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転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜  作者: 電動ガン
第三章〜新時代〜

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深宇宙の恐怖。それを見た地球人の精神の安寧。マトモじゃ無いけれど。

Xやってます。Xアカウント→http://twitter.com/dendogun


面白かったら感想・評価してください。励みになります。


ある日。ASTRA五カ国定例会議。


「・・・・・・・というわけだ。アメリカではダンジョン景気であり・・・・・・」


「ロシアもだ。日本から提供してもらった魔石エンジン、あれは大人気だ。だが軍用車に使うには些か・・・・・・」


「中国では以前提供してもらった大魔石までの解析、研究で・・・・・・」


「イギリスではロールスロイスに搭載予定だ。高級車路線で行く・・・・・・」


「日本でも三社で独占してますがいずれは・・・・・・」


「ふわぁ〜あ〜」


今日の定例会議では報告会な為、シルバディアは退屈していた。がここでシルバディアがピクリと何か反応した。


「ねぇみんなちょっといい?」


わやわや会議をしていた首相達を止める。シルバディアは頭を揺らしながら次の言葉を考えていた。


「レディ・シルバディア。どうした?」


「すまんが報告も重要なのだぞ。」


「シルバディア少し待ってくれるか。」


「悪いけど緊急よ。ゼファ姉から念話が来てる。みんなに用があるって。」


「コードネーム:アークドラゴンが?」


「我々に用・・・・・・・?」


「呼んでいいかしら。」


「構わんが・・・・・・・」


「その前に何用なのだ。」


「取引なのか?」


「取引じゃ無い。地球の人類への友好の為に善意と優しさを見せたいってよくわからないこと言ってる。」


「善意と・・・・・・?」


「優しさ・・・・・・・?」


会議が訝しげな雰囲気に包まれ、困惑する。だが友好を示したいと言ってる相手を無碍にすることも出来なかった。


「わかった。皆、良いな?迎えても。」


「構わない。」


「なんだろう。」


「友好とは。もう十分友好は示してくれたと思うが。」


「国連で暴れなかっただけシルバディアよりも友好的だな。」


「ちょっとぉ!!!!」


「シルバディアさん、呼んでもらえますか。」


シルバディアが少し静まるとシルバディアの横にゼファランディアが転移してくる。会議の皆は驚かない。もう慣れていたからだ。


「ようこそ。レディ・ゼファランディア。地球のトップ会議へ。」


「お初に目に掛かる。ゼファランディアだ。受け入れ感謝する。」


「ようこそ。」


「美しい。」


「シルバディアよりも荘厳だ。」


「してだ。早速本題に入っても良いだろうか。」


シルバディアと交代し椅子に座る。そして腕を組み。こう告げた。


「先日、我が宇宙船が地球に到着した。現在は月面の裏側に停泊している。」


「宇宙船?」


「そんなものがあるのか?」


「シルバディアは持っているか?」


「すごいな。」


「私は持ってないわ。自分で動けるもの。」


「シルバディアも宇宙船は持っておいた方がいろいろと便利だぞ。」


話が逸れそうになったのでゼファランディアは咳払いをする。


「それでだ。我がこの地球にある宇宙に到着し、地球に向かう途中。複数の惑星から地球人の気配を察知し、確保、保護、収容した。所謂地球の迷子だな。」


「地球の・・・・・・・迷子?」


「どういうことだそれは。」


「地球では外宇宙に進出する術は無いぞ。」


「なぜ地球から離れた星に地球人が?」


「私の推測だが、局所的な次元の歪みに巻き込まれ、ワームホールを通って転移したのだろう。」


会議にざわめきがもたらされ。首相達が苦い顔をする。


「それでだ。DNAリストを作った。地球レベルに調整してある。一応暗号化はしてあるがちきゅうでも数十分で解析出来るだろう。照会してみてくれ。」


首相達の手元にフラッシュメモリが現れる。首相達は怪しみながらもパソコンに刺し、ZIPを展開する中身は確かにDNAデータであり、各首相は秘書に指示して解析させた。そして30分後。照会が終わったと各秘書が持ってくる。それは行方不明者リストだった。


