お姉ちゃん
こはるの部屋
コンコンコン
返事は無い…
「小春、私だよ。桜子だよ。」
〜♩
鼻歌は続いていた。
ドアノブに触れる
鍵は閉まってないようだ。
「入るね、」
ガチャ
ドアを開けると小春はベッドに座って外を見ていた。私よりずっと小さい体、
部屋に入りベッドの横に立つ
「小春?」
また声をかけると小春はこちらにゆっくり首を向けた。
久しぶりに見た小春の顔は昔と変わらなかった。
亜麻色の髪は肩で綺麗に切りそろえられている
濡れた瞳が静かに私を見つめた。
「桜ちゃん?」
小さな声が聞こえた
頷くと
小春は満面の笑みで私の服にしがみついた
「桜ちゃん!
さくらちゃんだ!
さくらちゃん来てくれたの?
私に会いに来てくれたの?
桜ちゃんおっきくなったねぇ!
あはは」
小春は無邪気に笑った。
「私もまた話せて嬉しい」
小春と話すのが久しぶりすぎて
なんだかぎこちない返しになる
「ごめんね小春
私のせいで小春が、」
小春はキョトンと首をかしげる
「なんで謝るの?
私さくらちゃんが来てくれて嬉しい!」
ニコニコの小春が
私の顔に触れる
「ふふふ
私が外に出られるようになったら
そしたらさくらちゃんの"お願い"の続きちゃんと叶えてあげるからね!」
無邪気に言う小春に
息が止まりそうになった。
「もうそれはいい!
あれはっしちゃダメなことなんだよ…
小春が反省してるってわかったらお父さんもきっと部屋から出してくれる、」
「反省?何を言ってるの?
私が何か悪いことしたっけ?、、」
小春はわかりやすくとぼけて見せた
「あの時のことだよ…」
私の答えに
小春は不機嫌な顔をした。
「うん?、さくらちゃんはっきり言いなよ?
いつもそうだよね
自分は関係ないみたいな顔しちゃって
私の事も約束も全部忘れて何年経った?楽しかった?」
小春はベットから降り私の前に立つ
どうしよう…足がすくむ
「、、、」
何にも反応しない私に苛立ち
小春は私の腕を強く掴む私はよろけてベッドに倒れた。
「私があのガキを殺し損ねた時の話だよねー!!?」
さっきまでの可愛い少女はもういなかった
小春は私に顔を近ずけ大声で叫ぶ
小春が私の肩をベッドに押し付ける
「ごめんなさい、ごめんなさい、」
謝ることしか出来ない
「さくらちゃんがお願いしたんだよね〜?」
小春はまたさっきとは別人のような優しい声で言った。
「、ごめんなさい、ごめん、」
顔を覆って泣いた。
「はぁ、?
ゴメンじゃないでしょ」
小春が私の髪を引っ張る
「私が言いました、!消えて欲しいって言いました!小春にお願いしました、ごめんなさいごめんなさい、!!」
私の答えに
小春はまた笑顔になり、髪を掴む手を緩めた。
、怖い、
「そうだよね〜?
ほんとに桜ちゃんは私がいないとダメなんだから」
そういうと小春は私を抱きしめて頭を撫でた
10分ぐらいそうしてただろうか
私が泣き止むと私の手を引っ張って立たせ
部屋の外に出した
「ほらお父さんにバレちゃうから今日は自分部屋に戻ってね」
「またおいでね桜ちゃん」
そう言ってニコッと笑うと小春は扉を閉めた。
私は閉められたドアの前でよろよろと膝を着いた。
会って話をすれば何か解決する気がしていた自分の甘さにまた涙が出そうになった。
あの事件があった日から
小春が悪いんだと自分に言い聞かせて、全部無視してきた…
私のせいだ
部屋に戻る気にもならない
またよろよろ上がり
階段を降りて
玄関から外に出た。
読んでくれてありがとうございます。
こはるちゃん〜思ってたより情緒不安定になっちゃった
続きも待っててくれると嬉しいです、