5.なろうエッセイ・批判系エッセイ(過去作は検索除外しているのでこちらから)
コオロギ食という名の「新しい陰謀論」に、いろいろ言いたくなったので書きました。
最近ツイッターで、コオロギ食について、相当に偏った批判?が横行しています。
まあ、昆虫食に生理的な嫌悪感を抱くのはわかります。嫌なら嫌で良いと、結構正直に思います。
……ただ、「内閣府が危険性を指摘した」だの「利権」だの、正直無茶苦茶としか思えないような「批判」がまかり通ってるように感じてしまいまして。本当にね、それはどうかと思うのです。
で、その中でも特に「内閣府が危険性を指摘した」という批判、具体的には内閣府の食品安全関係情報データベースに登録された「EUのヨーロッパイエコオロギのリスクプロファイルの概要文」の参照のされかたが酷いと感じまして。アレです。以下の4項目の危険があると拡散されてる奴です。
(1)総計して、好気性細菌数が高い。
(2)加熱処理後も芽胞形成菌の生存が確認される。
(3)昆虫及び昆虫由来製品のアレルギー源性の問題がある。
(4)重金属類(カドミウム等)が生物濃縮される問題がある。
ホント、原文を読んだら、その無茶苦茶な批判に腹が立ってしまいまして。
なのでちょっと、その「Novel foods: a risk profile for the house cricket (Acheta domesticus)」の「はじめに」と「結論」をgoogle翻訳にかけたものを、以下に引用してみます。
新しい食品:ヨーロッパイエコオロギ (Acheta Domesticus)のリスクプロファイル
Novel foods: a risk profile for the house cricket (Acheta domesticus)
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1.はじめに
昆虫は、多くのコミュニティの食事の重要な部分を占めており、アフリカ、南アメリカ、アジア、オセアニアのいくつかの国で消費されています。しかし、西側の市場では、昆虫の消費 (昆虫食) は文化的にも社会的にもまだ受け入れられていません (House, 2016)。昆虫の生物多様性は膨大で、260 万から 780 万種に及ぶと推定されています (Stork et al., 2015)。
(……中略……)
栄養の観点から、昆虫は興味深い栄養プロファイルを持ち、ビタミン、ミネラル、動物由来のタンパク質の重要な供給源を提供します (Wang et al., 2004)。また、豚や牛と比較して、生産される食品 1 kg あたりの飼料の必要量が少なく、相対成長率が高く、温室効果ガス (GHG) の排出量が少ない (Oonincx et al., 2010; Oonincx and de Boer, 2012)。Acheta Domesticus は 1 kg の食物を生産するのに 1.7 kg の乾燥飼料を必要とするが、家禽、豚、牛ではそれぞれ 2、3.8、7 kg 必要である (Paoletti, 2005)。 食糧農業機関 (FAO) の予測によると、予想される需要を満たすには、世界の農業生産の 70% の増加が必要になります。 その効率を考慮すると、食用昆虫は、特に動物性タンパク質の重要な供給源として、この増加する需要を満たすために重要な役割を果たす可能性があります (FAO – ハイレベル専門家フォーラム、2009)。
一部の国では、昆虫の消費は、産業が十分に安定した一般的な慣行となっています。一例として、タイはコオロギ飼育に関する最初の適正農業規範 (GAP) を発表しました (ACFS、2017 年)。 ヨーロッパの規制とガイドラインによると、昆虫は家畜と見なされるべきです。 したがって、豚、牛、家禽などの他の畜産業に対してすでに実施されている適正農業慣行(GFP)を適用する必要があります。 このシナリオにもかかわらず、昆虫飼育の特殊性のために、これらの農業慣行は修正され、適応されるべきです。
2018 年 1 月に施行された新規食品規則 (EU) 2283/2015 により、昆虫および昆虫由来製品は新規食品と見なされ、新規食品承認手続きの対象となります。 昆虫の消費に関連する一般的な健康リスクは、いくつかの公開されたリスクプロファイルと科学的意見ですでに取り組まれています (FAO、2013; EFSA 科学委員会、2015; Finke et al., 2015; Schafer et al., 2016)。 しかし、昆虫の世界は非常に多様であるため、特にヨーロッパの消費者に関連する昆虫種をターゲットにする必要があります。したがって、管理された条件で飼育された A.domesticus の消費に関する特定のリスクプロファイルが開発されました (Fernandez-Cassi et al.、提出済み)。
