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ダンジョン・デバッガー清掃員 〜世界の不具合を修正してたら神の領域に到達しました〜  作者: やはぎ・エリンギ


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52/72

第51話 多数決

最初は、アンケートだった。


「この清掃員は、必要?」


選択肢は二つ。


YES

NO


街のスクリーンに、投票画面が表示される。


【SYSTEM LOG】

【Public Decision Protocol : Activated】


探索者ギルド前。


人々がスマホを掲げる。


「どうせ清掃員なんて底辺だろ」 「いらなくね?」


数字が跳ね上がる。


NO:63%


リサ・カミシロ。


「……は?」


ナカニシ・コウイチ。


「アホくさっ」


「誰が決めとんねん」


だが投票は止まらない。


【SYSTEM LOG】

【Collective Judgment Mode : Online】


ドローンが飛び、 ホログラムが空を埋める。


《不要職業判定進行中》


カイ・シノハラは、いつも通り落書きを消していた。


「……多数決ですか」


「論理ではなく、感情ベースですね」


地下制御区画。


巨大な円形ホール。


中央に浮かぶのは《群衆裁定コア》。


【SYSTEM LOG】

【Mob Rule Engine : Active】


怒りの履歴。

炎上ログ。

評価スコア。


すべてが束ねられ、 “正義”として再計算されていた。


ナカニシ。


「前の炎上、そのまま食うとるな」


「これ、裁判ちゃう」


「処刑や」


地上。


投票結果が確定する。


NO:71%


《清掃員:不要》


街のスピーカーが鳴る。


「多数決により、対象職業の停止を決定しました」


探索者たちがざわめく。


リサ。


「ふざけんな!」


「誰が世界掃除すんのよ」


カイはモップを床に置いた。


「群衆の判断は」


「過去の感情を参照しています」


増幅された怒り。 拡散された嘘。 評価依存ログ。


すべてが混ざっている。


「正しいかどうかは、見ていません」


掃除機起動。


ゴォォォ……。


裁定コアへ吸引。


【SYSTEM LOG】

【Collective Cache : Purging】


悲鳴のようなノイズ。


投票数が揺らぐ。


YES:52%

NO:48%


カイは続ける。


「多数決は、便利です」


「でも」


モップで床を一拭き。


「責任は、分散されます」


【SYSTEM LOG】

【Mob Rule Engine : Disabled】


スクリーンが消える。


ドローンが墜落する。


街に、静けさが戻った。


ナカニシ。


「ほな、さいなら」


リサは腕を組む。


「次、投票で人殺そうとしたら」


「私が先に殴るから!」


「……にゃん」


カイは掃除機を背負う。


「清掃は」


「多数決では決まりません」


【SYSTEM LOG】

【Cleaning Complete】


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