「・・・・・・原因不明の行方不明者リスト。」


「37名か。」


「中国は6名もいる。」


「イギリスも4名いるな。」


「そちらで参照出来たか?」


「ああ。ありがとうレディ・ゼファランディア。」


「彼らを返還してくれるのだな。」


「家族が喜ぶ!!行方不明事件も解決だ!!」


「素晴らしい・・・・・ゼファランディア氏がいなければ解決できなかった。」


「・・・・・・・。」


「レディ・ゼファランディア・・・・・・?」


「返還してくれないのか・・・・・・・?」


「何か、問題が?」


「ダメなのか?」


「正直、地球人に慈悲を見せるのは憚られる。どんな状態でも適当に放り出そうかと思っていた。だが・・・・・・あまりにも、あんまりだ。」


「なんだと・・・・・・?」


「我の宇宙船に人を寄越せ。それで迷子の地球人の現状を見せ、返還するか確かめさせる。」


「そんなに、ひどい状態なのか・・・・・・?死体だけでも、返還させてくれないか?」


「死んではいない。生きている。だが生きているのが尚悪い。そういう状態だ。覚悟せよ。」


「わかった・・・・・・・この行方不明者リストから各国へ連絡しよう。大使を呼ぼう。」


「承知した。東側諸国はロシアと中国に任せろ。ジョーンズ、ハリー、西側は任せたぞ。」


「ああ。余程状況は悪そうだ。一応精神科医も同行させよう。」


・・・・・・・・・


・・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・


・・・・・


・・・・


・・・


・・



数日後、月の裏側にいたゼファランディアの宇宙船が大気圏内に現れ、大混乱に陥ったが各国の発表でなんとか鎮圧した。そして地球の原因不明の行方不明者の正体が発表され、地球は大変なゼファランディアへの感謝のブームが起きていた。


「それでは、集まっているか。」


日本の都庁前に宇宙船に招待する大使を集めたゼファランディア。その顔は少しの慈悲と少しの無情感を織り交ぜた複雑な顔をしていた。


「お前達がこれより目にする物は、少し、いや、大分地球人類にしてはショッキングだ。それでも良いな?」


大使達からは構わないという声があがり行方不明者が家族の元に戻るならと使命感に溢れている。帯同する精神科医は念のため薬を飲んでいる。


「じゃあ行くぞ。転ぶなよ。」


宇宙船から転送光が照射され、大使達が転送される。宇宙船探索の始まりだった。


▽▽▽


宇宙船の中は機械的かと思われたが所々結晶のような回路がひしめき合う鉱山のような場所であった。


「全員いるか?」


大使達が確認し合い全員の点呼を取る。それを確認したらゼファランディアは歩みを進めた。


「これから収容セクターに入る。人類が視界に入れて有害な物は全てシャッターを閉じているから安心してくれ。」


コンテナが立ち並ぶスペースに入り、大使達は緊張感に包まれる。そしてひとつのコンテナの前にゼファランディアが立ち止まると説明をする。


「ここは地球からのデータベースに照会すると、イギリスの30年前に行方不明になった14歳の女学生がいるコンテナだ。」


これにイギリス大使が色めき立つ。


「レディ・ゼファランディア!!早速会わせてくれ!!無事か確かめたい!!!」


「無事か・・・・・・生きていることが無事なら彼女は無事だ。だがその他の状態も照らし合わせると、無事では無い。」


「覚悟は出来ている!!」


「本当だな。なら今シャッターを開けるぞ。」


「頼む!!」


「だが、我は元いた場所に返すのは最善の策かもしれんが最良とは思わない。彼らをこのまま地球に返す苦しみを考えると、本当にそれが幸せか、唯々疑問だ。」


シャッターが開いて中が見える。そこには一本の木が生えていた。


「これが今の彼女だ。」


「・・・・・・?」


イギリス大使がじっと木を見つめる。そして何かに気付いたのかガタガタと震え始める。同時に木が震えこちらに佇まいを向けた。これには大使達も驚き尻餅を突いた。


「人類の生存本能というのは我も驚くほど凄まじい。とある惑星に送られた彼女の生存確率はほぼゼロだった。凄まじく生命エネルギーの強い、植物が生態系の頂点に達した星だ。その地表に放り出された。」


木がゆっくり透過障壁に近づいてくる。イギリス大使は小便を漏らすほど震えていた。


「彼女は生存するために、その惑星の環境に否応無しに遺伝子レベルで適応、適合していったんだ。」


「は、ひぃ・・・・・・!!」


木は障壁にゆっくり手を突くと、その姿を詳細に露わにした。細身の女性のシルエットを取って保っている。だが皮膚は完全に樹皮になっていた。

頭髪であった場所はどす黒い葉でびっしりと覆われており、最も痛ましいのは顔だ。顔面も樹皮になっていて、目が合った場所は木の洞のような深い穴が二つ空いており、そこから血のような赤い樹液を絶え間なく流れ出している。

