異世界焼肉くいーん、第一号店開業!
「…おはよーリリ…まだ眠い…えっと…一階だけ灯りつけて…」
『了解しました!ところでマスター…どうして一階だけなんですか?』
えーっと今日は新社員祝いで焼肉しようかと思って…
『そうなんですね!お助けしましょうか?』
してくれるならして欲しいけどできるの?
『はい!ドローンでお助けできます!』
AIみたいなのでドローンを制御してるのかな。まあいいや。
「とりあえず和室でのお皿並べとかやって欲しいな。」
『了解しました!』
リリは美晴が用意したドローン?に憑依のようなものをして一番広い和室に飛んで行った。
「私は…あっドラゴンのお肉美味しかったんだっけ…。食べてみたかったんだけどそんなのに勝てないよね……。」
『マスター!リリなら狩ってこれますよ!』
え、そうなの?あんな強そうなのだよ…?まあ…
「じゃあ危険ならすぐ戻ってきてね。」
『はい!マスター!』
そうしてドローンのリリは窓から外に出ていった。
「さてと…みんなが起きる前にお肉切るのとか焼肉のタレとかやっとかないとな…。」
美晴は冷凍庫からお肉が3キロ入っている密閉袋を取り出した。
「この冷凍保存方、焼肉くいーんで教えてくれたんだよねーほんと鮮度も保ててて美味しそう…!」
美晴は上質の黒毛和牛に包丁を入れていく。
まずは一口サイズに切ってこれはあるものを作るために残しておくっと。残ったのは分厚くスライスして焼肉用!
「よし!」
『マスター!狩ってきましたよ!』
美晴の声とリリの声が重なった。
「えっ早っ!」
美晴がお肉を切り出して30分しかかかってなかったのだ。
「……しかもほとんど無傷……。なに…この量……。」
リリドローンの後ろにはドラゴンの行列ができていた。
「とりあえず解体…手伝って…。」
「手伝いましょうか?!」
真後ろからヨシリの声が聞こえた。唐突すぎてびっくりし、飛び退けた。
「ひゃっ!ヨ、ヨシリ…。起きちゃった…んでも手伝ってもらわないと開店時間までに間に合わないよね……分かった!手伝って…!でもまだ和室にはこないでね」
ヨシリは包丁を手に取り、皮を丁寧に剥いでいった。
「まあ料理は準備完了っと。リリのおかげでセットも全て終わっちゃったしな…やることないんだよね…」
どうしようか悩んでいるとまた誰かが後ろからいきなり話してきた。
「なら米を買い出せばいいんちゃう?」
…この声はキング…だな…次から次へとなんで真後ろからいきなり話しかけてくるの…。まあいいアイデアだけど…。
「まあいいけど……気配消して寄ってこないで〜!怖いって…」
「すまん…」
ドラゴンを解体して頬に血がついているヨシリのところへ行った。
「まあ…それいいね。キング、一緒に来て。お金になる物…ドラゴンの皮か。ヨシリさん、これもらっていい?」
不思議に思いながらもヨシリは私に剥ぎ終わった皮を渡してくれた。
「ありがとう。スキル《金品換算》このドラゴンの皮を日本円に換算して。」
すると、山のように積んであったドラゴンの皮が一瞬にして10000円札の束になった。
「え…。これ1、2、3、4…9枚あるよ…。90000円…こんなの物価高でのお米も100kg以上買えるよ…。」
やっぱりこのスキル異常でしょ…。盗賊に狙われたらどうしよう…。
『そんな時はリリ銀行へお越しください!』
リリ銀行?リリがやってるの?
『はい!マスター一人一人のためのお金保存屋です!』
すごい…。とりあえずお願い。
『了解いたしました!お金をお預けください!』
リリドローンが飛んできてディスクみたいなのを入れるための箱?が開いた。そこに美晴は札束を入れた。
「これ日本でも取り出せるの?リリはテレポートとか持ってないよね。」
『できます!お金の引き出しする時は、引き出し!とお伝えください!手に現れますよ!』
へー。便利だな…。まあとりあえず…!
「キング、ついてきて!」
「あい!」
2人はテレポートで米を買いに日本へ飛んだ。
およそ一時間後、リキリア王国丘の上では…
「ここか?」
「そうに違いないさ!焼肉くいーんっつうの何かわかんねぇけどうまそうだよな!」
「ええ!」
「まだ開店しないのか?」
「遅いなー」
店の外にものすごい数の客が待っていた。まだ美晴もキングも帰ってきておらず、ヨシリだけがポツンと店内に残っていた。自分が無我夢中でお肉の解体をしていたせいで知らぬ間にいなくなってしまったと思っていた。
「うわぁ…こ、こんなのどうすればいいんでしょうか…。店内でお待たせ…いや、怒られてしまう…」
あたふたとしていたヨシリに救世主がやってきた。
美晴はドアを勢いよく開け、言った。
「ヨシリさん!お待たせしてしまって本当にすみません!……ご来店の皆様、少々お時間をいただきます!お急ぎの方は明日、お越しいただいた方が混雑していないと思われます!では、ごゆっくり!…んと。スキル《自由生成》!長椅子を生成!座り心地優先で!」
駄菓子屋などでよく置いてある、簡易的な長椅子が10席できた。
「皆様!お待ちの間、こちらの椅子に腰掛けください!順番にお呼びします!」
プレッシャーで疲れた…。でも!こんなので負けてられない!
「みんな!集まって!円陣組んでスタートだよ!イッセーので!行くぞ〜!」
円陣を組んで足を一気に前に出したが美晴以外は意図を理解していなく、無の表情だった。1人で滑ったと思い、顔が真っ赤に染まった。
「ま、まあとりあえず元気にやろう!リリ、ドローンでの補助お願い!じゃあ…!……どうぞご入場ください!」
美晴がドアを開け、一気に客が店内に入って行った。




