助言
「っと、しんみりさせちまったね。すまない。要はあんたらが年長者の心配なんかすることないってことさ。んなことをするぐらいなら、あんたらの仲を深めたらどうだい?」
「え?」
「この先、どんな困難がを待ち受けてるかわからない。けどだからって、そこで諦めて手を離すんじゃないよ。苦難の中にあっても引き裂かれない。それぐらい強い絆を結ぶんだ」
旦那に寄り添ってきた相棒の先輩であるマオからの助言が、俺の胸にジンと響いた。試練と困難が付き纏う勇者の旅において、仲間、特に相棒の存在は必要不可欠。そういうことなんだな?
流石は良妻で年長者。いいこと言うじゃねぇか。
「あ、なんなら、いっそのこと公私共にパートナーになっちまったらどうだい? その方がより親密になれるってもんだろ?」
感心しかけてたところに放り込まれた『公私共にパートナー』というワード。その言葉をよく咀嚼しながら、お互いに顔を見合わせた俺達は、程なくしてその意味に気付き、顔を真っ赤にした。
「そ、それは……!」
「いやいやいや、いくらなんでもそれは飛躍しすぎだって! 俺とまーちゃんは別にそんな関係じゃ……!」
「なんだ。違うのかい? あたいはてっきりそういう性癖なのかと」
「誰がロリコンだ! クソババアッ!」
やっぱさっきのはナシだ! 少しでも見直した俺がバカだった!
と、評価を覆したところで、ゴンが
「アネゴ。親分、帰ってきた」
と、ドンカカの帰還を知らせてきた。
こんな真夜中の塔の上から、ビースト平原から帰ってくるドンカカの姿が見えるとは、野生児の視力半端ねぇな。
「おっ、ようやくかい。野郎共、扉を開けてやりな! 主のご帰宅だよ!」
「へい! 姐さん!」
下っ端共はそう言うと、親分を迎えに駆け足で下へと下りていった。
(って、ここてっぺんだぞ? そっから階段で下りてって、間に合うのか? かっ飛ばした俺が言うのもなんだけど、もし遅れたら玄関前で魔物共から袋叩きに遭うんじゃ……)
と、思っていたが、心配ご無用。後々マオに聞いたら、普段はエレベーターが稼動しており、それを使っているからスピーディーに迎えに行けるんだそうだ。
なら一安心か。と、思ってると、塔の主がズタボロになって帰ってきた。
初めは俺に八つ当たりしていたドンカカだったが、酒が入ったことで気分が大きくなったからか、仕打ちに関してはどうでもよくなったらしく、最終的には俺や部下を巻き込んでバカ騒ぎに興じていた。
そんなご機嫌な親分に一言。迷惑極まりねぇんだよ! この酔っ払いっ!
酒くせぇ息を顔に吐きかけてくるし、変な絡み方や履いてたパンツを脱いで振り回すみたいな、低俗で下品で最低な悪ノリまでしてくる。
しまいには一気飲みを強要してきたから断ったら、
「あ!? 俺の酒が呑めねぇってぇのか~?」
と、お決まりのセリフまで吐く始末! 見た目では上戸だと思ったが、とんでもない。こいつは、絶対、酒飲ませたらダメなタイプの奴だ!
この状況に見かねたマオが、機転を利かせてまーちゃんとゴンを連れて、居住区まで退避させてくれて、ほんとによかった。でなきゃ、まーちゃんがセクハラの被害に遭っちま……
(……って、ちょっと待てよ? もしかしてマオの奴、こうなることをわかって、俺を放置したんじゃ……)
…………あんのババアー! 俺にこのめんどくせぇ酔っ払いの相手をさせるとか、嫌がらせにもほどがあんだろっ!
てなわけで、ババアに嵌められた俺は、その怒りをぶつけるように、ぶっ倒れるまでひたすら酒を呑みまくった………………
マオ(Lv20)のステータス
HP……40
MP……22
物理攻撃力……45(装備による加算あり)
物理防御力……48(同上)
魔法攻撃力……10
魔法防御力……40(同上)
素早さ……65(同上)
命中……44
運……53(同上)
・装備
バンテージ(物理攻撃力5 素早さ3)
武道着(物理防御力20 素早さ10)
サンダル(素早さ2)
ピアス(魔法防御力2 運1)
・特技……【青龍破】 【白虎掌】 【朱雀翔】 【玄武甲】 【麒麟烈破】
作中未使用の技あり