その奥で樹液が凝固したような赤くて鈍い琥珀色の光が不気味に明滅していた。

両腕は引き延ばされ、無数の複雑な枝を形成しており、生き物の様に蠢いている。

脚はコンテナの床や壁に重厚な根を張っており、蠢きながらその上を元少女は歩いていた。


「あ、あ、ああ・・・・・・・」


「誰か、担いでやれ。」


イギリス大使が担がれるとシャッターが閉じられた。


「彼女はもう酸素を吸って二酸化炭素を吐き出す生物ではない。太陽光に似た特殊な放射線を浴び、地球には未知の栄養素を吸って生きる。

自分の根の上以外移動できない植物だ。

精神の大部分は植物惑星の生態系の集合ネットワークに捕らえられ、地球人としての記憶は、おそらく核の奥深くに苦しみの残滓として残ってるのみだ。

イギリス大使よ。彼女を引き取るか?」


イギリス大使は涙でグシャグシャになり虚ろな目で首を振る。


「で、あろうな。彼女はもう地球では暮らせない。」


そして次のコンテナに向かうゼファランディア。


「次は15年前に行方不明になったスペインの23歳の青年だ。これは流石の我も目を覆うほど不幸だったと言わざるを得ない。覚悟せよスペイン大使。」


スペイン大使が息を呑み、シャッターが開く。そしてシャッターが僅かに開いた瞬間耳をつんざく、金切り声のような、冒涜的な声が響いてきた。


「ーーーーーーーーあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「うわぁぁぁあああ!!!」


「なんだ、これは!!!」


「ひぃぃぃ!!!」


「おっと。」


ゼファランディアが指を鳴らすと大使達に声が届かなくなる。


「彼は一切の光が存在しない、暗黒惑星の重力圏内に降り立った。そこは光だけで無く、空間そのものが負のエネルギーで満たされ、呪われた星だ。

彼はその暗黒の中で、生き延びようとして、生き延びる事が出来てしまった。その経過で暗黒惑星の核・・・・・・・つまり絶対の無を見てしまった。」


シャッターが完全に開く。そこには黒いアメーバ状の液体を纏った肉塊。かろうじて人間の痕跡を残す肉塊がいた。それは生物と言うよりも実体化した影そのものであり、人間の骨格が僅かに残った手足をバタつかせ。目も耳も鼻も無い顔に出来た切れ目の様な口から精神を直接爪で引っ掻き、鼓膜を太鼓の様に叩く凄まじい絶叫が垂れ流しにされていた。


「彼は暗黒惑星の核を見た瞬間、無に、脳と肉体が適合した。適合してしまった。光という概念、実態という概念を失った彼は、己を維持することが出来ず。

ただひたすらに虚無の狂気と恐怖に苛まれている。彼はここに収容されてから地球時間で一日23時間、一秒も休まず叫び続けている。残りの一時間は叫び続けた疲労で仮死状態になっているだけだ。スペイン大使。彼を家族の元に返すか?」


「ああ・・・・・!!!いやだ!!!!主よ、私をお救いください・・・・・・!!!アイメイディアス様・・・・・・!!!」


「・・・・・・無理なようだな。では次に行こう。」


大使たちはもう帰りたい一心だったが、まだ自分の仕事を全うしようという心があった。イギリス大使とスペイン大使以外。


「次は少々・・・・・刺激が強い。見たくない者がいれば、帰還を許す。どうする?」


ここで精神科医達が音を上げた。ゼファランディアは精神科医達を地上に帰し、一息吐く。


「では残った者は心せよ。次は、あまりにも人の精神に良くない。」


▽▽▽


次のコンテナは何やら装置が付いた巨大な物だった。ゴウンゴウンと機械音が響き、大使達が息を呑む。


「では開けるぞ。」


シャッターが開く、そしてそこから漏れ出てきたのは強烈な光だった。


「うわ!!」


「なにごとだ!!」


「どんなものが・・・・・・」


「彼はアメリカで書斎に入ったっきり消えた老人だったらしい。地球上から消失した後、彼は光波惑星へと降り立った。」


シャッターが開ききると光を発生させる装置が切られ、そこには異様としか言いようがない存在がいた。


「光波惑星は、あらゆる波長の光が固体化し、実体ある光で満たされた非常に過酷な世界だ。そこに彼は放り出された。」


異様な存在を見た大使達は嘔吐したり小便を漏らしたりなど精神的に拒絶反応を起こしている。ゼファランディアはそれを気にせず続けた。


「彼は生身の人間でありながら、その光の嵐の中で生き延びようとした。結果、彼の肉体は光の向こう側と言うべき、多次元の視覚情報を強制的に受け入れるように過剰な進化を遂げたのだ。」


