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File:003 FINAL FANTASY Ⅴ






 今回は1992年12月にスクウェアから発売された、

スーパーファミコン用ソフトである、

『ファイナルファンタジー5』について語ります。


 『ファイナルファンタジー』シリーズは、ゲームとは全く縁のない

ような生活を送っている人でも、一度は聞いたことがあるくらいに

有名なタイトルで、RPGというジャンルにおいて金字塔の一つと

言っても差し支えない作品でしょう。


 私がプレイしたことがあるナンバリングは、現時点で

4、5、6、7、8の五つ。

 いずれもクリアまで到達しましたが、その中で複数回

プレイしたことがある作品は、5と8の二つだけです。




 ■このゲームに対する、作者の個人的な評価


 難易度(バトル):B or D(設定により変化)

 難易度(その他):D


 面白さ(バトル):A

 面白さ(その他):B


 スピード感(バトル):B

 スピード感(その他):C


 多様性(バトル):B

 多様性(その他):C




 バトルの難易度を大きく左右するのが、コンフィグで

変更可能な『アクティブ』と『ウェイト』モードの切り替えです。


 『アクティブ』は常に時間が流れるリアルタイム方式で、

『ウェイト』はアイテムや魔法のコマンドを開いている時や、

対象を選択する場面で時間が止まるため、焦らずに

バトルを進めることがモードです。


 ただし、アクティブモードにしている場合でも、スタート

ボタンを押せば、いつでも時間を停止することができるため、

この機能を駆使できるのであれば、どちらのモードにしても

難易度にそれ程の差はありません。


 難易度(バトル)で示した『B or D』の『B』の

評価は、バトルモードがアクティブに設定されており、

なおかつ基本的には戦闘中、スタートボタンによる

停止を行わない、という前提の上でプレイする際のもので、

『D』の評価は、バトルモードをウェイトに設定している

状態でプレイする際のものとなっています。




 後で詳しく説明するつもりですが、特に注目してほしいのが

バトルに関する『多様性』と『面白さ』が両立している点です。

 RPGにおいて、この点がどれほど重要であるかは、

実際にそういった系統のゲームをいくつかプレイしたことがある

人であれば、十分に理解できていることかと思います。




 ①ジョブとアビリティ


 この作品の特徴の一つにあたるのが、『ジョブ』と『アビリティ』

システムで、主人公とその仲間たちは、一度手に入れた

ジョブであれば、いつでもそのジョブのいずれかに

変更することが可能になっています。


 そして、経験値とは別に入るABP(アビリティ・ポイント)

というものを貯めることにより、そのジョブ特有のものである

アビリティを覚えていきます。


 このジョブとアビリティによる組み合わせによって、

戦闘におけるキャラクターの性能や、戦術が変化していく。

このシステムが、非常に気に入っています。


 似たようなシステムを持つゲームは他にも沢山ありますが、

この作品ほどシンプルでありながら多様性に富み、なおかつ

『ベストな組み合わせ』が幾通りもあるように感じるものは

なかなか無いような気がします。


 数ある選択肢の中から『正解』を探さないと、なかなか

先に進めない、ボスが倒せないといった事態は起こりにくく、

『自分なりのやり方』を突き通す方法が多く存在し、

自由度の高さと、面白さが見事に両立している。

 そんな印象を受けます。



 