――本文省略――
5.結論
入手可能な科学的データによると、ウイルス、プリオン、菌類、寄生虫は低リスクの危険と見なされるべきです。 高い微生物負荷、胞子形成細菌と熱処理後の再増殖、重金属の生体内蓄積 (特別なカドミウム)、およびコオロギのアレルギー誘発性は、中程度の危険と見なされます。特定されたデータのギャップをカバーするために、人間が消費することを目的とした食品としてのコオロギの安全性を評価するには、さらなる研究が必要です (例: マイコトキシン、または市販されている食用コオロギに含まれる重金属やダイオキシンなどの化合物)。
食品としてのコオロギは、他の食品と比較して高い微生物負荷を示します。したがって、コオロギを含む昆虫の特定の衛生および安全基準値を作成する必要があります。
L. monocytogenes や Salmonella spp. などの一般的に検出される食品由来の病原性細菌は、人間が消費することを目的としたコオロギで報告されたことがないか、ほとんど報告されていません。それでも、HTS 技術の使用により、コオロギの微生物叢の説明が可能になり、分類学的にクロストリジウム属、リステリア属、バチルス種に分類される食品由来の病原体を含む配列が検出されました。
ブランチング、ボイル、フライなどの熱処理は、食用昆虫の微生物量を減らすことができます。コオロギまたはコオロギ由来製品の必須の熱処理は、製品を市場に出す前に実装する必要があります。さらに、衛生基準と食品安全基準の両方に準拠した微生物負荷を確保するために、消費前に煮沸することをお勧めします。しかし、そのような処理は、バチルス属およびクロストリジウム属の胞子を殺すのに十分ではないかもしれません。
重金属は、コオロギが飼育段階でこれらにさらされると、推定される化学的危険として特定されています。重金属の中で、カドミウムの生物蓄積が主要な懸念事項として特定されています。アルミニウム、クロム、ヒ素などの他の重金属に関する入手可能な情報は少なく、より多くのデータが必要です。
コオロギは、敏感な消費者(エビ、カニ、ロブスターなど)のアレルギー反応を引き起こす可能性があります。(……中略……)安全上の理由から、コオロギおよびコオロギ由来の食品にはラベルを付けて、影響を受けやすい消費者の意識を高める必要があります。
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と、以上が、コオロギ食に反対する人が「内閣府がコオロギの注意喚起をしている」と言いながら拡散しているスクショの元文書、2018年に公開された「新しい食品:ヨーロッパイエコオロギ (Acheta Domesticus)のリスクプロファイル」の「はじめに」と「結論」をGoogle翻訳にかけたものです。
――これ、本当に「内閣府がコオロギの注意喚起をするために掲載した文書」だと思いますか? 私には、とてもそうは見えません。
私は、この文書は、EUが「昆虫食、コオロギ食」という新しい文化に対応するために、その危険性を分析、評価したものだと思います。そしてその目的は、消費者に危険性を周知徹底して危険なコオロギ食から消費者を守るためではなく、業者がより安全にコオロギ食を消費者に提供できるようにするための方策なりルールなりを策定する、そのための危険性の研究じゃないかなと。この文書は、その研究結果(もしくは中間結果)をまとめた報告書でしかないと思います。
この文書の公開から約5年。今、この研究がどれだけ進んだのか、私は知りません。ですが、商品化できるだけの研究が重ねられたであろうこと、もし予見できる危険等があるのなら国家や企業によってそれが公表されるだろうと信じています。それを疑う理由はありません。
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他にもね、給食だ何だと、いろんな言葉が飛び交ってますけどね。正直どれも、元の記事なりなんなりに当たると微妙なんですよ。むりやりな解釈がされてるというかなんというか。この文書も「内閣府の食品安全関係情報データベース」に登録されているだけなのに勝手に「注意喚起」とか紹介されてますしね。……同じページに「情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません」と書いてあるのに。
というか、誰もコオロギ食を「消費者に隠蔽したまま」食べさせようとしていないのに、なんでそこまで神経質になって潰そうとするのか、私にはわからないのですよ。新しい食品が市場に出てきた、食料問題の解決に有効だ、成長する見込みもある、だから投資をした、それだけの話でしかないと思うのですが。
