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「ただの娘なんて事はないよね。僕よりも4歳年下なのに、教養も魔力も全て一般的な大人の魔族よりずっと上」


アルベルトは今年9歳。まだ子供の筈なのに大人みたいな話し方をする。たまに先程のガッツポーズみたいに子供らしい事もするけど。


「ただ色々調べるのが好きなだけです。魔力は父の血を引いているからでしょう。それに魔力ならアルベルト様の方がずっと高いです」

「僕の父は魔王だからね。でも、君の魔力は君の父を越えている気がする」

「そんなの買い被りです。それにまだ私はあまり魔法が使えません」


実際は魔法が使えないのではなく使わないのですが、口に出してしまえば面倒臭い事間違いないのであえて黙ります。


「それはこれから覚えていけば良い。だから、僕のモノになってよ」

「嫌です」


近付いてくるアルベルトに後退りしながら即答した。


「なんで?君なら僕の側近になれる可能性高いよ」


尚も近付いてくるアルベルト。

段々壁に追いやられていく。そして腕を掴まれた。


「まだ君は幼い。しかし今から声を掛けておかないと、誰かに盗られてしまうかもしれない」


紅い瞳がしっかりリリアの姿を捕らえる。


しかしリリアはもう男に懲り懲りだった。前世の苦い記憶が忘れられない。

今は子供だから良いが、大人の男には近付きたくもない。側近ならば毎日1日の大半側にいる事になる。そんなの拷問に近い。


掴まれた腕からどう逃げようと考えていると、別の魔力の気配がした。

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