File:011 ”名言”や”迷言”印象に残った台詞たち part2
①『任務の遂行』と『個人の尊重』
”ただの合図だと思えばいい。 俺たちに
行動を起こさせるサインだ。”
【ファイナルファンタジー 8】におけるスコールの台詞で、
とある任務の最中、標的に対する発砲をためらう
狙撃手(アーヴァイン)に対して放ったものです。
アーヴァインは狙撃手として一流の腕を持っていましたが、
今回の任務においては私情も重なり、いざその時を
迎えたとき、精神の不安定さはピークを迎えていました。
失敗を恐れる気持ちと同時に、標的を仕留めることに
成功した場合、そのことが世界に与える影響などを考えると、
どうしても引き金を引くことができない…。
そんな彼の心情を聞いたスコールが放ったのが、
冒頭の台詞です。
プロの傭兵として、与えられた任務を遂行していく上で
必要な発言であると同時に、アーヴァイン個人に対し、
その後の『結果』に責任を感じて欲しくないという
いたわりの気持ちも混ざった、とても印象深い台詞。
この時点でのスコールはまだ未熟で、冷静ではあるが、
無愛想で人間味に欠ける――といった印象を抱いていた
人も多いようですが……このシーンを見る限り、彼のリーダー
としての素質は、もう既に備わっていたように思います。
実際、ここでのやり取りを機に、アーヴァインは
スコールに対し、全幅の信頼を置くようになります。
②『捻り』のある照れ隠し
”怪我人や病人を無視することはできない。
医者の責務……いや、習性か…”
【バイオハザード アウトブレイク】におけるジョージの
台詞で、ゲーム冒頭での”異変”が起きた直後の
バーの店内において放ったものです。
『責務』ではなく『習性』であるということは、要するに
”しなければいけない”と思ってやっていることではなく、
”勝手にやってしまう”ということなのでしょう。
腕利きのガンマンが、自分を狙う敵の気配を
察知すると同時に、即座に引き金を引いてしまう
ようなものと同じで、『行動』というよりは『反応』
に近いものである――と言いたいわけです。
他にも様々な解釈ができるのかもしれませんが、
私が思うにこれは、ジョージの根底にある
謙虚な姿勢を表したもののように感じます。
”勝手にやってしまうわけだから、別に褒められるような
ことではない。”という彼の意思表示の現れなわけです。
こういった『照れ隠し』をちょっと捻ったような言動で
表すことが、なんだかお洒落…? と言えばいいのか、
とにかくまぁ、個人的に好きなんですよね。
③性別に込められた、『愛着』の念
”ちょ…ちょっと待ちなさいよ! あ…あんた、
女を斬る気なの…”
【ドラゴンクエスト 7】におけるマリベルの台詞で、
元は人間であったものの、今は怪物の姿をしている
とある女性に、一人の戦士がとどめを刺そうとした
場面において放ったものです。
彼女は、単に姿かたちが怪物であるというだけでなく、
その邪悪な力を使い、沢山の人を苦しめてきました。
そして、詳しい説明は省きますが…彼女の命を
断つことにより、多くの人々が『封印』から
解き放たれ――とある村が救われるといった状況
であることも、加味しなければなりません。
主人公やマリベル達だけでなく、とどめを刺そうと
している戦士、そして怪物と化した女性――マチルダ
本人もまた、前文にある状況を理解しています。
この状況においては、彼女の命を奪い、村を救うことが
最良の選択である――と、大抵の人が思うでしょう。
実際、私もそう思います。 何しろ、犠牲となる
”彼女自身”が、それを強く望んでいるのですから…。
そんな中において、マリベルは冒頭の台詞を放ち、
戦士の行いを止めようとしたわけです。
台詞の内容を見てもわかるように、理屈や理論に
基づいたものというよりは、完全に”感情”を剥き出しに
して放った言葉のように思えます。
そして、台詞の中にある『女』の部分には、マリベルの
マチルダに対する、”愛着”の念を私は感じました。
マリベルは分かりやすいぐらいに自己愛が強い、いわゆる
『ナルシスト』の傾向が強く見られるキャラクターです。
そして、自分が女性であることにも強い優越感を
持っていることが、言葉の節々から感じられます。
つまり彼女にとって、他人を『女らしい』と評価することは、
それだけその人物に、尊敬や愛着の念を感じている
"賛辞の言葉"なのでは――という予想が付くわけです。
こうした部分を総じて見てみると、冒頭の台詞の
『女』の部分には、単に性別を表したものだけではない、
マリベルの奥底にある、マチルダへの様々な感情が
出ているような気がしてならないのです。