いろんな食べ物があって、好きな人は食べればいいし、嫌いな人は食べなければいい。それでいいんじゃないでしょうか。
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別に、昆虫食やコオロギ食が嫌いなら嫌いでいいし、批判に値するのなら批判すればいいと思います。でも、コオロギ食を安全に普及させるためにされたであろう研究を、その内容が危険性を指摘するものだからと目的を歪めて引用するのは、研究に真摯に取り組んでいるであろう研究者に対するひどい侮辱のように、私は感じます。
少なくとも、この文書で指摘された「好気性細菌数が高い」「加熱処理と芽胞形成菌」「アレルギー源性」「重金属類の生物濃縮」という問題点で現在のコオロギ加工食品を批判するのなら、批判する側は、それらの問題点がクリアされないままに食品化されていることを立証すべきです。また、その研究を否定するのなら、その問題解決が不可能なこと(もしくは現実的でないこと)を立証すべきです。
誤った問題定義によってなされた批判は、批判と呼べるものでは無いと思います。それを正当な批判にしたいのなら、批判者は、問題点が正しいものであると立証する手間を省くべきではないと思います。
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仕事をしていれば、嫌なこともあると思います。でも、ちゃんと仕事をするのが「当たり前」だと思います。仕事に誇りを持つとはそういうことで、そういう当たり前の仕事が世界を支えています。誰もが当たり前のことをして、そのことに胸を張る、そんなものだと思います。
当たり前の仕事でできている世の中だから、世の中の出来事は、当たり前な理由があるのです。その理由に目を向けて、時間をかけて考えれば、世の中というのはちゃんと理解できるようになっています。そんな「当たり前」で出来た世界は、「利権」なんて言葉で説明する世界よりも、確かで、わかりやすい世界です。
その「当たり前」を疑うには、根拠がいるのです。根拠があいまいなままに世の中を疑うのは、誠実に当たり前の仕事をする人たちに対する裏切りになりかねません。
……もし、貴方がそれを嫌うのなら。自分と同じように、当たり前の仕事に胸を張って生きる人を裏切りたくないのなら。もう少ししっかりと、元の情報をもう少しちゃんと咀嚼してみても良いのではないでしょうか?
英語の翻訳だって、今はインターネットで手軽にできる時代です。わからない言葉も、ちょっと調べれば出てきます。本当に、ほんの少しの手間なのです。その手間で得られるもの、救われるものも、きっとたくさんあると、私は思います。
以下、参考までに、元の情報のURLを記載します。
食品安全関係情報詳細(欧州食品安全機関(EFSA)、新食品としてのヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus)についてリスクプロファイルを公表)
https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu05010960149
Novel foods: a risk profile for the house cricket (Acheta domesticus)
https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/j.efsa.2018.e16082
また、同文書でなされた4つのリスクに対する詳細な説明(google翻訳版)を記載しておきます(力つきたのであんまり整えてませんが)。
興味がある方はどうぞ。
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(1)総計して、好気性細菌数が高い。
(2)加熱処理後も芽胞形成菌の生存が確認される。
3.生物学的危険
3.1.細菌と抗菌薬耐性遺伝子
現在、ヨーロッパの法律では、人間の消費を目的とした昆虫全体または昆虫ベースの製品に関する特定の微生物基準はありません. 一部の著者 (例: Caparros Megido et al., 2017) は、ひき肉の総好気性カウント (TAC) を食品の安全性および最終製品の衛生ガイドライン値として使用することを提案しています (欧州委員会 (EC) 規則 No. 2073/2005 による)。しかし、公表されている微生物量によると、未処理のコオロギではひき肉の数値 (5 × 105 CFU/g) を一致させることは困難です (表 1)。報告された値が高いのは、動物が腸を含めて丸ごと食べられるという事実が、1 mL あたり約 106 ~ 1012 の細菌を含む可能性があることを説明している可能性があります (Cazemier et al., 1997)。高い微生物数を減らすために、殺虫ステップの前に 24 ~ 48 時間の絶食を適用する農家もいます。ただし、微生物負荷を減少させるこの手順の効率は不明です。文献の TAC 値は 104 CFU/g から 108 CFU/g の範囲です。使用されたプロトコルの違いや、コオロギの加熱処理などの加工処理の適用が、報告された数字の違いを説明している可能性があります。
