漫画みたいなトラップ
その時、上の方から何やら声が聞こえてきた。声の主は下っ端のようだ。
奪われた荷物の場所がわかるかもしれない。そう思い、なんて言ってるのか奴らの声に耳を澄ませて聞いていると、
「せーの!」
と言う声の後に、何かがゴロゴロと転がってくる音が近付いてくる。
これはもしかして…………マズい!
「あいつら! まーちゃん立てっ! 走るぞ!」
「え!? 走れって、どちらに!?」
「下だ下っ! でねぇとペチャンコにされっぞ!」
そう言ってる間に、見えてきやがった。嘘だろってぐらい丸くてバカでけぇ岩が。
「とにかく走れーっ!」
「は、はいっ!」
そう言って俺とまーちゃんは、回れ右して、全速力で階段を駆け下りていった。
あいつら、こんな漫画みたいなベタなトラップ仕掛けやがって! このまま下りてったら、さっきの玄関フロアへ逆戻りじゃねぇか! 折角ここまで上ってきたってのに、振り出しに戻るなんて冗談じゃねぇ!
こうなったら一か八かだ! やるしかねぇ! 危険は承知だが、これ以上あいつらの罠に付き合ってられるか!
「まーちゃん。先に行け!」
「勇さん!?」
「【モード・ウインドエッジ】!」
そう言って勇者の剣に風を纏った俺は、真っ正面から大岩に向かっていき、
「【ガスト】ッ!」
と言って、突き刺すと同時に突風を放ち、大岩を風化させ、塵と化した。
これで眼前の脅威は払拭できた。とくれば次は、逃げ戻った分の遅れを取り戻さなきゃならない。
「よし。まーちゃん来い!」
「は、はい!」
俺はまーちゃんを呼び寄せて側まで来させると、その小柄な体を抱きかかえて、
「しっかり掴まってろ。暴れたりして手を離したら死ぬからな」
と、釘を刺した。
正直、危険な賭けではあるし、初めて試すから、掴まってたら絶対安全ってわけでもない。
けど、成功確率を上げるためにも、少しでも万全を期した方がいい。
「いくぜ。【ガストブースト】!」
そう言って俺は、【ガスト】を階段に放ち、その風圧を利用して上層へと飛空し、
「もいっちょ! まだまだ!」
と、言いながら、壁や階段に【ガストブースト】を連発して上へ上へと目指した。
風圧でどこまで行けるのか、ちゃんとコントロールできるのか、また人体にどれほど影響があるのか、色々と不確定要素があったからやらなかったけど、どうにかうまくいってよかった。
勇は【モード・ウインドエッジ】と【ガスト】と【ガストブースト】を会得した。
上記の技の消費MP
【ガスト】 消費MP2
【ガストブースト】 消費MP2
・【ガスト】の説明
【モード・ウインドエッジ】時のみ使用可能。敵単体に防御不能かつ通常の1.1倍の威力の風属性斬擊ダメージを与える。
・【ガストブースト】の説明
非戦闘時のみ使用可能。ダンジョンなら5層分、フィールドなら15メートル先へ高速移動し、戦闘を回避する。1回使用毎にMP消費




