第4話 彼の家(居場所)
お風呂に入り始めて少ししたくらいの時からが脱衣所に来た。
「ジャージを置いておくのでお風呂に出たらこれを着てください。」
「はーい。それよりも現役JKのお風呂覗きたくないんですか〜?」
「はいはい。ふざけてないでしっかりあったまりなさい。」
彼はそう言うと脱衣所から出てしまったようだ。つまらない。堅物すぎてつまらない。俺は女を放っておく彼の精神が理解できなかった。まぁ、今は暖かいお風呂をたのしもう。
「出ましたよ〜」
俺はわざと上のジャージのみ着て素足を晒していた。男物のジャージだからか意外と下まで隠れてくれたおかげで彼シャツならぬ彼ジャージになった。
これで襲ってくれれば俺も諦められる。こんなもんだって思える。期待する意味なんてない、価値なんてない、そう確信できる。だから早く俺を襲って(終わらせて)くれ。そんなつまらない期待は簡単に裏切られた。
彼は俺を見向きもせずに脱衣所に入ったと思ったら
「ひぎゃっ!」
下のジャージ投げつけやがった。ふざけとんのかワレ!こちとら花のjkやぞ!それを雑に扱いやがって!
「風邪ひきたくなかったらさっさと着てください。それでは僕は風呂入ってくるので。」
彼はそう言うと直ぐに脱衣所に戻ってしまった。つまらないし、むかつく。けど
「ふふっ」
俺は嬉しくてたまらなかった。
これぐらいがいい、凄く心地がいい。特別扱いじゃない。腫れ物じゃない。何も知らないから、だから雑に扱われるのが凄く嬉しい。
彼が風呂から上がりそろそろ夜もいい時間になってきた。
「ふぁぁ〜〜」
つい、欠伸をしてしまった。
「そろそろ寝ますか?」
「はい。ん〜。」
「寝室は玄関横の部屋なので。」
「はーい。うん?あれ、赤札さんはどこで寝るんですか?」
「僕はリビングのソファーででも寝ようと思います。流石に女子高生をソファーで寝かすわけには行きませんし、同衾なんて以ての外ですので。」
「私が泊めていただいてる立場なのにベットを使うのは心苦しいです。赤札さんがペットで寝てください。」
「いえ、でも」
「ダメです。」
ん?なんか推し強くない?
「しかし、」
「ダメです。」
「はい。」
なんでここだけこんなに推し強いの?逆らえなかったんだけど。
「じゃあありがたく使わせていただきます。ありがとうございます。それでは、おやすみなさい。」
俺は少し笑みを浮かべながらそう言った。久しぶりに誰かにこんなこと言った気がする。
「はい。おやすみなさい。」
彼は優しく返してくれた。
俺はベッドに入るとつい意識してしまった。けれども
「これが赤札さんのベッド。なんか、安心するような、なんか…すご、く…ねむ…」
「ん、トイレ〜。」
「ふぁ〜、さっさとベッド戻るかぁ。」




