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まーちゃんとクエスト!!  作者: 天馬光
第一章 バシレイア
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謁見

 勇者の剣が抜けたニュースは、瞬く間に都中に広まり、王の耳にも届いた。

 待望の勇者の出現に、国王は一刻も早く、勇者と対面したくて、ウズウズしていたことだろう。


「陛下。勇者殿がお見えになりました」


「うむ。通せ」

 命令を受けた従者に扉を開けてもらって、俺はラーサーに連れられる形で王と謁見した。


「ラーサー・K=シュヴァリエール二等兵です。例の者をお連れしました」


「う、うむ……」

 そう言う王様の顔は、明らかに難色を示していた。

 王様は俺のことを、よっぽど立派な人物だと思ってたんだろうな。出てきたのがこれだったせいか、あまりのイメージとの違いに、目が点になっている。


「……シュヴァリエール。ちと、ここへ。お前達もじゃ」

 王様はそう言うと、家臣とラーサーを手招きし、自分の傍まで呼び寄せた。


「本当にあの者が抜いたのか!? どう見ても勇者というより、山賊じゃろ!」


「えぇ。とても信じられないでしょうが、間違いありません。現場に立ち会い、この目ではっきりと目撃したので」


「しかしじゃなぁ……」

 おーい。おめぇらー。聞こえないように小声で話してるつもりかもしんねぇけど、丸聞こえだぞー。


「はぁ……もうよい。下がれ」

 頭を抱えた王様にそう言われて、ラーサーと家臣が戻ってきた。どうやら、話し合いは終わったようだ。


「ゴホン。待たせたな。状況が状況なだけに、俄に信じ難くてな。真偽を確かめておった。すまん」


「あ、いえいえ」

 よく言うよ。このジジイ。ま、顔のことは慣れっこだから、もういいけど。


「して、そなたの名は?」


「あぁ、広岡勇っていいます。初めまして」

 そう答えると、王様は合点がいったらしく、小さく頷いた。


「ふむ……やはりそういう名か」


「やはりって、何か心当たりがあるんですか!?」

 そう尋ねると、王様はこの世界と勇者について語り始めた。

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