微生物負荷が高いにもかかわらず、リステリア・モノサイトゲネスなどの食品由来の細菌は報告されていません。サルモネラ属などの他の重要な種。または Escherichia coli は、プレーティングによってめったに報告されていません (Caparros Megido et al., 2017; Grabowski and Klein, 2017a; Osimani et al., 2017; Vandeweyer et al., 2017a)。よく知られている食品由来のバクテリアの自然な貯蔵庫ではありませんが、コオロギは加工中 (つまり、農業、包装、調理、または提供中) に汚染される可能性があります。エルシニア属、シトロバクター属、フソバクテリウム属 およびバクテロイデス種。コオロギの以前の研究で記録されています (Ulrich et al., 1981)。
(……中略……)
これまでに提供された温度/時間の組み合わせでは、胞子形成した細菌を破壊するには不十分かもしれません (ANSES, 2015)。コオロギでは、胞子形成された細菌は、研究および分析された製品に応じて、102 ~ 105 CFU/g の範囲で記述されています (Osimani et al., 2017; Vandeweyer et al., 2017a)。同様に、Bacillus cereus などの他の胞子形成細菌は、試験したサンプルの 88% (17 個中 15 個) のバッタで、102 CFU/g 未満の数で検出されました (NVWA, 2014)。B. cereus は、A.domesticus の押し出し製品でも確認されています (Grabowski and Klein, 2017c)。Clostridium perfringens およびその他の亜硫酸還元クロストリジウムはめったに検出されないか、低濃度 (102 CFU/g) で検出されました (Osimani et al., 2017)。短時間のブランチング処理などによって土着の微生物叢を除去すると、食品が胞子形成細菌に対して脆弱になり、競合することなく自由に増殖できるようになります。Clostridium sppなどの言及された種のいくつか。およびバチルス種。熱的に安定した毒素を生成する可能性があります。コオロギ製品の保管について、Vandeweyer et al。(2018) は、6 か月の調査で、さまざまな加工済み Gryllodes sigillatus 製品で微生物量が安定していることを観察しました。
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(3)昆虫及び昆虫由来製品のアレルギー源性の問題がある。
4.4 アレルギー
世界保健機関および国際免疫学会連合 (www.allergen.org、最終アクセス日 2018 年 1 月 19 日) によると、直翅目 (コオロギ) で報告された単一のアレルゲンはありません。クリケットの消費に由来する特定の食物由来のアレルギーは、ヨーロッパでは通知されていません。同様に、コオロギの消費がより一般的な地域では、A.domesticus に関連するアレルギー反応はめったに報告されません。コオロギと他の節足動物との交差反応性アレルギー反応が示唆されています (Panzani and Ariano, 2001)。交差反応性は、異なる種 (汎アレルゲン) に存在する一般的に保存されている (グリコール) タンパク質の存在に基づいています。コオロギは節足動物と高いタンパク質相同性を共有しているため、昆虫の消費量の増加に伴い、節足動物 (エビ、カニなど) に対するアレルギー反応の増加が予測されます。たとえば、甲殻類でよく知られているアレルゲンであるトロポミオシンは、コオロギにも存在します。そのため、甲殻類にアレルギーのある人は、コオロギに敏感になり、繰り返し暴露するとアレルギー反応を発症する傾向があります。したがって、これらの感作された個人では、コオロギの摂取は、元のアレルゲン動物(エビなど)にさらされたかのようにアレルギー反応を引き起こす可能性があります。他の節足動物 (甲殻類など) との交差反応性が文書化されており、世界中で 10% もの有病率が推定されています (Moonesinghe et al., 2016)。