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社会科見学

「ぴよぴよ。」

魔鳥の鳴き声で起きると、美晴は温泉に浸かったまんま寝てしまったのか、湯船の中で起きてしまった。


「…そりゃあ気持ちよかったんだし寝ちゃうよね。リリ、全部屋のライトをつけて。」

『おまかせあれ!』


ピカッ!


その瞬間、美晴の部屋も全ての部屋の明かりがついた。

「よ〜し!明日から開業だし、今日は街に降りて必要なものを買っていこう!そう言えば…この直通テレポート使って日本に帰ってみようかな…」

「帰らなくてどうするん?仕入れは日本の黒毛和牛やろ?」


そうだけど心の準備ってものがあるんだよ。

「キングは転移し慣れてるだろうけど異世界人として行くのは初めてなんだよ。もし不法侵入者って言われたらどうしよう…」

「そんなことかい?じゃあワイと一緒に転移するかい?透明化もできるんし。」


私と大統領を銃殺した時のスキルだよね。でも透明化するところ誰かに見られたりでもすれば通報されちゃう…変装してるから美晴だって分からないし…っていうかまずそもそも死んだ人が生き返んのは変だしな…


「透明化は使わない。お金…黒毛和牛買うから足りないよね…あっそうだ。このスキルいいかも。スキル《金品換算》…えっととりあえずそこの余った木材を日本円に換算して。あとそこの石材はペリルに換算。でいいかな。」

すると先まで家の隣にあったいらなくなった木材が日本円で10万円、加工して魔石になったのがペリルで30ペリルになった。


「…魔石ってこんなに高いんだ…なんでも買えるんじゃ…」

まあいい。とりあえずは街で食器を買ってそのあとこ直通テレポートでお肉と秘伝焼肉のタレの調達、ここでしか売ってない美味しいデザートも買って〜あっそうだ。時間があったら焼肉くいーんに社会科見学っと。これでいいかな。


メモを書き終え、キングに見せた。

「いいやん。じゃあ早速日本行くで。」

「あ、うん。」

そう言えばキングはどうやって転移するんだろう…?いつも突然現れるから分かんないや。


「……早く行かないん?美晴。」

「え?あ、うん。わかったけど先行かないの?」

「あ、いや……」


まあいいや。

変なの。と思いながら先にスキルを唱えて美晴は東京の誰もいない裏路地にテレポートした。

「はぁ〜。久しぶりだなぁ〜。ってなんか街がいつもよりうるさくない?」

「すまん…それ、ワイのせいや…」


え?

後ろを振り向くとキングが居た。それから、何があったか話してくれた。


「ワイはこの日本でも、リキリア王国でもない、法力というものがある世界から来たんよ。魔力のあるリキリア王国は法力に触れても多少は良かったんだが日本は違くてな。法力も魔力も持たない。それが原因やったんや。そんな中、日本での依頼が来たんや。最悪なタイミングやで。法力のせいで時空が歪みやすく、ワイが何か事件を起こしたら日本の時空は過去へと知らぬ間に戻ってしまうんや。だがあの頃のワイは仕事優先のクソやった。日本がどうなろうとどうでも良かったんやけど結果的に美晴、今日…大統領の演説なんや…仕返すか?どんな罰も受ける…」


長々と話してくれたけど要は過去に戻っちゃったってことね。仕返したい気持ちならとっくに仕返してるし。

「そんなことくだらないけど大統領の公演には行くよ!大統領を助けられるんだ!それに。今はスキルがある。大統領を射殺させるなんて程の大損害があったんだろう。犯人を突き止められるかも!」


「…それはやめた方がええで。もう一人の美晴が現れたことによって未来が変わってしまうんやで。大人しく買い物して帰るで。」

…最悪の場合私が異世界にいないことになっちゃうもんね…。諦めよう…


トボトボと美晴は商店街へと向かった。

「ねぇちゃん!元気かい?半額にしてやるからこい!」

「大丈夫です。…ありがとうございます…」


声が以前の美晴と似ていたからか、生肉屋のおじさんに絡まれた。

「お前さんもしや…時透 美晴?!次期有力大統領候補の…!」

おじさんは声を荒あげた。正体がバレると思いおじさんに内緒です、と合図して黒毛和牛を片手に逃げるように隣に駆け込んだ。それを見ていたキングは心配になり、ついていった。


「ワイが行こうか?」

「これも営業の一つ!だから大丈夫だよ。えーっとおばちゃん、この林檎一つください。それとこの焼肉のタレを1リットルください!」

八百屋の林檎を1つ手で差し出した。


おばちゃんはにこやかに微笑みながら言った。

「あいよ。1リットルね。業務にでも使うのかい?」

「まあそんなとこです。」

そんなこんなでさまざまな買い物を美晴達は済ませた。


「残り所持金は…2万円か…。焼肉くいーんの最上級コースは6734円だから足りるかな。」

美晴は学生時代に通っていた渋谷の焼肉くいーんに行った。


「こんにちは〜!二名です。」

「は〜い。」

優しい声色で…メイドカフェみたいだ…


「本日は最上級コースということなので、ご説明いたしましょうか?」

「あ、大丈夫です。」

にこやかにスタッフさんは言った。


「ニコッ…では、ごゆっくり!」

常に笑顔は絶やさない、メモメモ……


「よ〜し!食べるぞ〜!」

張り切って注文パッドを手に取りタンからカルビ、ホルモンを端から端まで頼もうとしたがパッドとキングに禁止された。


『これ以上、注文できません。』

「そんなに食うんやない。偵察に来ただけやで?目立つで。」

うっ。もう…


「二人して怒らないでよ〜!久しぶりの焼肉だもん!もちろんリリは味方してくれるよね…?……ガーン…」

美晴の視界にはリリがキングの頭に乗っているのが見えた。

「…わかったよ…帰ったらバーベキューする!追加でお肉買わなきゃ!」

「そんなに食べれねぇよ…」


と言って焼肉くいーんでの偵察はすぐに終わっていった。

「ふぅ〜!お腹いっぱい!そろそろ帰らなきゃだな〜お皿とか買う必要があるし。お腹いっぱいだからバーベキューは無しか…」

がっかりしている美晴をよそに焼肉くいーんでの情報をまとめていた分析して言った。


「美晴。初日は配達ロボットは使用してなかったけん、必要ないねん。やけど、米は大事やで。異世界には米は存在せぇへん。やから、米が必須条件や。」

……お米買うお金考えなかった……。どうしよう…。

「初日はバーベキュー屋でええんちゃうか?」

…それもいいね。


「グッドアイデア!初日は私に任せて!あんまり人来ないだろうから。お金になるもの持ってきて。今後の資金のためだからね。」

「ああ。」

と言って洞窟へ飛んで行った。

次回は1月20日です!お楽しみに!

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