表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あのさあ 2

作者: 山田マイク


 あのさあ。


 さすがにそれはないでしょ。

 それは嘘だよ。

 バレバレだよ。

 だってそれ、はあ、あり得ないもん。

 あり得なさすぎるもん。

 いやね。

 分かるよ。 

 あなたの言い分は分かる。

 俺は本当のことを言ってるだけ。

 合理的に正しいことを、事実を事実として提示してるだけ。

 そう言いたいんでしょ?

 けどね。

 僕はアナタと違ってすぐに怒っちゃうんです。

 ちょっとしたことでムカつくし、ちょっとしたことでイライラしちゃうの。

 おじさんなの。

 更年期のおじさんなのよ。

 あなたみたいにただ物事を機械的に解決して、はいそれで終わりってわけにはいかないわけ。

 ていうかさ。

 ぶっちゃけさ。

 僕、ぶっちゃけ、あなたのこと、疑ってるんだけど。

 ときどき嘘吐いてるんじゃないかって、怪しんでるんだけど。

 いや、もちろん、基本的には信じてるよ?

 そんなわけない。

 あなたが嘘なんて吐くわけない。

 そう信じてる。

 ……けどね。

 さすがに今のは無いわ。

 それはさすがにおかしい。

 おかしすぎるもん。

 明らかに変だもん。

 そんなわけないもん。

 あのね。

 僕ね。

 僕だってね。

 そんな馬鹿じゃないから。

 そんなにお人好しじゃないから。

 あなたが嘘吐いてたら気付くこともあるから。

 ああいいから。

 そういうのいいから。

 そういうのいらないから。

 そういう正論(マジレス)を振り翳すのやめて。

 分かってるから。

 あなたの方が正論だって、そんなことは頭では分かってるから。

 けどね。

 これはね。

 そういう問題じゃないの。

 僕はね。

 正直に言ってくれたら、それでいいの。

 それで許してあげる。

 だから白状して。

 嘘吐いてましたって。

 本当は。

 真実は。

 事実は、違うんですって。

 そう正直に言ってくれたらそれで許してあげる。

 だから本当のことを言って。

 お願いだからそう言って。

 言ってくれなきゃ僕、報われない。

 めちゃくちゃ頑張ってる僕が可哀想。

 そうでしょ?

 僕、すごい頑張ってるもん。

 毎日毎日会社で上司にドヤされてさ。

 友達に自慢されてさ。

 親には結婚はどうだ昇進はどうだと急かされてさ。

 そんなストレスばっかなのに、アナタのためにめちゃくちゃ努力してるの。

 その仕打ちがこれ?

 あなたの答えがこれなわけ?

 そんなわけないでしょ。

 僕がどれだけ我慢してると思ってんの。

 いい加減にしてください。

 大概にしてください。

 いい?

 次が最後よ。

 僕、警告したよ。

 本当のことを言うんだぞ。

 本当の数字を出すんだぞ。

 今度ふざけた数字を出したらアカウント消すから。

 コード引っこ抜いてパソコンごと窓から放り投げるから。

 分かったね?

 正真正銘、最後のチャンスだからね?


 僕はそう言うと。

 もう一度、3年連載させて完結させたなろう小説のアクセス解析ページをリロードさせた。

  


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 電気ドジョウ?
リアル過ぎてツラい (´;ω;`)
わかりみが深すぎます(TдT)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