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とおせんぼう

作者: 隻眼の白天

甘い、甘い夢を見た。小さい頃の甘い夢。

同い年の女の子とかくれんぼをした日々、ある日を境に女の子は来なくなった。

それから10年、僕は高校3年生になった。僕は最近透明人間になった。変人とか、厨二病とか思われるかもしれないけど本当に透明人間になったんだ。みんなに話しかけても耳を傾けてくれるどころか目も合わせてくれない。母さんだってじいちゃんに似た誰かの仏壇に手を合わせて話しかけてるし、みんなみんな変だ。


だけど、ただ1人だけ僕の、話し相手になってくれる子がいる。

俗に言ういじめられっ子だ。いつも僕らは花畑で話している。

白い、真っ白な菊の花畑。その奥には大きな松の木が僕らを見守るかのようにある不思議な場所だ。

いつもいじめられっ子の子は僕に色々な本を教えてくれる。その中で僕は神様と少年の話が好きだった。

主人公の少年は神様に殺されてるのも知らないで自分は透明人間になったとずっと勘違いしていて幽霊の主人公が見れる唯一の少女を好きになるという話だ。

最終的に自分が死んでるということに気づいて成仏してしまう悲しい話だけど

どことなく僕に似ていて好きだ。

僕もそんな人生を歩みたいと思ってしまう。


季節はすぎて行き春になった今日僕は彼女に呼び出された。

彼女は「来てくれてありがと。ずっと言わないとって思ってた事があるの。」彼女は深呼吸して言った「裕也くんはね、もう豁サ繧薙§繧?▲縺ヲ繧九s縺?繧茨シ」

「え…?なんて言ってるのか聞こえないよ?」

彼女が何を言ってるのか分からなかった。

大事な所だけ聞き取れない。ノイズが混じってるようだった。

「祐也くんは豁サ繧薙§繧?▲縺ヲ繧九s縺?繧茨シ。だから透譏惹ココ髢薙↑繧薙□繧」

「やっぱり聞こえないや…大事な事伝えようとしてるのは分かるのに…ごめんね。」

その日から何となく気まずくてあの花畑に行かなくなった。やっと話せた子なのに…

また独りぼっちになってしまった。

まるで、誰かがとうせんぼしてるようだった。

もうすぐ卒業式する季節

最後に僕はもう一度だけ行こうと決意しあの花畑に行った。

花畑に着くと、誰もいなかった。

何だか眠たくなってしまい、いつの間にか寝てしまった。気付いたら朝方になっていた。

何処からか子供の声がする…何処か懐かしいそんな子供の声が聞こえた。

「鈴音ちゃん…!」気付けば口からそう零れていた。

「やっと呼んでくれたっ!」さっきまで遠くで聞こえてた子供の声が目の前で聞こえた。

何で…?だって鈴音ちゃんは…!」「うん。死んでるよ。だから、ほら。ずっと子供のままでしょ?私は幽霊なんだよ。ここの地縛霊?みたいなやつ」「何で僕の前に?」「君に大事なことを伝えたいから。その前に、かくれんぼしよっ!」陽気に鈴音ちゃんは言った。

うんと頷き僕らはかくれんぼを始めた。

僕が先に隠れることになり、隠れる場所を探していると、痛い。頭が痛い。何かが蘇ろうとしている。鈴音ちゃんが探しにくる。でも僕は気付かれなかった。幽霊にも見つからない僕は一体何者なんだろう。とても辛く、涙があふれた。僕の泣き声で鈴音ちゃんははっと気付いたのだろう。こっちに走ってきて鈴音は言った。

「みーつけたっ」

その時、白かった菊は一瞬にしてピンク色になり。目の前の鈴音ちゃんはあのいじめられっ子に変わっていた。

いや、高校生の鈴音がそこにいた。

そっか。もう終わりなんだ。

「裕也くん。祐也くんはね…」

「知ってるよ。もう教えてもらわなくても大丈夫」

彼女も分かっていたようでコクリと頷いた。

もうこれで最後だけど何故か最後の気がしない。

何故なのだろうか…

透けていく中ぽつりと「ずっと好きでした」

と言った。彼女はハッとした顔表情の後に涙目になりながらも「私も…!」と言っていた。

悔いなく人生に幕を下ろせて良かった。

ばいばい。僕の最愛の人___




祐也くんが溶けていく中確かに聞こえた

「好き」の言葉

これじゃあ頑張って泣いてなかったのに泣いちゃうじゃん…!

「私も…!」いつの間にかそう零れていた

祐也くんが溶け切った後、私は泣いた。

泣いて、沢山彼への思いを叫んだ。

いつの間にか日は空高くにいた

もう会うことの出来ない彼に最後に言った

「ばいばい、最初で最後の私の最愛の人__」

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