすんだよ、俺もうすでに詰んでるんだよ

なんで笑ってんだよ


「そう、そこでだ、今からある程度必要なものと加護は渡すから、自由に異世界を満喫してほしい」

おお!ついに俺の時代か!


「これをこうして……ほいっと」

破壊神が空中で指を動かすと…………

うわっ、なんか飛んできた


「これで、僕の加護が貰えるはずだよ」

あの光みたいなの加護だったのか


他に神様の加護を持っているのは、今のところ3人らしい


剣神に、戦神、後一人は分からないとのこと

なんか隠蔽工作みたいなのがされているらしい


これは、数多くある世界の中でも、かなり多いとのこと


勇者のみんながもらった創造神の加護は、本格的なやつではないので、カウントしないらしい

本格的な加護ってなんだろう………


「あと何か質問はないかい?」

うーむ、なんかあったっけ あっ、そうだ

「魔物とか魔王とか神様がどうにかできないの?」


これはあくまで興味本位だけどな

「できるかどうかでいえばできるけどこれは僕らのゲームだからね」

「ゲーム?」


「そう、創造神は人族、魔神は魔族、僕はそれ以外にかける、それがルールだからね、互いに直接手出しはしない約束なんだ」

神様にとってはこの世界も暇潰しでしかないってことか


「そうだよ、君たちだって道端のアリを気にしたりしないだろう?所詮その程度ってことさ」

「………そうか…」

………何故か怒りは覚えない

目の前の子供がそういう存在なんだとなんとなくわかるからだ


「それに、人間も魔物も大して変わらないんだ」

ん?そうなのか?


「そうさ、人だって争ったりもするし、魔物だって人間と同じでそれぞれ個性がある、

魔物が悪く見えるのは、君が人間だからさ、人は未知のものを怖がる種族だからね」

魔物だからって悪いやつばっかじゃないんだな

ひょっとして人間の方が悪かったりするのか?


「いいや、人の正義と魔物の正義は違うし、人間同士だって違う正義のもとに戦う時だってあるんだ

たとえ君の正義が他とは違っても、自分の正義を貫き通せばいい」

なるほど、戦争はどちらも正義だから起こるって聞いたことあるしな


「大体はそんな感じだ

正義とは、力ある者の意見のことで、力無き者は全て悪となる

勝利した者にしか、正義を名乗る資格は与えられないのさ」

…………なんか、考えさせられる言葉だな

勝った方が正義ってやつか


「別に、それは悪いことじゃないんだ、世の中、誰の正義も肯定できるような聖人ばかりの世界を僕は正しいとは思わないからね」

その世界を正しいと思うかも、その人の正義ってことか


「そう言うこと、世の中そんなに簡単じゃないからね、『誰もが認める正解』なんてものは存在しない、だからこそ世界は面白いんだ」

面白いって………


ん?ていうかなんで俺があんたに認められたんだ?

俺なんかよりもふさわしい奴なんていくらでもいただろう


「いいや、君の目にはしっかりと現実を見据えることのできる強さがある、だからこそ種族に囚われずに、ちゃんと大切な人を選べると思う、だから君を『どちらでもない』に選んだんだ」

なんか急に褒められたな

……ちょっと照れる


「もうお話はここまでだ、異世界楽しんでね」

破壊神がそういうと、意識が遠のいていく


「もしかした…君も神に…れ…るかも…」

最後にそんな言葉が聞こえた気がした



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