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7話 町に到着しました

そんなこんなで町に到着した。

ほら、何だっけ、あの、ミーリアじゃなくて、ミードルでもなくて、あの…

「やっとミーデルの町についたな。」

「なんだかんだですごく疲れた気がするわ…」

そうだ、ミーデルの町だ。…いや、僕ははじめからわかってましたし?みんなを探ってみただけですし?

「夜になる前にまず依頼を完了してしまおう。薬屋に納品しに行くぞ。」



薬屋。



「すいません、入りますよー。」

「いらっしゃいませー、どんなお薬がご入用ですか?」

見た目20に届かないくらいに見える赤い髪の魔法使いっぽい帽子を被った女の子が出迎えてくれた。


「ん?あぁー、『蒼い風』の方達かい、ってことは、薬を?」

「おう、今回も持ってきてやったぞ。ティア、出してやってくれ」

「はいはーい」

ティアがポーチから蛍光色に光った液体が入っている大きい瓶を取り出す。

中身は何だろう?システムウィンドウから、アイテム情報の確認。指定は目の前の液体。


アイテム:生体薬

説明:幽霊やアンデッドなどの健康な肉体を持たない者に肉体を与える薬。


ん?変わった薬だ。この世界には面白い薬もあるんだなぁ。

「おぉー、助かるよ。これを飲んでないと元気が出なくてね。」

って自分用の薬だったんですか。商品用じゃなくて。

「元気が出ないというか腐るだろ、お前。」

「失礼な、腐ってると元気が出ないんだよ。こんな綺麗な体にもなれないし、女としてそれはちょっぴり悲しいじゃないか。」

「ミランさん、グールですからね」

へー、グールなのか。その姿だととてもそうは見えないな。

「…で、そこでさっきから浮いてるそれはなんだい?精霊?」

「ここに来るまでの道で手に入れたんですよ。ポットさんって言うんです。」

僕が話題に上った。ミランさんの目の前に飛ぶ。

「ほぉ、いいじゃないか。面白い見た目をしているね、金属の姿をした精霊ね…」

「精霊じゃないと思うわよ、多分」

「ははは、私たちからしたら人族でも魔物でもないものは全部精霊だよ。頭に蛆が沸いてるような奴らばっかしだからね、難しいことはわかんないのさ。」

それはジョークで言ったんだろうか。

「そうだ、これを届けた報酬をあげなきゃね、何か欲しいものはあるかい?」

「どうしようかしらね…正直ミランさんの薬は変なものが多すぎて貰っても使わないから…」

「ひどいことを言ってくれるね。これなんか人間でも使えるんじゃないのかい?ほら、飲むと骨が全部溶けてなくなる薬。」

ミランさんが紫色の薬をテーブルに置く。

「残念ですが人が使える薬と人が使う薬は意味が違うんですよ。」

「むー、いいじゃないさ、私が飲むと体がとろける感じがして休むのに丁度いいんだよ。」

それ実際にとろけてないですか。

「グールと私達を一緒にされると命が足りない気がするわ。」

「じゃあ最近できたこの新作は?飲むと体を冷やせる薬、心臓が止めて血液の循環を止めることで体温を下げるって仕組みなんだが」

「申し訳ないが結構だ。」

「宙に浮ける薬。降りては来られな」

「却下で。」

「筋肉をプニスライムに」

「要らない。」

「何だいお前たちは!人が頑張って作ってる薬を要らないって!」

あ、泣いた。

「人の為になるかと思って折角薬まで飲んでこの町に店を出しているのに、誰も来ちゃくれないし、私の薬は役に立たないとばかり言われて…うぅ…」

なんか気の毒だから少しだけ慰めてあげよう。でもスプレー缶だからな…話せないし、何か出来ないかな。


ちらりと横を見ると、机の上に空の瓶がある。よし、これだ。

瓶のところに寄って、瓶にスプレー口を入れて噴射、すぐに中身が液体でいっぱいになる。

それを異次元に放り込んでミランさんのところに戻り異次元から瓶を取り出す。

「…ポット、お前は慰めてくれるのかい?嬉しいね。」

ミランさんの顔が少し明るくなる。よかった。

「そうだ、優しいお前にプレゼントをあげるよ。ちょっと待っててくれ。」

ミランさんが立ち上がって棚から金色の薬を取って来る。

「この薬をかけるよ。少しだけ動かないでくれるか?」

薬の蓋を抜いて僕に振りかける。かかった液体はすっと染み込んでいくような感覚を覚える。何だか心地よい。

【スキル:精霊の声-lv1を取得しました】

え?