コンテナの中にいたもの。それは人型で、だが全身がガラス質の透明な物質に置き換わって不気味に内臓がうっすらと覗いている身体をしていた。一番奇妙なのがその頭。本来あるべき場所以外に額、頬、顎、果ては首筋にも無数の眼球が数瞬の間にボコボコと生まれていた。その眼球は何かを見通すようにぎょろぎょろと忙しなく動いていた。それを、男の手、まるでガラスのナイフのように変質した手でブチブチと生まれ出る眼球を潰していたのだ。


「彼は光の向こう側を見過ぎた。多次元の情報が脳に流れ込み続けることに、彼の精神は耐えられなかった。彼は宇宙の真理と狂気を見たいという細胞と、それを拒絶しようとする人間の理性での間に引き裂かれているのだ。だから己の目を潰し、視界を閉ざそうとしている。だが彼の身体は光波に適合している。その肉体は死ぬことも、盲目になることも許されないんだ。」


大使の何人かが気を失って倒れた。ゼファランディアはため息を吐き、やむを得ないとシャッターを閉じる。


「アメリカ大使。どうする?」


「もう、いいッッッ!!!もう・・・・・・・やめてくれ・・・・・・・・行方不明者なんて・・・・・・・いなかったんだ・・・・・・・」


「・・・・・・・そうか。」


ゼファランディアはエントランスに大使達を戻し、水を飲ませていた。そして今後の事を伝えた。


「以上が、我が保護した、地球の迷子だ。」


大使達から返事は無い。皆が皆疲れ果て、虚ろで、20歳は老け込んでいた。


「どうする?返還するか?」


「・・・・・・・しなくて、良い・・・・・・・」


「そうか。他にもいるが、地球人基準で無事な地球人など一人もいない。彼らは過酷な宇宙で生き残る為に、地球人であることを辞めている。辞めざるを得なかった。彼らの肉体も精神も。どれだけ文明が進もうが戻す手立てはない。それは我々女神龍にもだ。その上で。どうする?」


誰もがまともにも椅子に座れず崩れ落ちている。そのなかでも比較的にマトモ(重傷)のドイツ大使が口を出した。


「殺しましょう・・・・・・楽に、してあげましょう。」


「ほう?」


「今見た者達は、状態は違えど、苦しんでいた。殺しましょう。」


「いいのか?貴様の一存で決めても。」


「良い・・・・・別に感謝されなくても良い・・・・・・彼ら彼女らを、楽にしてやってくれ・・・・・・・」


「・・・・・・・わかった。ママ上。」


「はーい!ママを呼んだ?」


どこからともなく現れたアイメイディアスはゼファランディアの肩に手を置き、なにやらアイスコーヒーを飲んでいる。


「ママ上。地球の迷子を全員終わらせて欲しい。」


「あー、なるほど。わかったよー。」


アイメイディアスが指を振る。するとバキン!!!と何かが割れる音がした。


「はい、お終い。安らかに眠れますように。」


「かたじけないママ上。では大使達よ。地上に戻ろう。」


こうして地球の迷子達は宇宙の塵となって。その生命を終わらせてもらい、苦しみから解放されたのだった。


・・・・・・・・・


・・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・


・・・・・


・・・・


・・・


・・



日本の都庁前に大使達が戻ってきた。各国首相や、メディアが群がる。彼らは一斉に大使達にカメラを向けて質問を浴びせる。だが大使達にそんな体力は残っていない。ジョーンズ大統領がアメリカ大使の肩を掴み揺すっていた。


「おい。行方不明者は!?どうなった!?返還は!?」


「・・・・・・・。」


「おい!!なんとか言え!!」


「大統領・・・・・・」


喉から絞り出したかのような蚊の鳴くような声で大使はさめざめと涙をながしてこう言った。


「行方不明者なんて・・・・・・・いなかった・・・・・・忘れましょう・・・・・・・忘れましょう・・・・・・」


「何言ってるんだ!!?大丈夫か!?!?リストがあるんだぞ!?!?」


「忘れましょう・・・・・・忘れましょう・・・・・・」


幽鬼の様に真っ白な顔で上質なスーツを汗と小便で汚しきり、幼児の様に震え、虚空を見つめながらその場を離れようとする大使に首相達もメディアも愕然としていた。

先に帰された精神科医はさっさと逃げ帰ったという。















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