プロローグ 探偵サイド
この作品は探偵サイド、暗殺者サイド二つの視点から楽しめます。時間がある方はどちらとも読んでみると面白さが倍増するのではないでしょうか。
私は昔から頭がよかった。そのせいで子供のころは検査、実験の地獄。唯一楽しみだったのは解いてほしいという暗号や未解決事件、5歳の時には迷宮入りされた殺人事件や数学の未解決問題までといてしまっていた。推定IQは300以上といわれ研究者からは毎日のように賞賛の嵐。そのうち"探偵"と呼ばれるようになった。
気持ちが悪い。自分が頑張ったわけでもないのに褒められるという苦痛から逃げ出したかった。そんな時にある依頼が舞い込んできた。
「桜葉高校に入学し、暗殺者を暴き出してほしい。」と。
私はこの苦痛から逃げ出したいがためにこの桜葉高校に入学しようと思ったのだが、、、
「誤算だった。」
何日も部屋から抜け出してないうえに、まともに運動したことのない私は自分の運動神経を把握していないことに気が付いた。学校に続く坂道で座り込んだ私は入学式の登校時間まで残り5分という絶望的な状況に追い込まれた。
「おい!そこの銀髪でロングの子!」
後ろから声がした。黒い髪に赤い目をした男子高校生らしき姿の人間が話かけてきた。
「遅れちまうぞ。立てるか?」
「無理」
「そ、そうか。じゃあ担ぐから背中に乗ってくれ」
(どれだけお人よしなんだ)
と思いつつも背中に乗ることにした。
「行くぞ」
速い。なんだこの自転車のような速さと、乗り心地の良さは。
「あんた名前は?」
このスピードで走りながらよくしゃべれるなと感心する。
「小川」
「下は?」
「ノマ」
(もちろん偽名だけど。)
「小川 ノマか。俺はよろしくな。」
これが友達というやつか悪い気分はしない。だが私の使命を忘れてはならない。暗殺者を見つけて出す。私に高校生をさせてくれた人に恩返しをするためにも絶対に。
任務を遂行して見せる。
読んでいただきありがとうございます。世界と申します。指摘コメントなどがあれば感想欄に行っていただけると、もっとよりよい小説ができると思うのでよろしくお願いいたします。