3年経ちました
月日が経つのは早いものです。私はもう8歳になりました。
3年間色々とありました…本当に色々と。
その中でも特に変わった事があります。趣味部屋です。
使える魔法を調べていくうちに、部屋自体がそのままだとヤバかったので改良しました。その改良が防音防水防火はもちろん、外からの攻撃を一切受け付けません。そして部屋に入るには私の許可が必要です。…なんででしょうか陥落不可能な要塞という言葉がちらつきます。
…いいんです。将来アルベルト様が魔王様になり、万が一私をまだ配下にと言うならここで暮らします。
魔王様に逆らって良いのかですか?アルベルト様なら怖くないです。
さて、そろそろ時間でしょうか。
リリアはアルベルトの魔力を感じながら距離をとる。
転移の魔法陣が現れ、アルベルトが来た。
「久しぶりだな。リリア」
「昨日もいらっしゃいました。もう忘れられていますか?」
挨拶をしてきたアルベルトに容赦なく返す。
「年々扱いが酷くなってないか?一応次期魔王の予定なんだが」
アルベルトはしょんぼりした様子で話してくる。
「一応ではないです。歴とした次期魔王様です。そして私には関係ないです」
さらに追い討ちをかける。
「…不敬罪で制裁されるぞ」
「されますか?制裁」
ご自由にどうぞと返す。
そんな態度を見て、アルベルトが折れた。
「まぁ良い。話は変わるが、来週城で俺の誕生日が祝われる」
アルベルトはもうすぐ12歳になる。一人称も昔は僕だったのに気づくと俺になっていた。
「招待状は届いているだろう。リリアの事だから直接話さねば来ないと思ってな」
「よくお分かりですね」
「何年の付き合いだと思ってる」
ため息混じりに答えられた。
「それで参加は…」
「しません。私が男嫌いなの知っているでしょう」
アルベルト様が10歳の時に、男嫌いをカミングアウトしました。寄ってこなくなるかと思いまして。その結果、俺以外に興味が出ないのはありがたいと勘違い発言されました。そして現在も−
、
「なんなら俺以外の男は全て不参加にさせるから」
そんなアホな事を言い出しました。
「それ意味無いです。男全員って、魔王様や側近達も不参加になってしまいます」
「おっさん達より君の方が良い」
魔王様達をおっさん扱いですか。確かにかなりお年は召していますが。
でもそういう問題ではありません。
「良いですか、アルベルト様。祝っていただけるのは有難い事です。貴方様は魔王様の次に偉い方ですが、感謝の気持ちを忘れてはなりません。全てが当たり前なんて事は絶対に無いのですから」
ついお説教をしてしまいました。
そんな私をアルベルト様は何故かキラキラした瞳で見ていました。
…人の話はしっかり聞け。