ポルトレイア
ホリオ村を出発してから3日経ったラグナ暦7998年ノルムの7日の朝8時頃。あの夜のことを話した俺は、道中、遭遇した魔物を狩って、経験値と金を稼ぎながら、まーちゃんの提案&案内でバシレイアの西端にある港町・ポルトレイアに来ていた。
この町は、まーちゃんが親父さんに連れられてよく来ていた町であり、まーちゃんにとって第2の故郷といっても過言ではない。
あと、もうお察しだとは思うが、文明レベルが中世ヨーロッパ並のラグナヴェルトに、飛行機とかといった空飛ぶ乗り物は存在しない。
それ故、国同士を行き来する唯一の乗り物である船は、人々から重宝されており、その玄関口である港町は、物流や漁業、観光や外交の重要拠点として、都に匹敵するほど活気付いている。
てことは必然的に、物も情報もそれだけ多く集まってるということになる。てことは……もうわかるだろう。
「まーちゃん。悪ぃんだけど、買い出しに行ってきてくんねぇか? その間に俺は、ギルディア大陸と魔王についての情報を集めとく」
そう。情報収集と装備品の購入だ。
こういう装備を買える状況になった時、RPGをやったことがある人間の行動心理は、だいたい2パターンに別れる。こまめに買うか、いけるところまで購入を我慢するかだ。
前者は、できる限り安全第一に進めたかったり、図鑑等のやりこみ要素を満たしたい人に多くみられるが、こまめに買う分、金の消費も激しく、本当に欲しい物を買えなくなる恐れがある。
対して後者は貯めこむ分、資金に余裕が生まれ、いざという時、高額な装備を難なく買える。が、反面、スリルとやり応えと己の限界を追求するあまり、思いもよらない敵と遭遇し、あっさりゲームオーバー。なんてことに繋がりかねない。
ちなみに俺は本来、後者なのだが、例の洞窟での死闘から、それでは全滅しかねないと思い直し、考えを改めることにした。
「わかりました。それで、何を買ってくれば?」
「そうだなぁ……武器は今のところ大丈夫だから、盾以外の防具類を頼む。サイズは中で、なるべく金貨5枚以内で済ませてくれりゃいい。あとは……まーちゃんに任せる」
「いいんですか?」
「あぁ。何せ金貨14枚分も金があるからな。自分の装備を整えるなり、アイテムや食材を補充するなり、服やアクセサリーや買い食いに使うなり、好きに使ってくれていい。終わったら港の前で集合な」
そう伝えると、まーちゃんは了解し、人混みの中へと歩いて行った。
「あ、言っとくけど、まずは装備とかアイテムを買い揃えてからだからな! 先に嗜好品に使いまくって『船賃を払う金すらなくなっちゃいました』じゃ、シャレになんねぇぞ!」
俺は念の為にそう釘を刺して、まーちゃんを見送った。
まぁ、商人とは思えないぐらい我欲の少ないまーちゃんのことだから、大丈夫だとは思うけどな。ホリオ村の時だって、必要な物以外買ってこなかったし。
そう自分に言い聞かせた俺は、少し不安に思いつつもまーちゃんを信頼し、情報収集を始めた…………
ちなみに僕は、後者で挑んでみたいと思いつつも、チキンなので、基本前者のパターンでRPGを攻略しています。
やっぱり主流はこっちなんでしょうかね?




