File:010 FINAL FANTASY Ⅴ part2
今回は、以前に紹介した『ファイナルファンタジー5』の
評価と感想の、続編部分となります。
まだ読んでいない方は、【File:003】にpart1の
ものがありますので、そちらの方も読んで頂けると幸いです。
①敵の『性質』を見抜け!
”彼を知り己を知れば、百戦殆うからず”
中国の孫子が遺した兵法書の、有名な一節ですが、
要するに敵の能力と、(味方を含めた)自分の能力を
把握しておくことが、戦闘においていかに重要であるかを
端的に指し示した文言といえます。
これは『戦闘』の要素がある、あらゆるゲームに当てはまる
ものと言えますが、中でも【ファイナルファンタジー】シリーズは、
そういった部分が色濃く存在しているように思えます。
まず、特にRPGにおいては広く普及している『属性』という概念。
代表的なものは、本作の世界観とも大きく関わりのある
火や水、土や風、あとは雷や光、闇に etc…といったところでしょうか。
敵によって得意な属性、苦手な属性というものが存在し、
例えば植物系のモンスターであれば火に弱く、機械系の
モンスターであれば雷に弱い。 …などが挙げられます。
この『弱点』を把握し、そこを意識して攻めることは
本作において非常に重要な部分で、それまで倒せる
ような気配がまるでなかったような相手でも、『弱点』の
一つを見つけ出したことで、あっさりと勝ててしまったりもします。
これは勿論、現実の世界においても十分に当てはまる
ことで……例えば、バスケットでは超一流の腕を持つ
人間を相手にするとなった場合でも、サッカーで戦えば案外、
あっさりと勝てたりすることもあるでしょう。
”競う”ことに意識を捉われ過ぎるがために、自らの
”持ち味を生かす”ことを忘れてしまうことは、日常の生活
においてもよくある話です。
人生というものは、言ってしまえば『自分』というものを
どれだけ活かし、どれだけコントロールするかにかかっています。
視野を広く持ち、『総力戦』を覚悟することによって、
これまで見えてこなかったものに気付くこともあるでしょう。
②人外のもの達との共闘、『召喚』魔法の魅力
【ファイナルファンタジー】の代名詞の1つといっても
過言ではないのが、主人公たちに従属する精霊や魔物
たちを呼び出して戦ってもらう、『召喚魔法』。
バハムートやリヴァイアサン、オーディンといった、神話に
登場するキャラクターをモデルにしたものも多く、
その風格と迫力には、多分に魅せられるものがあります。
特に本作においては、『召喚される側』の方にも
何かしらのエピソードが織り込まれいる印象が強く…中でも
本作オリジナルのキャラである『シルドラ』が召喚可能
になるイベントは、今も心に強く残っています。
ちなみに、ご存じの方もいるかもしれませんが、バハムートに
『ドラゴン』のイメージを定着させたのは、本作を含めた
【ファイナルファンタジー】シリーズが発祥と云われています。
私がこれに気付いたきっかけは、リヴァイアサンやオーディン
などといった他のキャラクターは別の作品でも登場するのに、
『バハムート』だけが何故か全く登場していない…。
そんな気が、最初はなんとなく感じていただけなのですが、
次第にはっきりと、疑問に思うようになってきたからです。
そして調べていく内に、神話に登場するバハムートという
キャラクターには本来、『ドラゴン』という設定はないのだと
いうことを知ったのです。
このように、創作物の中には、本来の『元ネタ』には
まるで存在しなかったようなイメージを定着させてしまった
ものも、少なくありません。
『スライム』と聞けば、【ドラゴンクエスト】シリーズの
”あの”形状と顔のものをまず連想してしまう人も多いでしょう。
こうした『誤認』に気付くこともまた、面白さの一つです。
ファンタジーの世界で生まれたものが、更に別のファンタジー
の中で、また違った表情を見せる――こうした”創造の連鎖”
は無数に存在し、この先もまた、連なり合っていくことでしょう。
③古代の遺産、伝説の『12の武器』
物語の終盤、主人公たちは強大な敵と相対することとなり、
遥か昔に世界を脅かした邪悪な存在――『エヌオー』を
倒すため、かつての勇者たちが使ったと云われる、伝説の
『12の武器』を求めるよう、指示されます。
強力な武器や防具、個性的なアイテムなどもまた、
RPGの魅力に繋がる重要な要素ですが、本作においては
『主役級』の武器が一気に12個も登場するため、
とても印象に残っています。
こうしたものは、ただ単に『性能が凄い』というだけでは
あまり印象に残らないこともあり……『それ』をどのような経緯で
入手できるのか、『それ』にどのようなエピソードが含まれているか、
などといったことも重要です。
性能の上では明らかに劣るのに、『思い入れ』の強さから
そうした武器や防具をついつい装備してしまうといった人も、
少なくないことでしょう。
例えば、誰か他のキャラクターの形見であったり、何かを
達成した際に貰える”記念品”的なものであったり…
そういった『特別感』が人の心にもたらす影響は、
決して小さくありません。
今も昔も、”限定品”に弱いのは、人の性です。
お店でいくつも買えるような最強の武器よりも、イベントで
一つしか手に入らないような、特殊な武器の方に魅力を
感じてしまうのは、至極当然のことなのかもしれません。
さて、本題の12の武器についてに戻りますが――剣や槍、
斧や杖などの、いわゆるファンタジーの世界ではお馴染み
ともいえるものから、鞭やベル、竪琴などといった、
豊富なラインナップが揃っています。
その中でも有名なものは、やはり、シリーズを通して
幾度となく登場する、『エクスカリバー』や『正宗』
などの武器でしょうか。
本作においても、これらの武器は、その知名度に恥じない
高い性能を有しています。
逆に、『伝説の武器』というにはどうも…といったものも
少なからず存在していることも、また事実となりますが――
そこは、敢えてこの場で追求することもないでしょう。
私個人としては、その事実に気付いてもなお、
『伝説の武器』というブランドによってのものなのか、
それらの武器に、それほど冷ややかな反応はありません。
こんな風に、それにまつわる”イメージ”が性能をカバー
してくれていることも、そう珍しくない話に思えます。
人の価値観、何かに対する印象というものは、
それくらい実にいい加減で……だからこそ、面白い
のかもしれません。




