冬の雪降る香り
僕「君・・・冷たいね・・・」
君「そうかな?あなたが温かいだけよ・・・」
『違うよ・・・君は冷たいんだ―――――』
僕の彼女は、まるで雪のような人だった。
顔や肌は白っぽく、身体自身も冷たくて。
僕が触れていると君が溶けてしまいそうで、 とても怖かった。
だけど、君は溶けることなく僕を受け止めてくれた。
でも、君は僕の前からいなくなってしまった―――――。
温かい夏空の下、君のつけていた香水がほのかに香る。
それは、僕が大好きな薔薇の香りがする香水。
甘くほのかに香る香水は、つけすぎで君をダメにするわけじゃなく、
むしろ、“君”という存在を目立たせてくれていたようだった―――――。
それは、僕が君を見失ったら君の場所を教えてくれるような道標のようなもので、、、
だけど、君はいつからかその香水をつけなくなってしまった―――――。
だから、僕は君を見失ってしまった。
愛していたけれど、距離は遠くて、 時々近づき、離れていって。
君は僕の腕の中にはいなかったんだ。
始めから、君はいない存在だったんだ―――――。
別れも告げずに消えてしまって―――――。
夢か現か、幻か??
『そうだよ・・・君は冷たいんだ・・・・・』