 ②グラフィックと演出


 ファイナルファンタジーシリーズは、ドラマチックな演出や

展開が多く、映画の中に入り込んでいるような感覚を

味わえることが魅力の一つです。


 飛躍的な進歩を続けるグラフィックの鮮明さや

ムービーの躍動感などは、その魅力を底上げし、

ナンバリングが進むごとに、そういった面の強化は

されていっているといっていいでしょう。


 しかしながら、この作品においてはまだ

スーパーファミコンの時代のため、そういった面は

お世辞にも素晴らしいとは言えません。

いわゆる、『ドット絵』が主流の時代ですから。


 とはいえ、そういったものには、最先端の技術を

駆使して作られたようなものとは違う、

また別の魅力があります。


 リアリティが低いからこそ醸し出せる雰囲気には、

人の想像力を刺激し、『これは、こんな感じなのかな?』

と考える面白さがあるように思えます。


 人間は、真っ白な紙にまだ見ぬ未来、世界を

描き出すことができるし、目を見るだけで、その人の想いや

感情を読み取ることができる生き物です。

 だからこそ、『空白』や『余白』に、そして『無駄なこと』に

色んな意味を見出すことができ、それを楽しむこともできる。

 これは本当に、凄い能力だと思います。




 ③ストーリーとキャラクター その1


 主人公は、あてのない旅を続けていた青年で、

物語が始まった時点では、これといった目的や使命は

まだ持っていません。 ファイナルファンタジーシリーズでは、

こういった主人公は珍しいのではないのでしょうか。


 また、この作品に見られる特徴として、メイン

キャラクターや仲間同士における、いわゆる『恋愛』の

要素がほとんど感じられないことが挙げられます。


 上記の2つの要素もあってのことなんでしょうが、

シリーズの他の作品と比較すると、この作品からは

『冒険』という言葉が非常に似合う、

そんな雰囲気が感じられます。


 オープニングムービーの、主人公がチョコボに乗って

青空の下、見渡す限りの草原を駆け抜ける、

あの疾走感というか、解放感というか。

 そういったものが、ゲーム全体、物語全体の

雰囲気にも色濃く反映されているような気がします。


 シリーズの他の作品の主人公たちを思い返すと、

やはりこの作品の主人公と比べると、何かに縛られ、

戸惑いや不安、危うさのようなものが感じられる

キャラクターが多いように思えます。


 勿論それは、どちらが良いとか悪いとか、一概に

そんなことは決められないし、決める必要も

ないことかと思います。

 何が好きで何が嫌いかなんて、その人の性格や

今置かれている状況、時代の移り変わり、

その時の気分などで、いくらでも変わっていくものです。


 大事なことは、自分の素直な気持ちを感じ取り、

それがどんなものであれ、とりあえずはそれを受け止め、

受け入れようと試みることだと思います。

 その後で、それを肯定するなり、否定するなり、

改善していくなり…その人の好きなようにしていけば

いいのかな、という気がします。




 ③ストーリーとキャラクター その2


 物語の主軸となる、クリスタルに選ばれた『光の四戦士』

であるキャラクター達は、序盤の内に出会い、

以降は基本、その四人によるパーティーで行動します。


 考えてみると、この点もシリーズの他の作品とは

大きく異なる部分ですね。

 一番最初にプレイしたのがこの作品ということもあってか、

他のナンバリングは、どれだけ魅力的なキャラ、魅力的な

ストーリーがあったとしても、この作品と比較すると、どこか

『ゴチャゴチャしている』といった印象があるような気もします。


 さて、主軸となるその四人についてですが、彼らには

それぞれ、『どのクリスタルに選ばれたか』による

特性のようなものが存在します。


 炎のクリスタルに選ばれたファリスには『勇気』。

 水のクリスタルに選ばれたレナには『いたわり』。

 土のクリスタルに選ばれたガラフには『希望』。

 そして、風のクリスタルに選ばれたバッツには『探求』。


 こういった、『そのキャラを一言で表す言葉』が

はっきりと示されると、キャラクター像がより一層固まり、

印象に残りやすくなるように思えます。


 ただ個人的な感想としては、ファリスの『勇気』だけが

ゲーム内ではっきりと示された場面がないような

気もしますが……まあ逆に言えば、それだけ他の三人の

特性については、ゲーム内でしっかりと提示されている

ということにもなります。


 特にガラフの『希望』については、物語終盤の

重要な場面で、はっきりと示されることになるのですが…

そこは、私がこの作品の中でもっとも印象に残っている、

非常に思い出深い場面でして、

幾度見返しても、込み上げるものがあります。




 思った以上に長くなってしまったので、今回はこの辺で

一区切りし、続きはまた別の機会に語ろうかと思います。


 よろしければ、この作品についての皆さんの評価や

感想もぜひ、聞かせてください。

 それでは、またの機会に。






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