表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まーちゃんとクエスト!!  作者: 天馬光
第二章 ギルディア
69/442

勇者と盗賊の頂上決戦

 荷物を手に、宝物庫を後にした俺達は、その足でドンカカがいるであろう塔のてっぺんへと向かった。

 といっても、ほとんど【ガストブースト】で上ってったから、足というのは少々語弊があるかもしれないが。



 ともかく、〇い彗星をも上回る4倍の速度で塔を駆け上がった俺達は、ついに最上層に到達した。

 見張り台の役割も兼ねているのか、柵を含めて障害物は一切なく、ビースト平原を地平線の彼方まで見渡せる。

 そんな景色のいい場所で、コソ泥夫婦は俺達を待ち構えていた。


「フッ、よく来たね。ボウヤ。どうやら、荷物は取り戻したみたいだね」


「あぁ。これで1つ目の目的は達せられた。後はてめぇらをボコボコにするだけだ」

 そう言って俺は、2人に剣を向ける。


「へっ、そうこねぇとな。俺様もバシレイアでの借りを返さねぇとと思ってたところだ」


「そうかい」


「それはそうと……」

 ドンカカはそう言うと、俺の隣にいたまーちゃんの方を向いて、ニタッと笑った。


「おや~? 誰かと思ったら、あん時売り飛ばされかけたドジで弱虫なお嬢ちゃんじゃねぇか。こんなところに何しに来た? また売られに来たのか? あぁ?」


「ち、違います。私は……」


「がはは。だいたいのことはマオから聞いたが、勇者の仲間になっても、その性格までは変わらなかったみてぇだな」

 仲間に対する侮辱的な発言に、俺の目つきはだんだん険しくなっていく。


「おい、オッサン。何が言いてぇんだ?」


「なーに、大人の男として、ちょっとした忠告をと思ってな」


「忠告?」


「じゃあ聞くが、ボウズ。なんで俺様が、嬢ちゃんを仲間に加えず、売り飛ばそうとしてたかわかるか?」


「若い女は奴隷として需要があるからじゃないのか?」

 そう答えると、ドンカカはチッチッチッといった感じで否定した。


「それもあるし、金が入り用だったってのもあるが、1番の理由は役に立たねぇからだ。戦闘に不向きな上、お人好しすぎて商人にも向かない。そんなお荷物を必要とするバカがどこにいる?」

 自身が最も痛感している欠点を突かれ、まーちゃんはひどく落ち込む。


「要は、おめぇもさっさとこいつに見切りをつけて、新しい仲間を見つけた方がいいってこった。こいつは言うなりゃ、虎の威を借る狐。勇者であるお前と一緒ってだけで、自分も強くなった気でいるただの雑魚だ。そんな奴と一緒にいたって、得なんざありゃし……」

 そう言いかける奴の言葉を断ち切るように、俺は剣と脇差を振り下ろし、咄嗟にガードした奴の斧とぶつけ合った。

 これ以上あいつの言葉を聞くのは、反吐が出そうだったからだ。


「取り消せ。まーちゃんは雑魚でもなきゃ、虎の威を借る狐でもねぇ。何度も俺を支えてくれたかけがえのない相棒(パートナー)だ。それをてめぇの尺度で、勝手なことほざいてんじゃねぇよ」

 マジギレする俺を目の当たりにして、まーちゃんの目に光が戻る。

 対してドンカカは、迫力と怒気に少し気圧されてたみたいだが、すぐに闘志に火がついたらしく、戦士の顔になる。


「……ククク、いいねぇ。その殺気。そうこねぇと。だがな、ボウズ。俺様の相手ばかりしてていいのか? 横がガラ空きだぜ?」

 ドンカカがそう言った直後、右肩に飛び蹴りをくらい、俺の体は横に吹っ飛んだ。


「あたいを無視するとは、いい度胸だね。ボウヤ」


「いつつ……なんつー蹴りしやがんだ。あのババア。旦那がゴリラなら嫁もゴリラかよ」


「言ったね! その言葉、後悔させてやるよ!」

 ババアは怒りを露わにして殴りかかってきたが、それをまーちゃんがメイスで阻む。


「勇さんはやらせません」


「ハッ、弱いなりに意地でも見せようってのかい?」


「えぇ。こんな私でも、勇さんはパートナーだと言ってくれました。勇者の仲間として、勇さんのパートナーとして、その期待には応えなければなりません!」

 そう言ってまーちゃんは、力任せにメイスを振り回した。


「コボからぶんどったメイスを使ってまで、我を通すってわけかい。若いだけあって、まだまだ青いね……が、そういうの嫌いじゃないよ。いいだろう。どっちが真に強い絆で結ばれた最強のコンビなのか、ここで白黒つけようじゃないのさ!」


「望むところです!」

 その言葉をゴングに、俺とまーちゃんvsドンカカ夫婦のタッグマッチが始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