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桃色ほっぺ  作者: 柚留
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「いってきまーす!!」「はぁぃ。きをつけるのょぉ」


入学式から1ヶ月。

桜の白い花びらも散り、いつの間に顔を出したのか、緑の若葉が涼しげな木陰を作っている。

空は青く澄み渡り、ぽこぽことした綿菓子のような雲も、町を照らす陽気も、

お隣んちの犬のぽんたも(♀のくせに何故かぽんた。年齢不詳でけっこー婆ちゃん)いつもよりご機嫌にみえた。

絶好の遠足日和である。今日は待ちに待った遠足の日。

桃太は無類のイベント好きである。気分はもちろんサイコーだ。

もっとも、高校生にもなって遠足ごときで、夜も眠れないほど喜ぶなど、かっこわるいので口には出さない。でも口元がニヤけてしまいそうだ。ヤバイヤバイ、気をつけないと。ただでさえ変人だと思われているのに、また女子から気持ち悪がられてしまう。


ぽんたが僕を嬉しそうに見上げる。これが、もうちょっと若くて、んでもって人間だったらさぞ嬉しかったのに…こんなちょっと潤んだ瞳で、上目遣いで、僕だけを見つめて、「桃太…撫でて…??」なんて言われたら、そのあとは…



「わん!」

「ゎぁ!!」

危ない。本物の変態になるところだった。しかし、犬相手に妄想が爆発するなど(しかも何度も言うが婆ちゃんでぁる)人として自信をなくしてしまう…

僕の妄想を知ってか知らずか、すこしぽんたは不機嫌そうだ。

へそを曲げられてもちょっぴり寂しいので、くぃくぃっと頭を撫でてやると、目を閉じて気持ちよさそうに桃太の手を受け入れた。

「いってきます。」

小さくぽんたにも挨拶して、学校へと駆け出した。



本当にきょうはいい天気だ。
















そして

この日が

ちっぽけな僕の人生の中で

とてもとても大切で、不思議で、印象深くて









…キラキラした素敵な日になったんだ。



まだまだ続きます!!


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