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⤬I証明⤬  作者: 向日葵
6/7

夕食

ただいま



「ただいま」


聞き慣れた低い声が響いた。


「おかえりお父さん

さっき人が来てたよ白銀さん。

先週引っ越してきたんだって」



写真のこと言うべきかな、



「あぁ、桜子が応対してくれたんだね。

ありがとう」


父はあまり私と目を合わせない

表情は乏しいが低い声は優しい優しく響いた。



「優しそうな男の人だったよ」


話しながら料理を丁寧に盛り付けていく。

私の父は行儀と礼儀厳しい。

特に食事には厳しいので緊張してしまう。


でも小春が一緒に食卓を囲まなくなってからは丸くなった気がする。


盛り付けた皿を机に

並べていく。



「今日は魚か。」



「隣の幸子おばさんが分けてくれたの」



「桜子の日頃の行いが良かったからかな」


父さんは穏やかに言った。



お父さんとしっかり話したい。

ずっと忘れた振りをしてきたけどしっかり向き合うときが来たんだ。


しっかり息を吸い出来るだけ平静を保って言う。




「小春の事なんだけど」




食器を持つ父の手が止まった。



「その話はしない約束だ。」




冷たい空気が流れた。

お父さんがじっと私の目を見る。

私は居心地が悪くなって目を逸らした。


「桜子おいで

桜子は何もしなくていい

お前は悪くない」



お父さんが優しく私の頭を撫でる。


まただ、

お前は悪くない。

この言葉は私を苛める。

罪悪感でいっぱいになって心が重くなる。

そして何もしたく無くなる。


お父さんが好きだ。

私たちは仲のいい家族だ。

でもそれは幻想だったのかもしれない。

私はもう何も信用出来ない。




「ごめんなさいお父さん」



私の言葉を聞いて

お父さんは静かに私の頭から手を離した。



「今日はもう寝なさい」


父はご飯をかき込むと食器を流しに置きながら言った。



「私は少し用事があるから外に行ってくるよ。すぐ戻ってくる」



こんな時間に?

でもお父さんが居ないうちに小春の部屋に行けるかも



「もう暗いから気をつけてね。」


「あぁおやすみ」


そう言って私の髪を撫で

お父さんは家を出た。


ガチャ


お父さんが出ていくのをしっかり見送る


今だ





階段を登り2階に上がる。

2階は普段生活する時に上がる事は無いので変な気分だ。


2階廊下の突き当たり

1番奥の部屋が小春の部屋。


歩くと地面がミシっと音をたてた。


2階は1回よりも肌寒くより心細く感じさせる。


小春の部屋の前に立つ

ドアにはこはるの部屋と可愛い文字で書かれていた。



〜〜♩〜♩




部屋の奥から機嫌のいい鼻歌が聞こえる。



小春だ。


何年ぶりだろう。

どんな顔をしたらいいか分からない、

でも会えばわかる気がする。

手が震える。深呼吸してノックをした。


コンコンコン

読んでくれてありがとうございます。

キャラの見た目に関する描写ってもっと必要ですかね、

時間があったらキャラの絵も書いてみようと思います。

続きも待っててくれると嬉しいです。

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