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第二話:試練の地「プルーフェン」での孤立

第2話を読んでいただきありがとうございます。

物語はさらに深く、エンヴァの使命の核心へと迫ります。

今回は彼が属する世界「プルーフェン」を描きます。

第二話:試練の地「プルーフェン」での孤立

プルーフェンは休息のための場所ではない。ここは次元の間に浮かぶ真空の空間であり、太陽も星も、安定した重力も存在しない。ここの光は、死んだ灰色をした地面に突き刺さっている数千本のクリスタルの柱から放たれている。エンヴァが立っている崖の下では、銀色の霧がゆっくりと動き、リハビリテーションを受けている数百万の魂を包み込んでいる。彼らはもはや人間ではなく、アストラルの怪物でもない。彼らはただの薄暗い光の塊であり、かつて自分たちを蝕んでいた強欲の残滓を捨て去ろうと、ゆっくりと本来の体の形を取り戻そうとしている。

エンヴァは崖の縁に座った。彼の呼吸は重い。肩には、数千トンの重みが肩甲骨を押しつぶしているような痛みがある。彼はうつむき、足元のクリスタルの表面に触れるほど長く伸びた自分の黒い髪を見た。その髪は周囲の光を吸い込んでいるかのように、非常に暗く、濃い。それは、彼が自分自身の神経系に引き込んだ世界の罪の重さそのものだ。

彼の隣には、光で織られたローブをまとったイセラが立っていた。彼女の額にある細い線、つまり「ニュートラル・ルーム(中立の織機)」の神経が、システムが安定している証である薄い青色に脈動している。しかし、彼らの視界の端では、一本の神経線が黒ずみ、不規則に脈動し始めていた。

「また重い荷を背負って戻ってきたわね、エンヴァ」イセラの声は穏やかだが、冷たかった。

エンヴァは答えなかった。彼は、先ほど穴が開いた自分の手を見つめた。皮膚の組織はすでに閉じており、そこには薄く黄金色に光る硬貨の形をした傷跡が残っている。「一つのMAU(金の悪霊)を浄化することに成功した。標的は死んで忘れ去られることを選んだ」

「記憶されるには罪が深すぎた者たちにとって、それは公平な選択ね」イセラはため息をつき、下の銀色の霧を見つめた。「でも、あなたはその代償を知っているはずよ。硬貨を残さずに浄化するたび、あなたは自分を構成する集合エネルギーの断片を失っている。エンヴァ、あなたは宇宙全体のエネルギーから生まれたの。彼らを歴史から消し去り続ければ、あなた自身の一部も消えていくことになる」

「私は資産のコレクターとして作られたわけではない」エンヴァは短く答えた。彼は目を閉じ、遠くから聞こえる「ブッテル・カッター」という機械の唸り声を感じた。その音は、眠ることのない巨人の呻き声のようで、金属が骨と擦れ合うような音がした。「私は宇宙の神経が腐らないようにするために作られたのだ」

「評議会の他のメンバーは、そのようには見ていないわ」イセラは囁き、エンヴァが彼女のローブから漂うオゾンの匂いを感じ取れるほど近くに寄った。「彼らは、あなたの立場が独立しすぎていると感じ始めている。彼らにとって、あなたは宿主を攻撃し始めた抗体にすぎない。あなたが人間界のルールを壊すことを、彼らは嫌がっているのよ」

突然、プルーフェンの静寂が破られた。

クリスタルの山の斜面にあるリハビリ施設の一つから、胸を締め付けるような叫び声が響き渡った。それは人間の声ではない。金属が無理やり膨張し、砕けるような音だった。

エンヴァは直立した。彼の首の静脈が、目を刺すような黄金の光で輝き始めた。彼はイセラの命令を待たなかった。彼は崖から飛び降り、銀色の霧を突き抜けて、リハビリ施設に激しく着地した。

彼の目の前では、リハビリの途中だった元MAP(寄生悪霊)が激しく痙攣していた。純粋な光の塊であるべきその体は、今や醜く歪み、粘り気のある黒い液体にまみれていた。

「マクセン……」エンヴァが低く呟いた。

怪物の静脈は真っ黒に変わり、石のように硬くなり始めた体から浮き出ていた。その血は沸騰し、周囲の浄化クリスタルを破壊する腐敗した蒸気を放出していた。その蒸気は毒だった。蒸気に触れたクリスタルは、即座に砕けて塵となった。

マクセンは、リハビリテーションのプロセスに「死のエッセンス」を直接注入したのだ。これは明白な攻撃だった。もしプルーフェンが汚染されれば、純粋に戻ろうとする魂たちの居場所はなくなる。それは「ニュートラル・ルーム」を破壊する連鎖反応を引き起こすだろう。

痙攣していた怪物は、不自然な速さでエンヴァに向かって跳んだ。石化したその手が、エンヴァの胸を打った。

ドォォォン!

エンヴァはクリスタルの壁に叩きつけられ、大きなひびを入れた。エンヴァは立ち上がり、口の端から黄金の血が漏れた。怪物の手からは、誰の心臓をも貫こうとする黒い棘が突き出していた。

「彼は君を殺したいわけじゃない」部屋のクリスタルの隙間からマクセンの声が響いた。「君が聖域だと思っている場所に、私の闇が這いずる様子を君に見せたいだけだ」

エンヴァは言い返さなかった。彼は両手首の静脈を自ら切った。黄金の血が噴き出し、空中で大きな網を形成した。エンヴァは跳躍し、死のエッセンスに支配された怪物をその血の網で捕らえた。

彼は網を強く引き寄せ、怪物をその場に固定した。黄金に光る素手で、エンヴァは黒い毒の霧の中に飛び込んだ。彼は怪物の額に触れた。

「帰れ」エンヴァが命じた。

エンヴァの手から放たれた黄金の光が怪物の静脈に入り込み、マクセンの黒い膿と戦った。その戦いは凄惨だった。怪物の体の中で、光と闇が互いを破壊し合った。怪物の肉は焼けただれ、激しい音を立てた。

ついに、エンヴァは怪物の心臓に埋め込まれていた、黒い硬貨の形をした死のエッセンスの塊を力ずくで引き抜いた。その硬貨はエンヴァの手の中で砕け、無意味な塵に変わった。

怪物は力なく倒れ、再び穏やかな光の塊に戻った。エンヴァは膝をつき、呼吸を乱した。彼の黒い髪はさらに伸び、冷たいクリスタルの床を引きずっていた。

イセラが入り口に現れ、心配そうな目線でエンヴァを見つめた。「彼は止まらないわ、エンヴァ。あなたが救った命はすべて無駄だと、あなたに思い知らせようとしている」

エンヴァは苦労して立ち上がり、プルーフェンの闇を虚ろに見つめた。「脈打つ静脈が一本でもある限り、私は彼の借りを取り立てる」

遠くで、「ブッテル・カッター」の回転音がさらに速く聞こえてきた。その機械は飢えており、エンヴァは自分がより重い代償を支払ったことを知っていた。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

エンヴァ dan マクセン の因縁がここから始まります。

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