したがって、甲殻類または軟体動物にアレルギーのある消費者の安全を確保するために、コオロギおよびコオロギ由来の製品にラベルを付ける必要があります(FASFC、2014)。同様に、アルギニンキナーゼ (AK) やグリセルアルデヒド 3-リン酸デヒドロゲナーゼ (GAPDH) などの他の重要な汎アレルゲンは、甲殻類 (エビなど) や昆虫に存在します (Chuang et al., 2010; Khanaruksombat et al., 2014)。ヘキサメリン B1 は、Gryllus bimaculatus (フィールド コオロギ) の特定のアレルゲンとして同定されています (Srinroch et al., 2015)。
昆虫におけるアスペルギルス属およびペニシリウム属の菌類の存在は、二次的なアレルギー反応を引き起こす可能性があります (Schlüter et al., 2017)。昆虫および昆虫由来の食品中のアレルゲンの存在は、適用される食品加工処理によって調整できます。例として、熱処理はタンパク質構造を変化させる可能性があるため、特定の化合物のアレルギー誘発性を誘発または停止します。この効果は、Phiriyangkul らによって文書化されています。(2015) 彼は、生または加工 (揚げ) した場合のイナゴ種パタンガ スクシンクタのアレルギープロファイルの変化を説明しました。同様に、コオロギのアレルギー性プロファイルは、使用する食品加工技術によって大幅に異なる可能性があります。
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(4)重金属類(カドミウム等)が生物濃縮される問題がある。
4 化学的危険
4.1 重金属
コオロギは、他の食品と同様に、カドミウム、ヒ素、鉛、スズを含んでいる可能性がありますが、それらの存在を評価した研究はほとんどありません。コオロギに含まれる重金属の濃度は、動物の飼料や土壌汚染物質に含まれているかどうかによって異なります。重金属は、生体内蓄積または生体共役する可能性があります。Bednarska(2015)らによると、コオロギはカドミウムよりも亜鉛への食事暴露をより効率的に調節しており、コオロギがカドミウムを蓄積する傾向があることを示唆しています。この仮説は、直翅目属の他の種からのデータを使用して、他の著者によってサポートされています (Devkota and Schmidt、2000; Vijver et al.、2003; Zhang et al.、2009)。食用の昆虫やコオロギに含まれる水銀とその有機形態の濃度を分析する研究はまれです。しかし、昆虫は、環境中の汚染物質のレベルを監視するためのセンチネルとして提案されています (Ortiz et al., 2015)。これらの研究を使用して、コオロギの水銀濃度は食事/環境への暴露によって影響を受けることが示唆されています (Zhang et al., 2009; Rimmer et al., 2010)。報告されたデータによると、管理された飼育プロセスの下では、水銀生物蓄積のリスクは低いようです。鉛などの他の金属については、水銀やカドミウムと比較して、バッタの生物蓄積性が低いことが報告されています (Devkota and Schmidt, 2000)。さらに、この研究では、カドミウムは鉛に比べて化学活性が高いため、吸収されやすいことも示唆されました。
食用昆虫または昆虫由来製品中の重金属の濃度は、Poma et al。(2017)、クリケット由来の製品を含む。テストされたすべての重金属 (カドミウム、ヒ素、クロム、鉛、スズ) の濃度は、人間が摂取できる許容レベル内でした。
他の昆虫種における重金属の生物蓄積からのデータが利用可能です。ただし、これらのデータをコオロギに外挿することは不正確である可能性があります。これは、重要な異なる代謝および生理学的な違いが昆虫種間に存在するためです。金属濃度の季節変動や発育段階による違いが、生物蓄積現象に関与している可能性がある (Janssen et al., 1993)。ヒ素、アルミニウム、カドミウム、クロム、水銀などの重金属が人間の消費に使用される食用昆虫に含まれていることは、さらなる研究に値します。入手可能なわずかな研究に基づいて、昆虫の食品で検出されたレベルは、汚染物質に関する規則 (EU) 1881/2006 に準拠しています。
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以上です。元の研究がどんなものかしっかりと理解した上でなら、賛成も反対も、尊重されるべき一つの意見だと、私は思います。