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まーちゃんとクエスト!!  作者: 天馬光
第一章 バシレイア
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王道勇者

 その時、


「てめぇ、このロリコン野郎! プリスから離れやがれーっ!」

 という声と共に、重そうな装備で武装した男が走ってきて、躊躇なく大剣を振り下ろしてきた。

 飛び退いて避けれたからいいものの、危うく真っ二つにされるところだ。


「あっぶねぇ……いきなりなにすんだ!」

 そうクレームをつけるが、


「今だ! メイ爺!」


「わかっておる」

 と、俺のことなんか無視して、奴とその仲間である魔術師風のジジイはプリスの手を引き、彼女を保護する。

 どうやらこいつらが、この子のお仲間らしい。ったく、ずいぶんと血の気の多い仲間だな。おい。


「大丈夫か? プリス。ひどいことをされんかったか?」


「え、えぇ」

 それを聞いて胸を撫で下ろすと、野郎共が俺の方をギロリと睨みつけてくる。


「おぬし……いくらプリスがプリティーじゃからってな、やっていいことと悪いことがあるじゃろ」


「いや、俺は何も……」


「問答無用だ! 神妙にしろ! このド悪党!」

 おい、てめぇら。ちったぁ人の話を聞きやがれ。って、無理か。こいつら、頭に血が上りすぎてて、聞く耳すら持っちゃくれねぇ。

 どうにかプリスの口から、誤解を解いてくんねぇかな。それか、良識のある保護者が出てきてくれれば……


 と、思ってると、


「メイ爺ー、ケンー。そっちは見つかった?」

 という声がして、早とちり野郎共とプリスの仲間が現れた。


 二十歳前後と思われるそいつは、中性的かつ端正な顔立ちをしており、クセの無い黒のショートヘアーと相まって、とてもボーイッシュな見た目をしていた。印象としては、可愛いというより、凛々しいと言った方が正しいのかもしれない。

 そんな、ともすれば美男子と間違われかねない彼女が、辛うじて女だとわかったのは、白いマントやボトムス、ブーツといった露出や女らしさを隠そうとする装備とは対照的に、少し丈が短く、露出度の高いベアトップワンピースのような青い服を身に纏っていることや、それによって、大きくて形のいい胸が強調されていたからだ。


 その見た目とのギャップも然る事ながら、某RPGの同人作品に出てきかねない出で立ちに、俺はすぐにピンときた。


「もしかして、お前……」


「ん? いかにも。ボクはマリアロッテ・ジャンダルク。みんなからは『マリア』とか『ロッティ』って呼ばれてる。一応、精霊の主・エルフィニア様から啓示を受けたインペリアの勇者だよ」

 やっぱりそうか! その見た目は完全にそうだと思った! てか、他にも勇者がいたのかよ!


「君達がプリスを見つけてくれたんだ? ありがとう。助かったよ」

 そう礼を言って、ロッティは俺達に握手を求めようとしたが、ケンが強引に割って入ってきた。


「待て待て、ロッティ! そいつに礼なんかすんな。そいつはプリスを連れ去ろうとした悪党だぞ」


「そうなの?」


「そうじゃ! そうに決まっておる! 此奴の顔をよく見てみよ! これが善人の顔だと思うか? どう見ても悪人の面をしておるじゃろう」

 こいつら、好き放題言いやがって……人を見かけで判断すんなっつーの。


 てな具合に、仲間達からの意見を受けて、ロッティは真実がわからず少々混乱しているようだったが、あれを見たことで、ようやくわかってくれたようだ。


「……待って。君の腰に差してる剣ってもしかして……」


「あぁ。ご名答。勇者の剣だ」

 それを聞いたロッティの仲間達は、よほど信じられないらしく、ざわついた。


「やっぱり! ということは、君がエルフィニア様が話していた異世界の勇者なんだね?」


「エルフィニアって……あいつから俺のことを聞いてたのか!?」

 驚く俺の問いに、ロッティは素直に頷く。

 あのアホ精霊。『期待している』とか言っときながら、ロッティばっか贔屓しやがって。ますます不公平じゃねぇか。

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