2話 能力を貰いました
「しばらく考えていいですよ、そのあとでまとめてお聞かせください」
そうだな…まず必要なのは、向こうの異世界を乗り切る為の言語力、これは外せないと思う。言語くらい一から学習してもいいけど…地球と同じイメージで考えてもものすごい量の言語がある、これらを把握する能力はやっぱり欲しい。
いや…そもそも向こうの世界に言語がどれくらいあるのだろうか?そもそも向こうの世界について分からない事が多すぎる。異世界デビューはスライムにどつかれてサメに齧られて終わったからな…、そうだな、情報を得られる力が欲しいな…攻略本というか、ガイドさんみたいな。あとは…何だろう?でも4つにしてって言った以上4つ考えたいしな…変に身体能力とか貰ってもスプレー缶だと…いやちょっと待って
「スプレー缶じゃなくて人間に転生できないんですか?」
「申し訳ありません、スプレー缶に適応してしまった体を人間に移すのは精神の構造が不安定になってしまうので…」
「出来ないんですか?」
「出来なくはないんですが、寿命が3分ほどになってしまうかと…」
「やっぱいいです」
ウルトラマンかよ。
人間になれない以上仕方がない、身体能力とかその辺のものは貰ってもしょうがないな…でも流石に移動する方法は欲しい。自立移動できないのは流石にハードモード過ぎるし。
言語能力、情報能力、移動能力、あとは…どうしようかな。あ、運搬能力とかどうかな。スプレー缶ってアイテム全く運べなさそうだし…
「そろそろ決まりましたか?」
「あ、うーん…大体決まった…かな?」
「では一つずつお願いします。」
「1つ目は言語能力です。この世界で使われてる言語を理解できるようにして欲しいです。」
「そうですね…では言語を日本語で理解できるように翻訳する機構をつけましょう」
「2つ目はこの世界を知るガイド…というか、知識を得る方法が欲しいです。突然この世界に送り出されても何が何だかよく分からないので…」
「では、ちょっと実験作になってしまいますが他の世界の神に触発されて作った能力をつけてみることにしましょう。」
「どんな能力なんですか?」
「ええと、”システムウィンドウ”という名前なんですが、五感を経由して様々な情報を閲覧したり能力を確認したり、色々と便利な機能を提供してくれる機能なんですよ。」
「へぇ、それはすごいですね」
「そうでしょう、実験中の機能なので今は自分の能力の確認と調整、あとアイテム情報の確認、あと先ほどの要望にあったガイド機能ぐらいしかつけられませんが、随時新しい機能が完成したらつけられるようにしましょう。」
「ありがとうございます。」
「あと問題が発生したときに備えて私へのライフラインをつなげるようにしておきますね。あと3つ目はなんですか?」
「移動できる方法です。自分の意思で動けないと大変なので…」
「でしたらゴースト系が持ってる浮遊スキルを取得させましょう、レビテーションやムービング等の魔法と違ってMP消費はしないので自由に動けますよ。」
「MPってことは魔法とかもこの世界にはあるんですか?」
魔法とは中々面白そうだ。興味を惹かれる。
「そうですね、MPは発動スキルで消費されますが魔法もその一つです。スキル…そうだ、いい事思いつきました!」
突然女神様が叫ぶと、僕の体が光りだした。
「あなたのスプレー口から出せるものを自由に変更できるようにしました、中身はMPを変換することで補充できます。といっても、種族スキルに分類したので無茶なものを出そうとしない限り、そう簡単には枯渇しないでしょうけど…」
「無茶なものって例えば?」
「シャ○ルの香水とか?」
「シャ○ルですか」
確かに高そうだ。
「最後はなんでしょう?」
「物を持ち運べるようにしてください。」
「そうですね、特別に収納用に使ってない異次元を開放しましょう、広さだけはあるのでかなり便利に物を入れることが出来ると思いますよ」
「取り出せないとかはないですよね?」
「先ほどのシステムウィンドウを異次元と同期させましょう。整理されるので、ある程度自在に取り出せるはずですよ。」
「ありがとうございます。」
「さて、これで準備は整いましたかね。」
まだちょっと不安は残るし、前の世界への未練も…いや、前の世界への未練はあるかな、あんな中途半端なメッセージを残して行くわけにはいかない。
「待ってください、さっきのメッセージを…」
「それではいってらっしゃい、今度こそ素晴らしい異世界ライフを体験してきてください。」
「あっ、もう行っちゃうんですか!?ちょっと待って、ていうかこれどこに飛ばされるんですか!?」
「先ほどの平原に指定してあります。今度はダークリヴァイアサンMk-Ⅱに食べられないで下さいね?」
あのサメ、異常に名前かっこいいな…
序盤の勢い稼ぎで勢いよく投稿しましたが、こっからはある程度マイペースに投稿します。
詰めすぎると続かなさそうなので…
追伸:少し書き換えました。空間魔法を取得させるより種族スキルとして移動方法を持たせる方が自然だと思ったので…その関係で前後の話も多少変わっています。及び誤字脱字を修正。