表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

幽霊退治道具増産会社

作者: 平榎えい

無色透明な弾を冷凍ボックスから取り出してハノンは言った

「ついにできた、これで幽霊をロックオンだ」


ここは幽霊退治専門の武器を発明する研究所だ

未だかつて、幽霊用の銃というのは開発された試しがなかったが

ハノンはついに発明したのだ。


「おい、スティル試してきてくれないか

実験用退治リストはこれだ」

相方のスティルはぶっきらぼうに

「わかったよ」と返し研究所を後にする


午前2時、幽霊はその辺りで宴会中だ。


「あ、あいつリストに載っている奴だな」

スティルは人間の住宅に入り込もうとしている幽霊を発見した。


「体調が悪く、深夜に物音がすることに悩んでいます

幽霊が原因なら退治して欲しい。」

まあいいだろう


透明な弾を冷凍ボックスから取り出し

専用銃にセットしていく。


ブシュ!!


見事に幽霊に貫通した。


一瞬よろけた幽霊は

スティルに向かった駆け寄ってくる


はあ?!


さらに透明だった体がはっきりし

ニコニコと笑っているではないか…


「私を仲間にしてくれるのね!」


銃を構えるスティルに向かって

ニコニコで近寄ってくるので

スティルはぽかんとしてしまった。


実験は失敗だ。


それにしても良くできている

何かだ。


可愛らしい瞳で見てくるので、

スティルは仕方がなく実験サンプルとして

連れ帰ることにした。


「おい!ハノン!これはどういうことだ!」

「アハハ!実験成功だね、僕はねせっかく幽霊でいるなら

仲間にしたらどうかと思ったんだ。」


「仲間?!」

スティルは驚く

「でもね、幽霊さん、それは君が見めることだよ

君が地上に居られるのは1週間だけなんだ

まあ僕の発明が成功していればだけどね」


「僕たちと一緒に研究してその一週間を過ごしてもいいし

思い残すことがあったなら、それをやり直しに行ってもいいんだよ」


「私、やり残したことをやりたいです。」

可愛らしい幽霊はそう言って研究所を後にした。


「スティル、あの幽霊を追って観察しに行こう」


二人は可愛らしい幽霊を追っていく。


「おいー、またあの家に向かってるぜ…」

可愛らしい幽霊はその家玄関ドアの前にじっと

体育座りをしたまま何時間も座り続けている。


朝になると中から女が出てきた。


可愛いらしい幽霊は「お前なんか死んじまえ」

と言って一瞬何かが光ったかと思うと

何もなく静かに倒れて生き絶えてしまっている。


「ハノン!これ困るやつじゃねえか…」

「はは!いいんじゃない?

この世にはこういう罰を受けるべきやつもいるのさ」



可愛らしい幽霊の死因は、バイト先での暴力だった。

その会社では社員の不審死や精神病が相次いていたという。


「ありがとう、私これでもう心残りはありません」

透明になっちゃうとね、怨念みたいなのしか使えなくて

あまり効果がなかったんですよ」

そう言って、1週間立たずしてその幽霊は成仏していった。


「あはは!僕の実験は成功だ」

ハノンは冷たい目で笑っていた。


-おしまい-

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