夢中
今回はリクエストいただいた、不思議系です。
深い深い夢の中、
俺は現実的な夢を見た。
俺の名前は、栂敷亮平。
ごく平凡な、中学1年生である。
そんな俺には、ただいま好きな人がいるのである。
名前は、久住祥子。
彼女は実に可愛らしい。
その顔も、その仕草も、どれをとっても女の子らしい…。
俺はそんな彼女を好きでいる。
そんな俺が、彼女と出会ったのは、6カ月前。
俺が話したことがあるのは、2回だけ。
「あの、ちょっとどいてください」
「あの、消しゴム落ちましたよ?」
―――――の2回だけ。
意気地なしのように見えるかもしれないが、それは事実であり、俺は意気地なしなのである。
彼女をただ後ろの席から、ぼーっと眺めるだけ…。
俺はそれで、最高な気分になれるのだ。
人は馬鹿馬鹿しいと言うだろう…。
しかし、それは俺にとっては、それすら恐れ多い事なのだ。
彼女は云わば、学校のアイドル。
彼女を好きでいる人間は実に多く、俺もその中の1人なのである。
そう、俺達の仲にはそれだけの差があるのだ…。
だから、臆病で意気地なしな俺に、声なんてかけられるわけなかった…。
そう、、、
あの日が来るまでは…。
深い深い夢の中、
俺は小さな妖精に出会った。
「とがしきぃ~」
「お前、今日暇?」
こいつは俺の友達、斎藤優。
俺をどこかに誘おうとしているらしい…。
しかし、俺は都合があったので友達からの誘いを断った。
俺の生活は、あの夢を見て一変した。
みんなからモテるようになり、人気者になることができたのだ。
それがあの夢のおかげかは、わからない。
しかし、あの夢の後に、俺の生活が変わったということだけは言える。
俺が夢で見たのは、小さな妖精。
そいつは、緑の髪で赤い目。
そして青の服を身に着けていた。
俺はそいつに「夢は何?」と聞かれ、「祥子と結婚すること」と言ってしまった。
叶うことのない夢…。
俺はそんな戯言を妖精に言ってしまった。
しかし、妖精は何食わぬ顔で答えたのだ。
「わかったわ」
「あなたの夢を叶えましょう」
「ただし条件があるわ」
「それはあなたの○○○○よ」
っと――――――――――。
「あなたの○○○○よ」の部分は覚えていないが、妖精ははっきりと「あなたの夢を叶えましょう」と言った。
俺が思うに、夢の内容を1~10まで把握している人間はいないだろう。
俺のそれも同じである。
だから、俺はその夢を意識することなく、朝を迎え、そして学校に向かった。
すると、外見からは何も変わらない俺…。
しかし、内側が変わっていたのだろうか?
俺は一夜にして、人気者になった。
俺は、そういったものになれたことに舞いあがり、祥子からの交際の申し入れを受けたのである。
この俺が?
そう、、、
この俺がである。
俺は人気者というポジションに成り上り、告白された。
それが、俺の夢に向かっての第一歩だった。
だから俺は、優からの誘いを断った。
なぜなら、その日はデートだったから…。
祥子とのデートだったから…。
時は満ちる。
俺と祥子の結婚式…。
俺は格好よくキメテ、祥子とキスをした。
永遠という鐘が協会に鳴り響く…。
その時は、そのように思えた…。
深い深い夢の中、
俺は不思議な不思議な夢を見た。
俺の人生を告げる夢。
悲しいけれど、俺の最後。
「それはあなたの命と交換よ―――――」
どうでしょうか?
短いと思います…。
すみません。
短編なので短いですが、それでもいいならリクエストください^^