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15話 女神様と話しました

『もしもし、アーシラリスです。何日ぶりでしょうか…無事に転生ライフは過ごせていますか?』

これまで使ってこなかった、使う必要のなかった機能、女神様へのライフラインだ。

『女神様!お願いがあるんです。』

『なんですか?突然。』

『今すぐMPを回復させる方法は方法が必要なんです。』

『あまり私が世界に干渉したくはないのですが、ここ数百年一切干渉してませんでしたし、この世界にあなたが来たのも私のせいなので仕方ないですね。貸し1ですよ?』

神様に貸しを作ってしまった。何で返せるんだ。

『MPの回復方法は自動回復か調合薬などの外的摂取しかないですね…今調合薬データベースを検索します。……MPを直接回復させる調合薬は現在レベル8以上のポーション以外には登録されてませんね。素材の中にはいくつかありますが…』

『どんな素材ですか?』

説明してくれれば中身に入れて出せるかもしれない。

『えっと…これまでにこの世界で存在が確認されているものだと、エリートマンドラゴラ、ロード・ファラオの遺志、アークエンジェルプニスライムプリンですね。ですが、どれも非常に貴重な品なのでスプレー缶から出すことは現実的ではないかと』

『この世界で確認?』

『他にもあるにはあるんですが、まだこの世界で発見されてないものの存在を神託で伝えてしまうのは創世条約違反になってしまうんですよ。なので…』

うぅ、やっぱり上手くいかないか…?この世界では予想以上にMPの価値が高いみたいだ…こんなに回復が難しいなんて…


その時、女神様が言った。

『とりあえずそっちに視界を繋ぎますね。…なんだ、その人、グールじゃないですか。グールはMPポーションなど飲まなくても肉を食べればMPが回復しますよ。』

『え?そうなんですか?』

『元々『人の肉を食べるとMPを回復する』仕様を搭載していたんですが、人族と屍人が積極的に交流をするようになってから人の肉を食べられなくなった屍人が多くなりまして…肉なら何でもいいってことに調整しなおしたんです』

調整が気軽だし雑すぎる気がする。あまり干渉したくないってのは何だったんだろう。

『肉であればなんでも大丈夫です。恐らくその人の怪我の具合だと、そこにいるデスキラータイガーくらい食べさせれば大丈夫じゃないでしょうか。』

『ミランさんはギャル〇根じゃないんですよ!?』

どう考えても人間1人で食べる量じゃない、ちょっとした一戸建てくらいの大きさはある。

『っていうか肉を食べれば回復するってミランさん言ってませんでしたけど?』

『食べるんじゃなくて取り込む、が正解ですかね。仕組みを変えた時に食べるのと差別化するためにあなたが水を取り込むときみたいに意識して行わないと出来ないようにしたんですが、その仕様の変更を神託で伝え忘れて出来なくなったって風にとられたみたいですね』

なんだかひどいミスが多すぎない?


「おい?ポット、大丈夫か?」

テオが話しかけてきて我に戻る。そうだ、このことを伝えないと。

「おにく。」

「肉?なんでこんな時に肉なんだ?」

うーん…この拙い喋り方だと全然伝わらないな…

『…今回限りですよ?せっかくなので辻褄を合わせます。『局地的神託』』

突然脳に違和感が現れた。

「な、なんだ?突然」

「え?この感じは…神託?」

「神託?なんでこんな時に?」


『皆様、聞こえていますか?アーシラシスです。』

『え?め、女神様?』

『なんで女神さまが?』

『ポットさんの代弁者として今神託を送っています。』

『ポットの代弁者?神託?』

その言い方誤解を生みそうだからやめて。

『グールは肉を取り込むと怪我が治ります。ミランさん、そこにあるデスキラータイガーを取り込んでください。』

『はあ…?確かに昔は人の肉を食べるってのがあったが…』

『聞いたことがありますね、今は失われていたんでしたっけ?』

『種族の適応で動物などの肉でも大丈夫になっています。試してみてください。』

『あ、ああ…すまないね、そっちに運んでくれるかい…?』

ミランさんが4人に呼びかける。

「わ、わかった。」

テオがミランさんを抱えてデスキラータイガーの所に連れていく。

『それではデスキラータイガーに手を、その肉体を自分の体と同化させるように意識してください。』

ミランさんがデスキラータイガーにミランさんの手を重ねる。デスキラータイガーが触れたところから光の粒子に変わっていく。

「あ、あれ?力が戻っていくような感じが…」

ミランさんの体がデスキラータイガーが減っていくのに合わせて治っていく。

手が治り、体が治り、デスキラータイガー全てが光の粒子に変わるころには、ミランさんの体は完全に綺麗に戻っていた。


「あ…すごい、怪我なんてなかったかのようだ。人族がポーションを飲んだ時って、こんな感じなのかねえ。」

「ミ、ミランさん…よかった…」

「よかった。」

『それでは皆さん。私は戻ります。』

「あ、ああ、女神様、ありがとうございます。」

「お礼はそこのポットさんに言ってあげてください。彼がいなければ私がこの事に手を貸すことはなかったはずです。」

その発言だと僕が女神様よりすごいかのような言い方にもとれる。

「ポットって…やっぱりすごかったのね。」

ああ、その視線が痛い。

『それでは。』

「あ、待ってください。ポットは一体何なんですか?」

『…魂が宿った、スプレー缶ですね。』

「…スプレー缶ってなんだ?」

『わからなければ、そんなものでいいんじゃないでしょうか。それでは、あなたの人生に、神の御加護があらんことを。』

あなたが加護を与える側ですよ!女神様。最後でなんだかしまらない。

戦闘シーンは終わったのであとはそれなりにゆるくやっていきます。

流石に人の肉を食べるのはまずいか…と思って妥協点。ちなみに僕は豚肉が一番おいしいと思います。

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