あのさあ 2
あのさあ。
さすがにそれはないでしょ。
それは嘘だよ。
バレバレだよ。
だってそれ、はあ、あり得ないもん。
あり得なさすぎるもん。
いやね。
分かるよ。
あなたの言い分は分かる。
俺は本当のことを言ってるだけ。
合理的に正しいことを、事実を事実として提示してるだけ。
そう言いたいんでしょ?
けどね。
僕はアナタと違ってすぐに怒っちゃうんです。
ちょっとしたことでムカつくし、ちょっとしたことでイライラしちゃうの。
おじさんなの。
更年期のおじさんなのよ。
あなたみたいにただ物事を機械的に解決して、はいそれで終わりってわけにはいかないわけ。
ていうかさ。
ぶっちゃけさ。
僕、ぶっちゃけ、あなたのこと、疑ってるんだけど。
ときどき嘘吐いてるんじゃないかって、怪しんでるんだけど。
いや、もちろん、基本的には信じてるよ?
そんなわけない。
あなたが嘘なんて吐くわけない。
そう信じてる。
……けどね。
さすがに今のは無いわ。
それはさすがにおかしい。
おかしすぎるもん。
明らかに変だもん。
そんなわけないもん。
あのね。
僕ね。
僕だってね。
そんな馬鹿じゃないから。
そんなにお人好しじゃないから。
あなたが嘘吐いてたら気付くこともあるから。
ああいいから。
そういうのいいから。
そういうのいらないから。
そういう正論を振り翳すのやめて。
分かってるから。
あなたの方が正論だって、そんなことは頭では分かってるから。
けどね。
これはね。
そういう問題じゃないの。
僕はね。
正直に言ってくれたら、それでいいの。
それで許してあげる。
だから白状して。
嘘吐いてましたって。
本当は。
真実は。
事実は、違うんですって。
そう正直に言ってくれたらそれで許してあげる。
だから本当のことを言って。
お願いだからそう言って。
言ってくれなきゃ僕、報われない。
めちゃくちゃ頑張ってる僕が可哀想。
そうでしょ?
僕、すごい頑張ってるもん。
毎日毎日会社で上司にドヤされてさ。
友達に自慢されてさ。
親には結婚はどうだ昇進はどうだと急かされてさ。
そんなストレスばっかなのに、アナタのためにめちゃくちゃ努力してるの。
その仕打ちがこれ?
あなたの答えがこれなわけ?
そんなわけないでしょ。
僕がどれだけ我慢してると思ってんの。
いい加減にしてください。
大概にしてください。
いい?
次が最後よ。
僕、警告したよ。
本当のことを言うんだぞ。
本当の数字を出すんだぞ。
今度ふざけた数字を出したらアカウント消すから。
コード引っこ抜いてパソコンごと窓から放り投げるから。
分かったね?
正真正銘、最後のチャンスだからね?
僕はそう言うと。
もう一度、3年連載させて完結させたなろう小説のアクセス解析ページをリロードさせた。