「え?」

なにかを手に入れた気がする。

「うん、成功したみたいだね」

何が起きたんだろうか…って何でみんなこっちを驚いた風にみてるんだ?

「ポットさん…今…喋った?」

あれ?言われてみればさっきの声って…。

もう一度、今度は意識して話そうとしてみる。

「あー、あ。」

「すごい…喋ってますね。不思議な感じだ。」

「ふっふー、みたか。私の傑作、『アニマルフレンドリー』だ!本来はペットと話せるようにと開発してみたんだけどな…」

「この辺でペット飼ってる人は見たことないですね…」

「ペットを飼うのは貴族の嗜みだからな。」

「う、うるさい。わかっとったわ!」

すごく中性的な声で拙い感じにしか喋れないけど、これはすごく嬉しい。

「ありがと。」

「さっきの礼だよ。気にしなくていい。」

そう言いつつもミランさんはとても嬉しそうだ。優しさって回って来るんだなぁ…

「じゃ、そろそろ行くか。ミランさん…さっきはあんなこと言って済まなかったな。」

「済まないと思うなら、次来たときに何か買ってってくれ。今回の報酬は直接ギルドの方に送っておくから。」

「ああ、わかった。近いうちにまた来て何か買わせてもらうよ。」

「ばいばい。」

「また来てくれ。お前のためにまた何か作れないか考えて置くよ。」

「うん。」

ミランさんの家を出る。いい人だったなあ。

「ポットさん、喋れるようになって良かったね。」

「よかった。」

少し諦めていただけに嬉しい。ミランさんには感謝だね。

「ギルドへの報告は明日にして、今日は暗くなったから泊まろう。」

確かに日が落ち始めている。これ以上今日に何かをする必要はないだろう。

「じゃあ、今日はしっかり休んで、明日は冒険者ギルドで報告をして、ミランさんのところで何かを買っていこう」

「確かに、あれはちょっと失礼だったからね。」

「じゃあ、そこを曲がったところの宿屋で休みますか。」

「そうね。あー、やっとちゃんとしたご飯が食べれる。」

みんな依頼が一段落してほっとしてるみたいだ。よかったよかった。


「ところでポットさん」

「ぽっと、でいい。」

「そうなの?じゃあポット。さっきミランさんに渡したあれって何なの?」

「せっけん。」

「せっけん?あぁ、石鹸ね、確かにあの石鹸はとても高価そうだったものね。」

石鹸はこの世界じゃ貴重みたいだから、健康とか美容とか気にしてるみたいだったしこれがいいかなって。

もちろんさっきシャボンに使った感じの中途半端な石鹸じゃなくて


「ところでポットがくれたこれは一体なんだろうか。『解析』…。これは…?知らない素材がたくさん使われているが…どうやら石鹸みたいだ。こんなもの見たこともないな、あの子がくれたものだし、危険なものじゃないだろうから今日の夜にでも使ってみるとしようか。」


100mlで2000円くらいになるちょっとお高いくらいのシャンプーだ。あんまり高いとさっきのポーションみたいなことになりそうで躊躇しちゃったけどそれでもこの世界での効果は抜群だろう。さて、明日のミランさんはどうなっているだろうか。楽しみだ。

この世界では割とグールや幽霊みたいな屍人族も人間として世間にいます。しかし大きな都市でない場合基本的に種族は種族ごとにまとまって暮らしている場合が殆どです。食べるものや生活スタイルまで違うので馴染めなかったりするのです。

なのでミランさんは薬を飲んで人と一緒に暮らしてるわけですね。肉体がある場合グールでも人間と同じように食事したり眠ったりも出来るようになります。

その辺の種族の細かい設定もちょくちょく掘り下げたいですね。

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